著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:Jurnal Ilmu Peternakan Terapan
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
鶏肉は手頃で扱いやすく、ソーセージなどさまざまな加工品に使われています。研究チームは、鶏肉ソーセージを薄く切って乾燥させた「チキンソーセージチップス」に、栄養価が高く抗酸化成分を含むとされるモリンガ(ワサビノキ)の葉の粉末を加えると、品質に関わる性質がどう変わるかを調べました。
先行研究では、同じ種類のチップスにモリンガ葉粉末を0〜3%加え、主に栄養成分を調べていましたが、抗酸化性や脂質の酸化は評価されていませんでした。著者らは、より多い添加量まで範囲を広げ、抗酸化性と脂質の酸化を同時に調べた点を本研究の新しさとしています。脂肪含量は、これらとは別の成分上の指標として測定しました。
どのように調べたか
鶏むね肉1kgに氷やでんぷん類、香辛料などを混ぜて生地を作り、モリンガ葉粉末を鶏肉の重さに対して0%、2%、4%、6%(20g、40g、60g)加えました。生地を腸詰めにして中心温度約80℃まで蒸し、約24時間冷凍した後、4〜5mmの厚さに切って100℃のオーブンで65分間乾燥させ、チップスにしました。各条件とも別々に仕込んだ4回分を用意し、統計的に比較しています。
測定項目は三つです。一つ目は「DPPHラジカル消去活性」で、試薬に含まれる不安定な分子(ラジカル)をどれだけ打ち消せるかを百分率で表し、値が高いほど抗酸化性が強いことを示します。二つ目は「TBA値」で、脂質が酸化したときにできるマロンジアルデヒドなどの物質の量を測るもので、値が低いほど酸化生成物が少ないことを意味します。三つ目は、溶媒で抽出して量る脂肪含量です。
主な結果
抗酸化活性は、モリンガを加えないチップスで29.56%だったのに対し、2%で47.61%、4%で48.46%、6%で63.82%となりました。2%と4%の間には統計的な差は見られませんでしたが、6%はほかのすべての条件より高い値でした。
TBA値は、無添加の1.46mg/kgから、2%で0.96、4%で0.62、6%で0.41mg/kgへと、添加量が増えるにつれて段階的に低くなり、四つの条件はそれぞれ統計的に異なっていました。
脂肪含量は、無添加の6.26%に対し、モリンガ入りの三つの条件では4.76〜4.87%と低くなりました。ただし2%、4%、6%の間には統計的な差がなく、6%の数値が最も低くても、ほかの添加量より優れているとはいえないと論文は述べています。
研究が示すこと
著者らは、モリンガ葉粉末がこのオーブン乾燥チップスにおいて天然の抗酸化素材として働いたと結論づけています。調べた条件のなかでは、6%添加が最も高い抗酸化活性と最も低いTBA値を示し、脂肪含量も2%・4%と同程度に低く保たれたことから、著者らは6%を推奨しています。身近な野菜であるモリンガの葉が、鶏肉加工品の品質指標に関わる素材になり得ることを示した報告といえます。
原著論文の著者・所属:Freinaldus Arfilinus Darmi(Universitas Nusa Cendana)、Geertruida Margareth Sipahelut(Universitas Nusa Cendana)、Bastari Sabtu(Universitas Nusa Cendana)、Dewi Elfrida Sihombing(Universitas Nusa Cendana)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Freinaldus Arfilinus Darmi, Geertruida Margareth Sipahelut, Bastari Sabtu, Dewi Elfrida Sihombing Effects of Moringa oleifera leaf flour on antioxidant activity, lipid oxidation, and fat content of oven-dried chicken sausage chips. Jurnal Ilmu Peternakan Terapan 2026-10-22. DOI: 10.25047/jipt.v10i1.7416. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。