著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Jurnal Pengabdian kepada Masyarakat Nusantara

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の背景と目的

インドネシア・プルバリンガ県のジャティサバ村では、女性農業者グループ「スブール・マクムール」が、キャッサバのでんぷん(サグ)と大豆発酵食品テンペを原料とするスナック「サグ・テンペチップス」を作っています。村はこのチップスを、県が進める「一村一品(OVOP)」政策に沿った村の特産品に位置づけています。

論文によると、このチップスは市場の需要が高い一方で、切る・揚げる・油を切る・包むといった工程がすべて手作業のため、量も品質も安定しないという課題を抱えていました。さらに、食品安全の基準がなく、ハラール認証や家内工業食品の許可(PIRT)も取得していませんでした。包装や商品名などのブランドも弱い状態でした。

著者らは、こうした課題は外部の支援チームが一方的に機材を配ったり研修を企画したりするだけでは解決しにくいと考えました。当事者であるグループのメンバーが実際に感じている状況や優先順位から計画を立てる必要がある、という立場です。そこで本論文は、大学による地域支援活動の計画段階に「参加型農村調査法(PRA)」を取り入れ、問題の特定から解決策の立案までをどのように進めたかを記述することを目的としています。PRAとは、地域住民を支援の受け手ではなく、自ら状況を分析し必要なものを考える主体として位置づける手法です。外部チームは進行役に回ります。

どのように計画を進めたか

活動には、大学の支援チーム、グループのメンバー、村役場の職員、農業普及員が参加しました。まず関係者と顔を合わせて状況を把握する初期の下調べを行いました。その後、参加者が集まって話し合うグループ討議、生産工程を一緒にたどって確認する作業、質問の大枠を決めたうえで自由に話してもらう聞き取りなどを組み合わせました。

グループ討議では、メンバーから生産面の苦労が語られました。テンペの薄切りにカッターナイフを使うため時間がかかり、厚さもそろわないこと、小さな鍋での揚げ作業や従来型の油切りが一日の生産量を制限していることなどです。さらに、支援チームとメンバーが生産工程を一緒にたどる作業を通じて、切る・揚げる・油を切る・包むの各工程が非効率の原因となる重要な箇所として整理されました。著者らは、この整理が必要な技術支援を決めるための、より現場に即した根拠になったと述べています。

普及員との話し合いでは、味や品質の安定が個人の技能に頼っており、標準的な作業手順や食品安全の知識が不足していることが明らかになりました。認証や許可がないため、無償給食プログラムや土産物を扱う事業者といった、関心を示している販路にも応じられない状況だったと報告されています。

集まった課題は、参加者全員の話し合いによる「問題の順位づけ」で優先度が決められました。検討の観点は次の4つです。事業への影響の大きさ、対応の緊急性、グループ自身が感じている必要性、支援活動の範囲に合うかどうか。著者らは、この順位づけは合意形成を助ける道具であり、問題の深刻さを数量的に測るものではないと説明しています。

主な結果

話し合いの結果、優先課題は3つにまとまりました。第1位は手作業と簡素な道具による生産能力の低さです。第2位は品質・食品安全の基準づくりや認証取得を含む組織としての力の弱さ、第3位は包装と商品ブランドの弱さでした。包装については、メンバー自身が、これまでの包装は単に包むだけのもので、他の商品と区別できるラベルや見た目の特徴がなかったと認めています。村役場側も、村の特産品として村らしさを示す外観が必要だと強調しました。

それぞれの課題に対して、次の3つの解決策が立案されました。生産現場に合った技術を組み合わせた機材一式の導入、食品安全に関する研修・支援と認証取得の支援、包装と商品名の改善支援です。著者らは、計画段階からパートナーを巻き込んだことで、現地の実情により即した活動内容ができあがったと報告しています。同時に、メンバーの意識や、計画された活動を自分たちのものとして受け止める感覚も育まれたといいます。

この報告が示すこと

著者らは、PRAは地域支援活動の方向性の的確さと継続性を左右する計画の土台として重要な役割を果たすと結論づけています。この報告は具体的な事例を通じて、村の特産品を育てる支援で大切なことを示しています。何を用意するかを外部が決める前に、作り手自身と一緒に課題を見つけて優先順位を決める。その過程そのものが、計画の質を形づくるということです。

原著論文の著者・所属:YOKO, BUDI(UNIVERSITAS JENDERAL SOEDIRMAN)、Sunendar , Sunendar、Solekan, Muhamad、Novitasari, Dian() S1 Agribisnis , Universitas Jenderal Soedirman , Purwokerto , Indonesia)、Uyuni, Lu’lu’ul

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):YOKO, BUDI, Sunendar , Sunendar, Solekan, Muhamad, Novitasari, Dian, Uyuni, Lu’lu’ul Perencanaan Partisipatif Pengembangan Produk Unggulan Desa Jatisaba Melalui Pendekatan Participatory Rural Appraisal. Jurnal Pengabdian kepada Masyarakat Nusantara 2026-08-14. DOI: . 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。