掲載誌:Journal of Innovative and Creativity (Joecy)
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
肥満は世界的な健康問題で、年々増え続けており、病気や死亡のリスクを高めるとされています。研究チームは、肥満への対策として栄養教育が必要だと考えました。そして、教育に使う道具として、ドミノの形をとった印刷教材「肥満ドミノ」と、配布用のリーフレットに注目しました。
この研究の目的は、インドネシア・パレンバンにあるムハマディヤ第1高校の肥満の生徒を対象に、これらの教材を使った栄養教育が主要栄養素の摂取量に影響するかを調べることでした。主要栄養素とは、体のエネルギー源となる炭水化物、脂質、たんぱく質のことです。研究では、これらに加えてエネルギー摂取量も調べています。
どのように調べたか
研究は「準実験」と呼ばれる方法で行われました。参加者をくじ引きのように無作為に分けるのではなく、既存のグループを比べる方法です。教育を行う前と後に摂取量を測り、二つのグループの間で比べています。
生徒は二つのグループに分けられ、それぞれ35人でした。一方のグループには肥満ドミノを使って栄養教育を行い、もう一方の比較グループには印刷したリーフレットを使って教育を行いました。結果は、二つのグループの平均値の差を調べる統計手法(t検定)で分析されています。
主な結果
抄録によると、エネルギー摂取量と炭水化物摂取量では、統計的に意味のある差が認められました。統計で意味のある差かどうかは、偶然でも起こりうる差かどうかを表す「p値」という目安で判断します。一般に0.05未満なら意味のある差とみなされます。エネルギー摂取量のp値は0.035、炭水化物摂取量は0.000と報告されています。
一方、たんぱく質摂取量のp値は0.475、脂質摂取量は0.515でした。どちらも0.05を上回り、意味のある差は認められませんでした。著者らは、栄養教育はエネルギーと炭水化物の摂取量には影響を示したものの、肥満の生徒のたんぱく質と脂質の摂取量には影響がなかったと結論づけています。なお、抄録には摂取量がどの方向にどれだけ変わったかは示されていません。
この研究が示すこと
この研究は、肥満の高校生への栄養教育で使う教材の違いが、栄養素によっては摂取量の差につながる可能性を示しました。エネルギーと炭水化物では差が見られた一方、たんぱく質と脂質では差が見られませんでした。栄養教育の影響は、栄養素ごとに一様ではないことがうかがえます。
原著論文の著者・所属:Hana Wulandari(Ministry of Health Polytechnic of Health Palembang)、Podojoyo Podojoyo(Ministry of Health Polytechnic of Health Palembang)、Yuli Hartati(Ministry of Health Polytechnic of Health Palembang)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Hana Wulandari, Podojoyo Podojoyo, Yuli Hartati The Effect of Nutrition Education Through Domino Obesity and Leaflets on Macronutrient Intake in Obesity Adolescents at SMA Muhammadiyah 1 Palemban. Journal of Innovative and Creativity (Joecy) 2026-09-05. DOI: 10.31004/joecy.v6i2.14166. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。