掲載誌:International Journal of Pharmaceutical and Bio-Medical Science
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
糖尿病は、すい臓が十分なインスリンをつくれなくなったり、つくられたインスリンを体がうまく使えなくなったり(インスリン抵抗性)することで起こる慢性の病気だと、著者らは説明しています。インスリンは血液中の糖の量を調整するホルモンで、その働きが不十分になると血糖の管理が難しくなります。
著者らによれば、糖尿病の発症には年齢、身体活動、遺伝的要因、代謝に関わる要因、肥満、食事、喫煙、飲酒、心理的要因など複数の要素が関わるとされています。そこでこの文献レビューは、2型糖尿病の発症に関連する要因を洗い出して整理することを目的として行われました。
どのように調べたか
著者らは、新たに患者を集めて測定するのではなく、すでに発表されている研究論文を集めて内容をまとめるという方法をとりました。対象としたのは、Google Scholar、ProQuest、PubMedという三つの文献データベースに2022年から2026年までに掲載された研究です。
検索には「factors AND incidence AND Type 2 Diabetes Mellitus(要因・発症・2型糖尿病)」という語を用い、文献の選別手順としてPRISMAと呼ばれる標準的な方法に沿って進めたと報告されています。PRISMAは、どの文献をどの段階で何件除外したかを明示しながら絞り込んでいくための手順です。この過程を経て、あらかじめ定めた条件を満たす15本の論文が分析の対象として選ばれました。
報告された主な結果
著者らは結論として、2型糖尿病の発症に影響する要因を次のように列挙しています。年齢、性別、職業や社会経済的な状況、糖尿病の家族歴、BMI(体格指数。体重と身長から算出する体格の目安)と肥満、食事のパターン、身体活動、高血圧、脂質異常症とコレステロール値、血糖値をはじめとする代謝に関わる要因、睡眠時間、喫煙、飲酒、知識、そして心理的要因や抑うつです。
つまり、体格や血圧・脂質・血糖といった体の状態だけでなく、生活習慣、眠り方、心の状態、さらには職業や社会経済的な立場といった社会的な背景まで、幅広い領域の要因が関連要因として挙げられた、というのがこのレビューの報告です。
この研究が示すこと
このレビューは、2型糖尿病の発症に関わる要因が一つや二つに絞られるものではなく、生物学的・行動的・社会的な要素が幅広く関連づけられていることを、近年の文献の整理を通して示したものです。糖尿病をめぐる要因の全体像を見渡すうえでの見取り図を提供している、と受け取ることができます。
著者:Francisco Fernandes Pinto(Master of Nursing Study Program, Faculty of Health, Ngudi Waluyo University)、Eko Mardyaningsih(Master of Nursing Study Program, Faculty of Health, Ngudi Waluyo University)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Francisco Fernandes Pinto, Eko Mardyaningsih. Bibliometric Analysis of Factors Associated with the Incidence of Type 2 Diabetes Mellitus. International Journal of Pharmaceutical and Bio-Medical Science 2026-09-23. DOI: 10.47191/ijpbms/v6-i9-01. 原著ライセンス:CC BY.