この研究は、インドネシアの研究機関の研究論文です。
掲載誌:Digital Bisnis Jurnal Publikasi Ilmu Manajemen dan E-Commerce
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
インドネシア北スマトラ州のラブハンバトゥ県には、その土地の民族文化に根ざした料理(エスニック料理)を扱う小規模事業者が多く存在します。この研究の著者らは、そうした料理に「文化を土台にしたブランディング」を施すことが、消費者の購買意欲(買いたいという気持ち)にどのような影響を与えるのかを明らかにしようとしました。
対象として特に注目したのは、Z世代と呼ばれる若い世代の消費者層です。著者らは、この層における文化的な要素と購買意欲の関係を特定し、分析することを目的として掲げています。
何をどう調べたか
著者らは数値データを統計的に扱う定量的アプローチを採用しました。調査の母集団はラブハンバトゥ県のエスニック料理を扱う中小・零細企業(MSME)の消費者ですが、その正確な人数は分かっていないと報告されています。そのため、調査目的に合う人をあらかじめの基準で選ぶ有意抽出法を用い、母集団の規模が不明な場合にも使えるコクランの式で必要な標本数を算出した結果、96人の回答者を得ています。
データは観察、インタビュー、質問票によって集められました。分析には、複数の要因が一つの結果にどれだけ影響しているかを同時に調べる重回帰分析が用いられ、統計ソフトのSPSSが使われています。
著者らが検討した文化的な要素は四つです。ロゴや装飾などの見た目に文化を表す「文化的ビジュアルアイデンティティ」、その文化に本物として根ざしているかを示す「文化的真正性」、文化にまつわる物語を語る「文化的ストーリーテリング」、そして文化が持つ価値観を指す「文化的価値」です。
報告された主な結果
論文の報告によれば、文化的ビジュアルアイデンティティ、文化的真正性、文化的ストーリーテリングの三つは、それぞれ単独で消費者の購買意欲に正の有意な影響を与えていました。有意とは、観察された関係が偶然によるものとは考えにくい、という統計上の判断を指します。
一方で、文化的価値という要素については、ラブハンバトゥ県の消費者の購買意欲に対して有意な影響は認められなかったと報告されています。
ただし著者らは、四つの要素をまとめて同時に見た場合には、購買意欲に対して正の有意な影響が確認されたとしています。つまり、文化的価値は単独では効果がはっきりしなかったものの、四要素全体としてはブランディングが購買意欲と結びついていたということです。
この報告が示すもの
著者らは、これらの結果から、文化を土台にしたブランディングがエスニック料理を扱う中小・零細企業にとって意味のある戦略になり得ると述べています。そして、ラブハンバトゥ県の事業者に向けて、マーケティングのなかで文化的な要素を強めること、消費者との感情的なつながりを築くこと、製品の品質を一定に保つことを、購買意欲を高めるための方向性として挙げています。
見た目のデザイン、本物らしさ、そして語られる物語といった、料理そのものの味とは別の文化的な手がかりが、若い世代の「買いたい」という気持ちと結びついていた——この論文が示しているのは、そうした関係の一端です。
著者:Elvina Damayanti(Universitas Labuhanbatu)、Muhammad Yasir Arafat Pohan(Universitas Labuhanbatu)、M. Amin(Universitas Labuhanbatu)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Elvina Damayanti, Muhammad Yasir Arafat Pohan, M. Amin Branding berbasis Budaya pada Kuliner Etnis dan Pengaruhnya terhadap Niat Membeli Konsumen Labuhanbatu. Digital Bisnis Jurnal Publikasi Ilmu Manajemen dan E-Commerce 2026-09-11. DOI: 10.30640/digital.v5i3.7817. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。