著者の所属・活動拠点の国は、メキシコです。

掲載誌:International Journal of Food Science & Technology

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

Leucaena esculenta(レウカエナ・エスクレンタ)は、メキシコで伝統的に食べられてきたマメ科植物です。研究チームは、十分に活用されていないこの植物を、持続可能な食品素材の候補として位置づけています。

食品素材として使うには、収穫後の乾燥など加工の方法で性質がどう変わるかを知る必要があります。この研究では、伝統的な二つの乾燥方法である天日干しと日陰干しを比べ、粉の性質がどう異なるかを調べました。なお、ここでの紹介は論文の抄録に基づいています。

何を調べたか

著者らは、天日干しで作った粉と日陰干しで作った粉を用意し、幅広い項目を比較しました。対象は、栄養成分、色、抗酸化性、ミモシンという成分の含有量、でんぷんとたんぱく質の消化のされやすさ、食品加工に関わる性質です。

消化のされやすさは、体内ではなく試験管内で消化の過程を再現する「in vitro(イン・ビトロ)」の方法で評価しました。食品加工に関わる性質としては、油と水を混ぜ合わせる働き(乳化性)や泡を作る働き(起泡性)などを調べています。

主な結果

抄録によると、乾燥条件は粉の成分や機能の一部に明確な違いをもたらしました。天日干しの粉は日陰干しの粉より暗く、緑みの少ない色になりました。一方、黄色みの指標には変化がありませんでした。

食物繊維の総量は日陰干しの粉の方が多くなりました。ただし、水に溶ける食物繊維と溶けない食物繊維のそれぞれの量には、有意な差が見られませんでした。

天日干しの粉では、植物に含まれるポリフェノールなどのフェノール類の総量が日陰干しの約1.2倍でした。また、ABTSという試薬を用いて測った抗酸化能は約2.6倍でした。

ミモシンの濃度は乾燥重量1キログラムあたり411ミリグラム未満で、乾燥方法による有意な差はありませんでした。著者らは、どちらの乾燥方法でもミモシンは大きく減らなかったと述べています。

でんぷんについては、消化可能なでんぷんの中で、速く消化されるでんぷんが最も多くを占めていました。消化されにくい「難消化性でんぷん」は、天日干しの粉の方が多い結果でした。たんぱく質の消化率はどちらの条件でも76%を上回りました。乳化性と起泡性は、乾燥方法にかかわらずおおむね保たれていました。

研究が示すこと

研究チームは、天日干しと日陰干しはそれぞれ粉に異なる特徴をもたらすと結論づけています。どちらか一方がはっきり優れているわけではないという見方です。

著者らは、この結果がこの植物を有望な食品素材として活用する考えを支えるとしています。同時に、安全性、加工方法、実際の食品への応用については、さらに研究が必要だと強調しています。

原著論文の著者・所属:Calderón-Oliver Mariel(Tecnologico de Monterrey, School of Engineering and Sciences , Av. Eugenio Garza Sada 2501, 64849, Monterrey, Nuevo León ,)、Álvarez-Chávez Jimena(Tecnologico de Monterrey, School of Engineering and Sciences , Av. Eugenio Garza Sada 2501, 64849, Monterrey, Nuevo León ,)、Arteaga-Rodríguez Diana Guadalupe(Tecnologico de Monterrey, School of Engineering and Sciences , Av. Eugenio Garza Sada 2501, 64849, Monterrey, Nuevo León ,)、Chávez-Madrazo Ángel Gabriel(Tecnologico de Monterrey, School of Engineering and Sciences , Av. Eugenio Garza Sada 2501, 64849, Monterrey, Nuevo León ,)、Vázquez-Gabino Alexa Mariana(Tecnologico de Monterrey, School of Engineering and Sciences , Av. Eugenio Garza Sada 2501, 64849, Monterrey, Nuevo León ,)、Escalante-Aburto Anayansi(Tecnologico de Monterrey, Institute for Obesity Research , Ave. Eugenio Garza Sada 2501, 64849, Monterrey, Nuevo León ,; Tecnologico de Monterrey, School of Engineering and Sciences , Av. Eugenio Garza Sada 2501, 64849, Monterrey, Nuevo León ,)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Calderón-Oliver Mariel, Álvarez-Chávez Jimena, Arteaga-Rodríguez Diana Guadalupe, et al. Functional Properties and In Vitro Digestibility of an Underutilized Legume Ingredient: Drying-Induced Changes in Leucaena esculenta Flour. International Journal of Food Science & Technology 2026-10-14. DOI: 10.1093/ijfood/vvag223. 原著ライセンス:CC BY.