著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:AbdimasMu UMTAS
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
活動の目的
発育阻害(スタンティング)とは、5歳未満の子どもが慢性的な栄養不足によって十分に成長できない状態を指します。特に、妊娠中から2歳ごろまでの「最初の1000日」の栄養状態が重要とされています。論文によると、発育阻害には栄養摂取の不足、繰り返す感染症、適切でない食事の与え方などが関わっていることが多いとされます。
著者らは、予防の取り組みの一つとして、栄養教育と食の工夫を組み合わせた「ヘルシーキッチン・プログラム」に着目しました。この地域貢献活動は、バカラン村のポシャンドゥ(地域の母子保健活動の拠点)で活動するボランティア(カデル)を対象としています。目的は、モリンガの葉を使ったプリンづくりを通じて、発育阻害予防に関する知識と意識を高めることでした。モリンガ(ワサビノキ)の葉は、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質を含みます。著者らは、子どもの栄養を補う身近な地域の食材として期待できると説明しています。
活動の内容
研究チームはまず、活動計画を立てて対象者を定め、モリンガの葉のプリンを試作しました。続いて、国家人口家族計画庁(BKKBN)やジュマポロ地域保健センターの栄養士と調整を行い、必要な器具を準備しました。
そのうえで、バカラン村の村役場で発育阻害予防の教育を実施しました。教育の場では関係する講師が話をし、あわせてモリンガの葉のプリンを実際に作ってみせる調理実演も行われました。
報告された結果
抄録では、参加者の反応が前向きだったと報告されています。その根拠として、参加者が熱心に取り組み、積極的に参加したことが挙げられています。また、講師からの質問に正しく答えられたことも示されています。
さらに参加者からは、実演されたレシピを子ども向けの栄養のある食べ物の選択肢として試してみたいという声が上がりました。なお、抄録に示されているのは活動中の参加者の様子と反応であり、子どもの発育や栄養状態の変化を測定した結果は示されていません。
この報告が示すこと
この報告は、地域の保健ボランティアに向けて、講話と身近な食材を使った調理実演を組み合わせた啓発活動の一例を紹介しています。著者らは、この活動によって発育阻害予防に関する地域の知識が高まり、地元で手に入る食材を子どもの栄養に活かす動きにつながることを期待しています。ただし、食材を使った工夫が予防に十分役立つには、栄養教育と適切な食事の与え方を続けていくことが必要だとも述べています。
原著論文の著者・所属:Muhammad Adzhar Al Yaman(Universitas Muhammadiyah Tasikmalaya, Tasikmalaya, Indonesia)、Dwi Septi Cahyani(Universitas Muhammadiyah Surakarta, Surakarta, Indonesia)、Solikhati Nabilah Husen(Muhammadiyah University Purwokerto)、Nurul Afni Rahayu(Universitas Islam Ahmad Dahlan, Yogyakarta, Indonesia)、Salsabila Azzahra(Universitas Muhammadiyah Jakarta)、Nazwa Aura Anjani(Muhammadiyah Bandung University)、Vanya Aurel Pinasti(Universitas Ahmad Dahlan)、Dwi Aprian Sugiarta(Universitas Muhammadiyah Surakarta, Surakarta, Indonesia)、Muhammad Damar Muslim(Universitas Islam Ahmad Dahlan, Yogyakarta, Indonesia)、Muhammad Sholahuddin(Universitas Muhammadiyah Surakarta, Surakarta, Indonesia)、Sulaeman(Institut Teknologi Kesehatan dan Sains Muhammadiyah Sidrap, Sidrap, Indonesia; Institut Teknologi dan Kesehatan Muhammadiyah Kalimantan Barat)、Kharisma Pratama(Institut Teknologi dan Kesehatan Muhammadiyah Kalimantan Barat)、Jaka Pradika(Institut Teknologi dan Kesehatan Muhammadiyah Kalimantan Barat)、Suriadi(Institut Teknologi Kesehatan dan Sains Muhammadiyah Sidrap, Sidrap, Indonesia; Institut Teknologi dan Kesehatan Muhammadiyah Kalimantan Barat)、Endang Wahyuningsih(Universitas Muhammadiyah Klaten)、Amrina Nur Rohmah(Universitas Muhammadiyah Klaten)、Ima Candra Kusuma(Universitas Muhammadiyah Klaten)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Muhammad Adzhar Al Yaman, Dwi Septi Cahyani, Solikhati Nabilah Husen, et al. Socialization of Stunting Reduction and Healthy Kitchens. AbdimasMu UMTAS 2026-07-31. DOI: 10.35568/amu.v5i2.8275. 原著ライセンス:CC BY.