著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:Jurnal Agrotek Tropika
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究に必要な菌を確保するために
研究チームは、バナナのシガトカ病の管理に関する研究に役立てるため、Mycosphaerellaという菌類を葉から分離し、培養する条件を調べました。この菌群の実験研究では、分離の難しさから、必要な菌株を確保できないことが課題となっていました。
培地の酸性度や抗生物質、光の条件を比較
研究チームは、感染初期と感染が進んだ段階の、症状のある葉2枚を菌の採取源にしました。ほかの微生物の混入を抑えられる培養条件を探るため、培地のpHを5.5、6.0、6.5、7.0に変え、抗生物質のクロラムフェニコールとアモキシシリンを検討しました。
さらに、選んだpHと抗生物質の条件を使い、ジャガイモ・ブドウ糖寒天培地、オートミール寒天培地、V8野菜ジュース寒天培地の3種類を比較しました。培養中の光についても、明るい時間と暗い時間を12時間ずつ繰り返す条件と、終日暗くする条件を調べました。
菌の増殖を支えた条件
著者らによると、菌を新しい培地へ移して育てる継代培養は、初期症状である、周囲に縁取りのない褐色の筋が現れた若い感染葉を使い、pH6.0でアモキシシリンを加えた条件で最も成功しました。
また、オートミール寒天培地で終日暗くして培養したとき、菌糸の成長と分生子の生産が最も高くなりました。菌糸は菌の体をつくる糸状の構造で、その成長速度は1日当たり1.6ミリメートルでした。増殖にかかわる胞子である分生子の量は、1ミリリットル当たり3.3万個と報告されています。
これらの結果は、培地や光の条件を整えることが、研究に必要な菌を確保する助けになることを示しています。著者らは、シガトカ病の管理に向けた各種試験に用いる菌の増殖材料を、十分に得るための手法になり得ると位置づけています。
原著論文の著者・所属:Hagia Sophia Khairani(Department of Plant Protection, Faculty of Agriculture, IPB University, Indonesia)、Fitra Parlindo(Department of Plant Protection, Faculty of Agriculture, IPB University, Indonesia)、Efi Toding Tondok(Department of Plant Protection, Faculty of Agriculture, IPB University, Indonesia)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Hagia Sophia Khairani, Fitra Parlindo, Efi Toding Tondok. GROWING RESOURCE MODIFICATION EASES THE COMPLICATIONS IN ISOLATING Mycosphaerella ORIGINATING FROM BANANA. Jurnal Agrotek Tropika 2026-08-10. DOI: 10.23960/jat.v14i3.10637. 原著ライセンス:CC BY.