研究論文紹介記事一覧
発表された国内外の研究論文のうち「CC BY CC BY-SA CC0」ライセンスが付与され、内容が要約できる研究論文を紹介しています。その他、毎時収集した研究論文一覧を見る
原油流出の影響を受けた熱帯の湾周辺で、ムラサキイガイの仲間に含まれる多環芳香族炭化水素を測る簡便な分析法
多環芳香族炭化水素(PAH)は、化石燃料などが不完全に燃えたときや、原油の流出・船舶の往来・工場排水などから環境に入る化学物質のグループです。分解されにくく生物の脂肪に蓄積しやすいうえ、一部には変異原性や発がん性があるため、海洋汚染を監視するうえで重要な対象とされています。
公開日: 2026年10月15日 06:06
アマゾン川流域の住民における水銀ばく露とセレンのバランス:乾季と雨季の比較と食事の関わり
ブラジル・アマゾンの川沿いで暮らす人々は魚を主な食料としており、魚に含まれるメチル水銀(水銀の有機化合物で、食物連鎖を通じて大型の魚に蓄積しやすい)に慢性的にさらされています。川に入る水銀の由来としては、過去や現在の金採掘、土壌にもともと含まれる水銀の流出などが考えられますが、今回の地域でどの由来が…
公開日: 2026年10月12日 06:16
ブラジルの病院食から見つかった、カルバペネム分解酵素をもつ珍しい腸内細菌の報告
カルバペネムは、抗菌薬の中でも重要な位置を占めるβ-ラクタム系の薬の一群です。この薬を分解する酵素「カルバペネマーゼ」をつくる腸内細菌の仲間(腸内細菌目。大腸菌や肺炎桿菌などを含むグループ)は、世界的な公衆衛生上の課題とされています。こうした菌は人の感染症でよく見つかりますが、近年は環境や動物、食品…
公開日: 2026年10月11日 08:50
冷凍のカニカマとスモークサーモンを購入後に冷蔵保存したときのリステリア汚染を調べた研究
リステリア・モノサイトゲネスは、冷蔵庫の温度でも増えることができる食中毒菌です。欧州の機関による2021年の監視活動では、この菌による病気(リステリア症)は、動物と人の間で共通してみられる感染症のうち4番目に多く報告されました。致死率が高く、最も重い部類の病気とされています。特に乳児や免疫の弱い人で…
公開日: 2026年10月10日 06:04
腎臓病の治療で薬と食事はどう補い合うのか——総説が整理した統合的アプローチ
肥満、2型糖尿病、慢性腎臓病(CKD、腎臓のはたらきが長期にわたって低下していく病気)に対する薬の選択肢は、近年急速に広がりました。著者らは、こうした薬物療法が臨床の現場を変え、代謝性疾患の治療の幅を大きく広げたと述べています。
公開日: 2026年10月03日 04:59
水俣条約のもとでの人の水銀バイオモニタリング——血液・尿・毛髪・組織の指標を整理した総説の紹介
水銀は世界中の環境に広く存在する汚染物質で、世界保健機関(WHO)が公衆衛生上とくに懸念される化学物質の一つに位置づけています。水銀には金属水銀(元素状水銀)、無機水銀、有機水銀という形態があり、著者らによれば、体内での動き方(吸収・分布・排出のされ方)や影響が出やすい臓器はそれぞれ異なります。
公開日: 2026年09月20日 17:33
野菜と尿路感染症から集めたプロテウス・ミラビリスを比べた研究の紹介
プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)は、ふだんは害を起こさないこともある一方、条件がそろうと感染症を引き起こす「日和見病原体」と呼ばれる細菌です。とくに尿路感染症との関連がよく知られています。研究チームによれば、この細菌の病原性は、体の組織にくっつく性質(付着)、菌が集まって…
公開日: 2026年09月18日 17:31
ブラジル産ブロイラー鶏肉から分離された薬剤耐性菌の性状を調べた研究
鶏肉は世界で最も多く生産される食肉となり、そのなかでブラジルは最大の輸出国とされています。著者らは、家きん由来の食品が食中毒菌の重要な保有源と考えられてきたこと、そして薬剤耐性菌の広がりが人と動物の健康に影響することを背景に、鶏と体(と体=処理後の鶏の身体)から分離される細菌の耐性の状況を調べました…
公開日: 2026年09月17日 12:10
ライム中の残留農薬136種を一度に測る分析法の開発
果物や野菜に残った農薬を調べる検査は、食品の安全性を確かめるうえで欠かせません。しかし著者らによれば、柑橘類の果実は酸味が強く、含まれる成分の組み合わせも複雑なため、分析の対象としては扱いにくい相手だといいます。
公開日: 2026年09月17日 05:27
アマゾン・タパジョス川流域における30年間の水銀研究をふり返る
ブラジル・アマゾンのタパジョス川流域は、この30年ほどのあいだ、環境中の水銀に長期間さらされることの影響を調べる主要な研究の場となってきました。この地域での水銀曝露は主に、魚を食べることを通じて体内に取り込まれるメチル水銀(水銀が微生物などの働きで変化した、生物に取り込まれやすい形態)によるものだと…
公開日: 2026年09月15日 06:32
マテ茶の「実」を活かす — 溶媒の計算予測と実験を組み合わせた有用成分の抽出研究
マテ茶(イェルバ・マテ、学名 Ilex paraguariensis)は南米を中心に飲まれ、近年は世界にも広がっている常緑樹です。飲用に使われるのは主に葉と茎で、赤黒く熟す小さな果実はほとんど利用されていません。研究チームによれば、1本の木は葉7.5kgあたりおよそ1kgの果実をつけるとされ、現状で…
公開日: 2026年09月13日 16:55
アマゾン・シングー川のダム下流域、魚の水銀濃度はどう変わったか
大型ダムの建設は川の流れだけでなく、魚に含まれる水銀の量にも影響を与えることがあると報告されています。アマゾン地域で最大級の発電容量を持つベロモンテ水力発電所(ブラジル・パラー州、シングー川)が2016年に稼働を始めて以降、周辺の魚にどのような変化が起きているのかを調べた研究を紹介します。
公開日: 2026年09月06日 05:31