掲載誌:International Journal of Health Sciences and Research

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

若い時期に身につけた食習慣は、その後の長い健康や代謝の状態に影響すると考えられています。医学生は勉強の負担、不規則な生活、寮での暮らしなどから、食事を抜いたり偏った食事をとったりしやすいとされてきました。

インド北部ウッタル・プラデーシュ州西部の医科大学の研究チームは、医学部1年生の食習慣を調べました。そのうえで、食習慣と血液検査の値や体組成(体の筋肉・脂肪・水分などの割合)との関係を検討しています。特に、大学の寮で暮らす学生(寮生)と自宅から通う学生(自宅通学生)の違いに注目しました。著者らは、インドの医学生についてこうした関係を総合的に調べた研究はまだ限られていると述べています。

どのように調べたか

研究は、ある時点の状態を一度に調べる「横断研究」として行われました。対象は、入学後3か月以上たった18〜25歳の医学部1年生150人です。糖尿病や高血圧などの慢性疾患がある学生は除外されています。参加者の平均年齢は約19.7歳で、男性が約63%、女性が約37%でした。寮生が119人(約79%)、自宅通学生が31人(約21%)でした。

食習慣は質問票で調べました。朝食・昼食・夕食をそれぞれ規則的にとっているか、1日に何回食事をするかを尋ねています。身長、体重、腹囲を測ったほか、体に微弱な電流を流して体組成を推定する「生体電気インピーダンス法」で、骨格筋量、体脂肪率、内臓脂肪、体内の水分量などを測定しました。

さらに、一晩絶食した後に採血しました。ヘモグロビン(貧血の指標)、空腹時血糖、コレステロールや中性脂肪などの脂質、ビタミンB12、ビタミンDを測り、寮生と自宅通学生のあいだで統計的に比較しています。

主な結果

最も目立ったのは朝食の欠食でした。参加者の54%が、ときどき朝食を抜くと答えています。割合は寮生で約53%、自宅通学生で約58%で、両者のあいだに統計的に意味のある差はみられませんでした。一方で、約79%の学生は1日3食をとっていました。昼食と夕食を規則的にとる学生も8割を超えていました。

寮生と自宅通学生のあいだで統計的に意味のある差がみられたのは、夕食の規則性だけでした。夕食を規則的にとっていた割合は、寮生で約87%、自宅通学生で約68%でした。朝食や昼食の規則性、1日の食事回数には、統計的に意味のある差は認められませんでした。

血液検査では、ヘモグロビン、血糖、脂質、ビタミンB12、ビタミンDのいずれにも、2つのグループのあいだで統計的に意味のある差はありませんでした。ビタミンB12は自宅通学生でやや高い傾向がありましたが、統計的に意味のある差には達していません。ビタミンDの平均値はどちらのグループでも推奨される範囲を下回っていました。著者らは、教室で過ごす時間が長く日光を浴びる機会が少ないことが関係している可能性を挙げています。

体組成でも、骨格筋量、体脂肪率、内臓脂肪、除脂肪量、体内水分量などに、2つのグループの統計的に意味のある差はみられませんでした。

研究が示すこと

著者らは、朝食の欠食は寮生か自宅通学生かにかかわらず医学生に広くみられる一方、住まいの違いによって血液検査の値や体組成に大きな差は生じていなかったとまとめています。そのうえで、若い医学生の栄養状態にとって、住まいの違いそのものは大きな決め手ではない可能性があると考察しています。

研究は1つの医科大学の限られた人数を対象としています。食習慣は本人の申告に基づいており、運動量や睡眠、ストレス、食事内容の詳しい量は測っていません。寮生と自宅通学生の人数にも偏りがあり、小さな差を見つけにくかった可能性があることを著者ら自身が限界として挙げています。こうした点を踏まえつつ、著者らは、医学生のあいだで朝食を含む規則的な食事を促すことが大切だと結論づけています。

著者:Kavisha Agarwal(Post Graduate, Department of Physiology, LLRM Medical College, Meerut, UP)、Anshu Tandon(Associate Professor, Department of Physiology, LLRM Medical College, Meerut, UP)、Priti Rathi(Professor, Department of Physiology, LLRM Medical College, Meerut, UP)、Megha Kulshreshtha(Associate Professor, Department of Physiology, LLRM Medical College, Meerut, UP)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Kavisha Agarwal, Anshu Tandon, Priti Rathi, et al. Correlation of Physio-Biochemical Parameters with Dietary Pattern Among Medical Students of Western UP - A Cross-Sectional Study. International Journal of Health Sciences and Research 2026-09-25. DOI: 10.52403/ijhsr.20260928. 原著ライセンス:CC BY.