著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Indonesian Journal of Health Science

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

学齢期の子どもの間で「超加工食品(UPF)」を食べる機会が増えていることが懸念されています。超加工食品とは、工業的な工程を何段階も経てつくられた食品のことで、味、食感、香り、日持ちをよくするために、さまざまな食品添加物が使われるのが一般的です。

研究チームによると、インドネシア東南スラウェシ州のクンダリ市では、学校で実際にどのような超加工食品や食品添加物が出回っているのかについて、十分な情報がありませんでした。そこで著者らは、市内の公立小学校「SD Negeri 59 Kendari」の売店で販売されている超加工食品に、どのような食品添加物が含まれているかを明らかにすることを目的としました。

何をどう調べたか

調査は2026年5月、この小学校の売店で行われました。人や動物を対象とせず、売店で一般に販売されている包装食品そのものを調べる研究です。期間中に売られていた包装食品はすべて調査対象とされました。

各製品が超加工食品にあたるかどうかは、食品を加工の程度によって分類する国際的な枠組み「NOVA分類」に基づいて判定されました。食品添加物は、包装ラベルの原材料表示に記された物質名や国際番号をもとに特定し、インドネシア食品医薬品監督庁(BPOM)の規則に従って、甘味料、うま味などを強める調味料(風味増強剤)、乳化剤、香料、着色料、保存料などの用途別グループに分けられました。結果は、それぞれの項目に当てはまる製品数と割合として整理されています。

主な結果

売店で確認された包装食品は62品で、論文はそのすべてがNOVA分類の超加工食品に当たると報告しています。種類別では、スナック菓子が最も多く29.0%、続いてビスケット19.4%、キャンディー類14.5%、ウエハース12.9%、インスタント麺9.7%でした。

食品添加物の用途別グループでは、甘味料が最も多く登場し、全製品を通じて数えた添加物グループの出現回数のうち22.9%を占めました。次いで風味増強剤と乳化剤がそれぞれ18.1%、香料が17.1%でした。

個々の添加物では、うま味調味料として知られるグルタミン酸ナトリウム(MSG、E621)が最も多く、62品中19品(30.6%)に含まれていました。大豆レシチン(乳化剤、E322)が17品(27.4%)、ショ糖が16品(25.8%)、合成香料が15品(24.2%)と続きます。著者らは、MSGと、うま味を補い合うイノシン酸ナトリウムやグアニル酸ナトリウムが組み合わせて使われている点にも触れています。

1製品に含まれる添加物のグループ数を見ると、2グループの製品が62.9%、3グループが35.5%で、4グループの製品は1品(1.6%)でした。研究チームは、複数のグループの添加物を組み合わせて使うことが、この売店の超加工食品に共通する特徴だとしています。

この研究が示すこと

この研究は、一つの小学校の売店に並ぶ包装食品が、ラベル表示から見るとすべて超加工食品に分類され、多くの製品で複数の種類の添加物が組み合わされている様子を具体的に示しました。

一方で著者らは、見つかった添加物はいずれもラベルに正式に表示され、規定の範囲内であれば使用が認められているものであり、添加物が含まれていることがそのまま製品が安全でないことを意味するわけではないと強調しています。また、この研究は子どもたちが実際にどれだけ食べているかや栄養状態は調べていません。論文は今回の結果を、食品表示を読み解く力を育てる教育や、健康的な学校売店づくり、学校でより健康的な食品を提供するための方針づくりの基礎資料として位置づけています。

原著論文の著者・所属:Paridah Paridah(Universitas Halu Oleo)、Agnes Mersatika Hartoyo(Universitas Halu Oleo)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Paridah Paridah, Agnes Mersatika Hartoyo. Identification of food additive types in ultra-processed food products sold at the canteen of SD Negeri 59 Kendari. Indonesian Journal of Health Science 2026-08-02. DOI: 10.54957/ijhs.v6i4.2359. 原著ライセンス:CC BY.