著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Zentrum Economic Business Management Accounting Research

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究のねらい

インドネシア・マタラム市の大学に所属する著者らは、学生たちが営む小さな軽食ビジネスを題材に、その事業を発展させる価値があるかを検討しました。対象は「cemal-cemilin」と名付けられた、鶏肉の具を包んで揚げた餃子の販売です。

著者らは、近年の消費者は食べ物を選ぶとき、安さやおいしさだけでなく栄養面にも目を向けるようになっていると述べています。そのうえで、味がよく、鶏肉のたんぱく質を含み、誰でも手が届く価格の揚げ鶏餃子には商売としての可能性があると考えました。研究の目的は、この事業の実行可能性を複数の観点から分析することです。

六つの観点から事業を点検

研究チームは「フィージビリティスタディ(事業化可能性調査)」の手法を用いました。新しい事業を始める前に、計画が実際に成り立つかを多角的に確かめる検討のことです。論文では、顧客のニーズ、市場の状況、法的な側面、技術的な側面、財務、経済・社会への影響という六つの観点を取り上げ、販売場所での実際の営業と販売データをもとに整理しています。

顧客のニーズについては、香ばしくカリッとした食感と具の味、衛生的な調理、近隣の売り手と比べて手頃な価格、満足できる量、買いやすさと丁寧な接客、魅力的で持ち運びやすい包装、割引などの販促が重視されると整理しています。市場については、同じ商売をする事業者が多く競争は激しいとしつつ、オンラインと店頭の両方で販売しており、買った人の評判もおおむね良いと報告しています。強み・弱み・機会・脅威を整理するSWOT分析では、品質の良い材料と味を強みとする一方、知られた食べ物なので真似されやすく、競合が増え続けていることを弱みと脅威に挙げています。主な客層には学生と社会人を想定しています。

報告された主な結果

財務面では、運営に携わるメンバー8人が出し合った自己資金で始めたと報告されています。1日分の材料費は鶏肉、餃子の皮、野菜、ソース、卵などで4万6000ルピアです。これで14パックを作り、1パックあたりの原価は約3285ルピアと算出されています。販売価格は3個入り1パック5000ルピアで、1日の売上は7万ルピア、1パックあたりの利益は1715ルピアとされています。調理には中華鍋など一般的な台所用品しか使いませんが、十分な量を作れるとしています。

法的な側面では、論文は課題も率直に記しています。事業は個人事業の形で営まれていますが、正式な営業許可はまだ揃っておらず、場所の利用も口頭での了承にとどまるため、法的にはまだ十分とは言えないと評価しています。一方で、行政は飲食分野の小規模事業者に対し、許可の取得などで支援を行っているとも述べています。

経済・社会の面では、学生が在学中に自分で収入を得られること、経営やマーケティングを実地で学べること、事業が育てば仲間の働き口にもなり得ることなどを利点として挙げています。こうした検討を総合し、著者らは各観点でおおむね前向きな結果が得られ、事業は実施する価値があると結論づけています。

この研究から見えること

この論文は、大学生が自ら営む小さな軽食店を、事業計画の基本的な枠組みに当てはめて点検した実践的な報告です。原価と売価から1パックごとの利益を見積もる一方で、許可の未整備や競合の多さといった課題も示しています。著者らは、競争の中で選ばれ続けるには、顧客が求める味と品質を保つことが欠かせないと結んでいます。

原著論文の著者・所属:Nabila Putri Mulyati(Universitas Bumigora)、Baiq Ghina Nabila Tasya(Universitas Bumigora)、Deni Alfauzi(Universitas Bumigora)、Suciati Wulandari(Universitas Bumigora)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Nabila Putri Mulyati, Baiq Ghina Nabila Tasya, Deni Alfauzi, Suciati Wulandari Feasibility Study Analysis on Snack Business (Fried Chicken Dumplings). Zentrum Economic Business Management Accounting Research 2026-10-09. DOI: 10.69657/5zyqk102. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。