著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:Jurnal SAGO Gizi dan Kesehatan
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
胃炎は胃の内側を覆う粘膜に炎症が起こる状態で、吐き気やみぞおちの痛み、おなかの張りなどを引き起こし、学業への集中にも影響するとされています。食事の時間が不規則なこと、刺激の強い食べ物、喫煙などとの関連が指摘されてきました。大学生は学業の忙しさや生活習慣の変化から食生活が乱れやすい集団と考えられていますが、著者らによると、男女の違いに注目した分析はまだ限られていました。
そこで研究チームは、インドネシア教育大学の学生を対象に、食事のとり方、胃に負担をかけるとされる飲食物、喫煙と胃炎の既往(これまでに胃炎になったことがあるか)との関連を調べ、男女で比較しました。
どのように調べたか
調査は2025年9月から11月にかけて、18〜25歳の学生100人を対象にオンラインの質問票で行われました。参加者は83人が女性、17人が男性でした。胃炎以外の消化器の病気がある人や、直近2週間に胃酸を抑える薬などを使っていた人は対象から外されています。
質問票では、1日の食事回数、食事の時間が毎日一定か、主食となる炭水化物の量、酸っぱい食べ物・辛い食べ物・カフェイン飲料・アルコールを週に何回とるか、喫煙の頻度、そして胃炎の既往を尋ねました。質問票は専門家の確認と小規模な試行を経て使われています。分析では、男女で回答に差があるかを比べる検定と、項目どうしがどの程度連動しているかを見る相関の分析が用いられました。
主な結果
参加者のうち62%が胃炎の既往があると答えました。男女とも1日2回の食事が最も多く、食事の時間が毎日一定ではないと答えた人が8割を超えていました。食事回数や食事時間の規則性には、男女で統計的に意味のある差は見られませんでした。
一方、男女で差が見られたのは炭水化物の量と喫煙でした。女性の約7割が炭水化物を少なめにとっていたのに対し、男性は普通量から多めの人が多くなっていました。喫煙については、女性の97.6%が吸ったことがないと答えた一方、男性では35.3%が週3〜4回喫煙していました。アルコールの摂取にも男女差が報告されています。
参加者全体で胃炎の既往と統計的に意味のある関連が見られたのは、辛い食べ物の摂取だけでした。喫煙と胃炎の既往との間には、この調査では明確な関連は見られませんでした。男女別に見ると、女性では1日の食事回数と辛い食べ物の摂取が、男性では食事時間の不規則さと炭水化物の量が、それぞれ胃炎の既往と関連していました。
この研究が示すこと
著者らは、不規則な食事と辛い食べ物の摂取が大学生の胃炎と関わる主な要因であり、その表れ方には男女で違いがあると結論づけ、大学で性別に配慮した栄養教育や健康づくりの取り組みを強めることを提案しています。
ただし、この研究はある時点の状況を一度に調べたもので、示されたのは関連であり、原因と結果の関係までは確かめられていません。参加者の選び方が限られていること、回答が本人の自己申告であること、男性の参加者が17人と少ないことも、読み取る際に留意が必要です。それでも、同じ「胃炎の既往」でも男女で関連する食習慣が異なる可能性を示した点に、この研究の意味があるといえます。
原著論文の著者・所属:Habibah Abidin(Universitas Pendidikan Indonesia)、Farras Jihan Nabilah(Universitas Pendidikan Indonesia)、Desti Ambar Wati(Universitas Aisyah Pringsewu)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Habibah Abidin, Farras Jihan Nabilah, Desti Ambar Wati Hubungan pola konsumsi, perilaku merokok, dan risiko gastritis pada mahasiswa: analisis perbandingan jenis kelamin. Jurnal SAGO Gizi dan Kesehatan 2026-08-07. DOI: 10.30867/gikes.v7i2.3147. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。