著者の所属・活動拠点の国は、トルコです。

掲載誌:Journal of Cosmetic Dermatology

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

にきび(尋常性ざ瘡)は若い世代に多い皮膚の病気です。食事のパターンや、食後の血糖の上がりやすさ、体内で酸化を起こす働きとそれを抑える働きのバランスが関係すると指摘されてきましたが、これまでの研究結果は一致していませんでした。

研究チームは、地中海食にどれだけ近い食生活をしているか、食事全体のグリセミック指数(GI)、食事からとる抗酸化物質の量を表す指標が、若年成人のにきびとどう関連するかを調べました。GIとは、食品を食べたあとに血糖値がどれだけ上がりやすいかを示す目安です。

調べた方法

研究は症例対照研究という方法で行われました。にきびのある人とない人を集め、両者の食生活の違いを比べるやり方です。参加者は279人で、にきびのある人が115人、にきびのない対照群が164人でした。

食事の内容は、参加者が3日間に食べたものを記録する方法で把握しました。地中海食への近さは、MEDASと呼ばれる簡易な質問票で点数化しました。点数が高いほど、地中海食に近い食生活であることを示します。

分析では、年齢、体格の指標であるBMI、性別、学歴、ビタミンやミネラルのサプリメント利用の影響を調整したうえで、それぞれの食事の特徴とにきびの有無との関連を統計的に評価しました。結果は主に、にきびがある確率の比べやすさを示す調整オッズ比で示されています。この値が1より大きければにきびの見込みが高い方向、1より小さければ低い方向の関連を意味します。

主な結果

抄録によると、にきびのある人はない人に比べてMEDASの点数が低く、平均で5.97点対7.02点でした。一方、食事のGIは両群でほとんど差がなく、平均で57.57対57.74でした。

MEDASを構成する個々の項目を比べ、複数の比較を行うことによる偶然の差を補正したところ、差が残ったのは野菜に関する基準と、バター・クリーム・マーガリンに関する基準の2つだけでした。これらの基準を満たしていないことは、ほかの要因を調整してもにきびの見込みが高いことと関連しており、調整オッズ比は野菜の基準で3.242、バター・クリーム・マーガリンの基準で2.413と報告されています。

MEDASの点数が高いほど、にきびの見込みは低い方向に関連していました(調整オッズ比0.806、95%信頼区間0.710〜0.915)。食事のGIには、にきびとの独立した関連は見られませんでした(調整オッズ比1.049、95%信頼区間0.685〜1.607)。

意外なことに、食事からの抗酸化物質の指標はにきびのある群のほうが高く、平均で3.74対3.02でした。調整後も、この指標が高いほどにきびの見込みがやや高いという、小さな正の関連が示されました(調整オッズ比1.126、95%信頼区間1.008〜1.258)。

研究が示すこと

著者らは、地中海食への近さが低いことがにきびの見込みの高さと関連していた一方、食事のGIには独立した関連が見られなかったと結論づけています。抗酸化物質の指標で見られた正の関連については、症例対照研究という方法の性質や、調整しきれていないほかの要因の影響がありうるため、慎重に解釈すべきだとしています。

この研究は食事とにきびの間の「関連」を示したものであり、特定の食生活がにきびを引き起こしたり防いだりすることを確かめたものではありません。それでも、若年成人において、食生活全体のパターンとにきびの関係を考える手がかりを示した報告といえます。

原著論文の著者・所属:Ayçıl Özturan‐Şirin(Department of Nutrition and Dietetics, Faculty of Health Sciences Aydın Adnan Menderes University Aydın Turkey)、Aydan Yazıcı(Department of Dermatology, Faculty of Medicine Aydın Adnan Menderes University Aydın Turkey)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Ayçıl Özturan‐Şirin, Aydan Yazıcı. Associations of Mediterranean Diet Adherence, Dietary Glycemic Index, and Antioxidant Intake With Acne Vulgaris: A Case–Control Study in Young Adults. Journal of Cosmetic Dermatology 2026-10-28. DOI: 10.1111/jocd.71256. 原著ライセンス:CC BY.