著者の所属・活動拠点の国は、オーストラリアです。
掲載誌:Critical Reviews in Food Science and Nutrition
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
植物を原料に肉の見た目や食感を再現した「植物由来の代替肉」への関心は世界的に急速に高まっています。一方で、こうした製品が栄養面で肉の代わりになるのか、豆類などの従来の植物性たんぱく質と比べてどうなのかは、はっきりしていませんでした。
研究チームは、代替肉製品の栄養成分を、加工していない肉、ハムやソーセージなどの加工肉、従来の植物性たんぱく質と比較しました。さらに、食事の中で肉を代替肉に置き換えた場合に、成人の栄養摂取がどう変わり得るかを試算しました。
何を調べたか
著者らは、オーストラリアのスーパーマーケットチェーンで販売される商品の調査と、Global Food Instituteのデータベースを用いて食品を集めました。対象は代替肉製品1515品、加工していない肉246品、加工肉104品、従来の植物性たんぱく質11品です。
そのうえで、オーストラリアの食事ガイドラインが勧める加工していない肉の摂取量のうち、50%または100%を代替肉に置き換えた場合を想定しました。19〜50歳の成人と70歳を超える高齢者について、栄養素の摂取への寄与がどう変わるかをモデルで推計しています。
主な結果
論文によると、代替肉製品は栄養成分のばらつきが大きいものでした。加工していない肉と比べると、たんぱく質と飽和脂肪は少ない一方、脂質全体、エネルギー、炭水化物、ナトリウムは多い傾向がありました。加工肉と比べると、たんぱく質と脂質は少なく、炭水化物と食物繊維は多いと報告されています。
従来の植物性たんぱく質と比べると、代替肉製品はたんぱく質と脂質が多く、食物繊維は少なく、ビタミンやミネラルといった微量栄養素の含有量はより不ぞろいでした。
置き換えの試算では、加工していない肉を代替肉にすると、たんぱく質、飽和脂肪、主要な微量栄養素、特に亜鉛とビタミンB12への寄与が減るという結果が示されました。減少幅が最も大きかったのは高齢者でした。反対に、脂質全体、炭水化物、糖類、食物繊維、ナトリウムへの寄与は増えると推計されました。
研究が示すこと
この研究は、代替肉製品をひとまとめに「肉の代わり」とみなすことはできず、製品によって栄養面の特徴が大きく異なることを示しています。著者らは、これらの結果が代替肉製品の配合の見直しや、食事に関する指針づくりに役立つとしています。
著者:Huize Ni(School of Agriculture, Food and Wine, Adelaide University)、Tina Bianco‐Miotto(Robinson Research Institute, Adelaide University)、Helen Morris(School of Agriculture, Food and Wine, Adelaide University)、Shao Jia Zhou(Robinson Research Institute, Adelaide University)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Huize Ni, Tina Bianco‐Miotto, Helen Morris, et al. Nutritional composition of plant-based meat alternatives and modeled implications for adult nutrient intake: a comparative analysis with conventional meats and traditional plant proteins. Critical Reviews in Food Science and Nutrition 2026-10-06. DOI: 10.1080/10408398.2026.2742119. 原著ライセンス:CC BY.