この研究は、メキシコの研究機関の研究論文です。
掲載誌:Revista Bio Ciencias
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
ケイ素は、作物の生産性や品質を高める手立ての一つとして注目されてきた要素です。研究チームは、この着眼点にもとづき、イチゴ栽培においてどのケイ素資材が、またどの施用経路が有効なのかを確かめることを目的としました。
具体的な目的として著者らが挙げているのは、3種類のケイ素資材(ケイ酸カリウム、二酸化ケイ素+オルトケイ酸、二酸化ケイ素)と2つの施用経路(根への施用と葉面散布)が、イチゴの収量および果実の理化学的な特性にどう影響するかを評価することです。対象となった品種は「サンアンドレアス」で、土壌ではなく培地(基質)を用いた栽培条件で試験が行われました。
何をどのように調べたか
著者らの報告によれば、試験期間を通じてケイ素資材の施用は18回行われました。評価の対象となったのは、まず株あたりの果実生産量、すなわち収量です。
果実については、縦径と横径、色、硬さ(果肉の締まり)、pH、可溶性固形分の総量、滴定酸度、成熟指数、そしてビタミンCの含量が測定項目として挙げられています。可溶性固形分は主に糖などの水に溶ける成分の量を示す指標で、甘みの目安として使われます。滴定酸度は果実に含まれる酸の量を表し、成熟指数はこの糖分と酸のバランスから成熟の度合いをみる指標です。
報告された主な結果
論文が報告する結果のうち最も大きかったのは、二酸化ケイ素を用いた場合の収量です。著者らによると、無処理の対照区と比べて果実の生産量が56%有意に増加しました。
果実の品質面でも、同じ二酸化ケイ素の区で複数の指標が向上したと報告されています。硬さは23%、可溶性固形分の総量は14%、成熟指数は28%の改善がみられ、ビタミンC含量については104%の増加が示されました。
施用経路の比較では、評価した各ケイ素資材について、葉面散布が根への施用よりもビタミンCの蓄積という点で54%効率的だったと報告されています。これらの結果から著者らは、二酸化ケイ素がイチゴの収量と栄養機能的な品質を高めるうえで最も有効な資材であり、ビタミンCの蓄積を高めるには葉面散布の経路が推奨されると結論づけています。
この研究が示すこと
同じ「ケイ素」であっても、どの形で与えるか、そして葉から与えるか根から与えるかによって、作物の反応が一様ではないことをこの研究は示しています。資材の種類と施用経路という二つの条件を組み合わせて比べた点に、この報告の意味があります。
なお、ここで紹介した内容は抄録に記載された研究目的・方法・結果に限られ、培地栽培という特定の条件下でのサンアンドレアス種を対象とした試験結果として受け取る必要があります。
著者:Gerardo Enrique Anzaldo Gudiño(Universidad Autónoma de Nayarit)、Juan Apolinar Aguilar Castillo(Universidad Autónoma de Nayarit)、Rosendo Balois-Morales(Universidad Autónoma de Nayarit)、Gelacio Alejo-Santiago(Universidad Autónoma de Nayarit)、Ana Luisa Sánchez-Monteón(Universidad Autónoma de Nayarit)、Cecilia Rocio Juarez Rosete(Unidad Académica de Agricultura Universidad Autónoma de Nayarit)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Gerardo Enrique Anzaldo Gudiño, Juan Apolinar Aguilar Castillo, Rosendo Balois-Morales, et al. Fuentes de silicio en aplicación foliar y radicular en fresa (Fragaria x ananassa Duch.). Revista Bio Ciencias 2026-09-24. DOI: 10.15741/revbio.13.e2211. 原著ライセンス:CC BY.