掲載誌:Figshare

ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: DataCite

光を使ってコーヒー粉末の特徴を調べる

研究チームは、コーヒー粉末の分子成分と品質をラマン分光法で調べ、測定を妨げる蛍光の影響にも着目しました。ラマン分光法は、試料に光を当て、散乱した光から分子の特徴を読み取る方法です。

測定には波長785ナノメートルの携帯型装置を使い、400〜1800 cm⁻¹の範囲でスペクトルを取得しました。このスペクトルに現れるピークが、試料に含まれる成分を知る手がかりになります。

成分のピークから品質を評価

研究チームは、多糖類、カフェイン、脂質やタンパク質、ポリフェノールや芳香族化合物に対応するピークを報告しました。例えば、約730 cm⁻¹のピークをカフェインに、約1600 cm⁻¹のピークをポリフェノールや芳香族化合物に対応づけています。

著者らは、これらの特徴から、調べた粉末がアラビカコーヒーであることと、適切な焙煎品質を確認できたとしています。また、混ぜ物を示す証拠は見られなかったと報告しています。

成分の信号を見えにくくする蛍光

一方、論文は、ポリフェノールや焙煎で生じるメラノイジンなどに由来する蛍光が、スペクトルの背景を広く持ち上げ、成分のピークを見えにくくすると説明しています。特に、可視光を当てる場合に問題になるとしています。

対策として著者らは、波長1064ナノメートルの近赤外光の選択、試料の乾燥や溶媒洗浄、背景を補正するデータ処理などを挙げています。研究は、ラマン分光法によってコーヒー粉末を壊さずに成分や品質の手がかりを得られることと、その信号を読み取るうえで蛍光への対処が重要であることを伝えています。

原著論文の著者・所属:Subhasis Basu

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Subhasis Basu. Report on Raman Spectoscopy Analysis of coffee powder and flouresnce background.. Figshare 2026-08-29. DOI: 10.6084/m9.figshare.33386164. 原著ライセンス:CC BY.