著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:MAHESA Malahayati Health Student Journal
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
尋常性ざ瘡(いわゆる「にきび」)は、毛穴と皮脂腺の部分に起こる慢性の炎症性の皮膚疾患です。思春期や若い成人に多く、見た目の悩みだけでなく、自信の低下など心理面への影響も指摘されています。論文の背景説明によると、にきびには遺伝、ストレス、食生活、睡眠の質、カフェイン摂取など多くの要因が関わると考えられています。
大学生は課題のために夜遅くまで起き、目を覚ますためにコーヒーなどカフェインを含む飲み物をとることが多いとされます。ただし、睡眠の質やカフェイン摂取とにきびの重さとの関係については、先行研究の結果が一致していませんでした。また、それぞれの要因を個別に見るだけでなく、同時に分析した研究は限られていました。そこで研究チームは、インドネシアのプリマ・インドネシア大学医学部の学生を対象に、カフェイン摂取と睡眠の質が、にきびの重さとどのように関係しているかを調べました。
どのように調べたか
研究は、ある一時点の状態を調べて要因同士の関係を分析する「横断研究」として行われました。対象は医学部の2学期生と4学期生のうち、カフェインを摂取した経験があり、参加に同意した学生です。ホルモン治療やにきびの治療を受けている学生は除外されました。学期ごとに分けて無作為に選ぶ方法により、173人が参加しました。
カフェイン摂取量は、カフェイン摂取に関する質問票と、飲み物の量をカフェイン量に換算する表を使って評価しました。睡眠の質は、睡眠の状態を総合的に点数化する質問票「ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)」で評価しました。にきびの重さは、顔や体の部位ごとに病変の状態を採点する「グローバル・アクネ・グレーディング・システム(GAGS)」を用い、診察によって判定しました。
分析では、まず睡眠の質とにきびの重さ、カフェイン摂取とにきびの重さの関係を、それぞれ順位に基づく相関(スピアマンの順位相関)で調べました。さらに、二つの要因を同時に考慮してにきびの重さとの関係を見るため、重症度のように段階のある結果を扱う「順序回帰分析」を行いました。
主な結果
参加者の78.6%は女性でした。睡眠の質が悪いと評価された学生は87.3%と大多数を占めた一方、カフェイン摂取量が少ない学生が94.2%でした。にきびの重さは「軽度」が60.1%で最も多くなりました。
論文の報告によると、睡眠の質とにきびの重さの間には統計的に有意な関係が見られました(相関係数マイナス0.228、p値0.003)。カフェイン摂取とにきびの重さの間にも有意な正の相関が見られました(相関係数0.237、p値0.002)。二つの要因を同時に分析した順序回帰分析でも、睡眠の質とカフェイン摂取はいずれもにきびの重さと有意に関係していました(p値はそれぞれ0.006と0.001)。
これらの結果から著者らは、この大学の医学生において、睡眠の質とカフェイン摂取がにきびの重さと有意に関係していると結論づけています。
この研究が示すこと
この研究は、生活習慣のうち、睡眠とカフェイン摂取という二つの要素が、医学生のにきびの重さと結びついていることを、個別の分析と同時の分析の両方で示しました。ただし、一時点の調査であるため、示されたのは関連であり、カフェインや睡眠がにきびを悪化させるという因果関係を証明したものではありません。また、参加者には女性やカフェイン摂取量の少ない学生が多く、集団の構成に偏りがあった点も、結果を読む際に意識しておく必要があります。
原著論文の著者・所属:Farica Theona Batee(PUI Phyto Degenerative & Lifestyle Medicine, Universitas Prima Indonesia)、Dewi Sartika(PUI Phyto Degenerative & Lifestyle Medicine , Departement of Dermatology and Venereology , Faculty of Medicine Dentistry and Health Science , Prima Indonesia University)、Qori Fadillah(PUI Phyto Degenerative & Lifestyle Medicine , Departement of Dermatology and Venereology , Faculty of Medicine Dentistry and Health Science , Prima Indonesia University)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Farica Theona Batee, Dewi Sartika, Qori Fadillah Hubungan Asupan Kafein dan Kualitas Tidur dengan Keparahan Acne Vulgaris pada Mahasiswa Universitas Prima Indonesia. MAHESA Malahayati Health Student Journal 2026-10-14. DOI: 10.33024/mahesa.v6i11.28562. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。