著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Journal of Dietetics Science

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

著者は、幼児が食事からとるたんぱく質のうち、動物性たんぱく質が占める割合と、発育阻害との関連を調べました。ここでいう発育阻害(スタンティング)は、年齢に対する身長がWHOの成長基準を下回る状態です。

論文は、従来の研究ではたんぱく質の総摂取量に注目することが多かったと説明しています。今回の研究では、総量だけでなく、どのような食品からたんぱく質をとっているかに着目しました。

何を、どのように調べたか

著者は、インドネシアのランプン州北ランプン県にあるケマロ・アブン保健センターの担当区域で、生後12~59か月の子ども109人を対象に調査しました。調査期間は2025年1~3月で、条件を満たす子どもを順次募りました。食事と発育の状態を同じ時期に調べる横断研究であり、食事を変える介入は行っていません。

母親や養育者に、過去1か月の食品の摂取頻度と量を尋ね、食品成分表を使ってたんぱく質摂取量を推定しました。動物性の食品には卵、魚、鶏肉、肉、乳製品など、植物性の食品にはテンペ、豆腐、豆類などを含めました。総たんぱく質量に占める動物性たんぱく質の割合を計算し、50%未満を「低い群」、50%以上を「高い群」としました。

身長を測定し、年齢に対する身長がWHO基準の中央値より2標準偏差を超えて低い子どもを発育阻害と判定しました。両群の食事を比較するとともに、年齢、性別、出生体重、母親の教育水準、たんぱく質の必要量に対する充足度を統計的に調整して、動物性たんぱく質の割合との関連を分析しました。

主な報告結果

論文によると、109人のうち49人(45.0%)が発育阻害に該当しました。動物性たんぱく質の割合は、発育阻害のある子どもで平均32.5%、ない子どもで49.8%と、発育阻害のある群で低く、統計的に有意な差がありました。

年齢などの要因を調整した分析でも、動物性たんぱく質の割合が50%未満の群は、50%以上の群に比べて発育阻害のオッズが3.45倍でした(95%信頼区間1.65~7.21)。オッズは、発育阻害に該当する確率と該当しない確率の比で、発育阻害になる確率そのものが3.45倍という意味ではありません。著者は、たんぱく質の充足度が低いことと、母親の教育水準が低いことにも、発育阻害との有意な関連があったと報告しています。

この報告が示すこと

著者は、幼児の栄養を考える際には、たんぱく質の量だけでなく、その供給源にも目を向ける必要があると解釈しています。ただし、この研究は横断研究のため、動物性たんぱく質の割合を増やせば発育阻害を防げるという因果関係までは示していません。

論文は、食事の調査が養育者の記憶に依存すること、対象が一つの保健センターの担当区域に限られることを限界に挙げています。また、感染症の履歴、衛生環境、社会経済状況、母親の身長などは測定していません。今回の報告は、複数の要因が関わる子どもの発育を、たんぱく質の供給源という面から捉えたものです。

原著論文の著者・所属:Rahmadi, Antun(Poltekkes Kemenkes Tanjungkarang)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Rahmadi, Antun Hubungan Rasio Protein Hewani terhadap Total Protein dengan Kejadian Stunting pada Balita: Analisis Multivariat. Journal of Dietetics Science 2026-11-03. DOI: . 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。