著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Jurnal MeA (Media Agribisnis)

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

研究チームは、インドネシア産バナナとパイナップルの輸出がどのように推移し、輸出先でどのような非関税措置に直面しているかを調べました。非関税措置とは、関税以外の貿易上の規則や要件のことです。論文は、果物の輸出を増やすうえで、輸出先の食品安全基準などへの対応が課題になっていると説明しています。

何を、どのように調べたか

著者らは、両品目の輸出動向を整理するとともに、ASEAN、東アジア、中東の輸出先で適用される規制をたどり、その内容と項目数を記述しました。規制については、2014~2022年の変化や国・地域による違いを扱っています。

中心となるのは、食品の安全や動植物の病害虫対策に関する「衛生植物検疫措置(SPS)」と、表示、包装、品質などの技術的な要件に関する「貿易の技術的障害(TBT)」です。輸出動向とこれらの規制を整理し、輸出先ごとの対応上の課題を検討した研究です。

主な報告結果

研究チームは、インドネシアのバナナ輸出はパイナップル輸出より変動が大きく、パイナップル輸出は全体として増加傾向にあると報告しました。また、中東向けのバナナは、以前の時期と比べて2020年以降に市場シェアが大きく低下したとしています。

輸出先で適用されるSPSとTBTの項目数は、2014~2022年に増加したと報告されています。バナナについて、中東諸国では一般に輸入関税を課していない一方、これらの規制が強化されていました。中国と韓国でも規制が厳しく、加えて10~30%の輸入関税があると著者らは述べています。これに対し、日本、マレーシア、シンガポールのSPSとTBTは、ほかのバナナ輸出先に比べて緩やかだと整理しています。

パイナップルについても輸出先による違いがありました。著者らの整理では、ASEAN諸国と日本の規制は比較的緩やかで、韓国と、サウジアラビア、オマーン、カタール、アラブ首長国連邦などの中東諸国では、より多くのSPS・TBT項目が適用されていました。

この報告が示すこと

著者らは、輸出市場への参入には、関税だけでなく、輸出先ごとの食品安全や技術的要件への対応が重要だと結論づけています。残留物や微生物への対策、包装・表示、認証などを整えるには準備の時間が必要で、対応できた輸出業者が輸出を再開する一方、別の市場へ向かう業者もいると説明しています。

論文は、こうした規制には食品や動植物の安全を守る役割がある一方、承認手続きなどの運用が一貫しない場合には、複雑さや不確実性が生じ、貿易費用にも影響すると述べています。輸出の課題は、規制の有無だけでなく、その具体的な内容と対応のしやすさにあるという報告です。

原著論文の著者・所属:Zainuddin Zainuddin(Program Studi Agribisnis, Fakultas Pertanian Universitas Batanghari, Jambi)、Asmaida Asmaida(Program Studi Agribisnis, Fakultas Pertanian Universitas Batanghari, Jambi)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Zainuddin Zainuddin, Asmaida Asmaida Perkembangan Produksi, Ekspor dan Tantangan Ketentuan Non-Tariff Measures (NTMs) Terhadap Pisang dan Nanas Asal Indonesia ke Pasar Ekspor. Jurnal MeA (Media Agribisnis)(出版社:Universitas Batanghari) 2026-10-31. DOI: 10.33087/mea.v11i2.477. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。