8月の北海道では、夕張をはじめとするメロン産地が盛りを迎えています。店先に並ぶ丸い実を割ると、皮のすぐ内側からじんわりと橙色が広がる、あの断面こそが夕張メロンらしさです。メロン 露地メロン 赤肉種 生として、この色合いは成分表にもはっきりと数値で記録されています。なお夕張メロンは成分表に個別の収録がないため、ここでは一般的な露地メロン赤肉種の値で見ていきます。
可食部100gあたりの数値を見ると、エネルギーは45kcalと控えめで、たんぱく質1.0g、脂質0.1g、炭水化物10.4gという構成です。水分の多い果物らしく、軽やかに食べられる甘さといえます。
そのなかで際立つのがβ-カロテンの量で、可食部100gあたり3600µg含まれます。β-カロテンは体内でビタミンAに変わる(プロビタミンA)色素で、黄色から橙色の色みを持つ成分でもあります。にんじんやかぼちゃなど色の濃い野菜に多いとされる成分ですが、果物であるメロンの中にもこれだけの量が含まれているのは印象的です。なお1個はおよそ500g(皮や種を含む購入形態の重量)とされており、これは可食部100gあたりの成分値とは基準が異なる数字です。
実はメロンという食品は、果肉の色によって成分表の扱いが分かれています。露地メロンは果肉色の違い、つまり淡緑色の「緑肉種」と淡橙色の「赤肉種」でビタミンA含有量に差があるため、あえて細分化して収載されているのです。夕張メロンをはじめとする赤肉種の淡い橙色は、こうした品種間の違いを映す見た目の個性のひとつで、色の濃い赤肉種のほうがビタミンAのもとになる成分を多く含むかたちになっています。皮をむいて色の違うメロンを並べてみると、この差が一目でわかるはずです。
メロンの主産地としては、茨城・熊本・北海道・山形・愛知の順に収穫量が多いとされています。北海道はこの中で3番目に位置していますが、夕張をはじめとする道内産地は、赤肉種の代表格として広く親しまれてきた土地といえるでしょう。8月はその露地物がまさに出回るころです。
食べ方としては、冷やしてそのままスプーンですくうのが定番です。種のまわりのワタ部分にもβ-カロテンやビタミンCが含まれるとされるので、捨てずにヨーグルトへ混ぜるなどして活用する食べ方もあります。栄養の値はあくまで可食部100gあたりのものなので、食べる量に応じて楽しむとよいでしょう。
皿に盛られた赤肉の断面は、暑い盛りの北海道が育てた色そのものです。次に出会うメロンを切るとき、その橙色の濃さにもう一度目を留めてみたくなります。
※本記事は日本食品標準成分表(八訂)のデータ等をもとに作成しました。
栄養素のはたらきの記述は、次の公的資料に基づきます:厚生労働省 食事摂取基準