削り節はたんぱく質75.7g、卵は12.5g。100gあたりの数字だけを見れば、6倍以上という開きです。ところが削り節を一度に100gも食べる人はまずいません。コンビニで実際に手に取る量に置き換えると、この差はどう動くのでしょうか。「100gあたりの数字が大きい食品ほど得」という単純な足し算は、実食量では通用しないのです。
一食量にすると、順位は同じではない
削り節は数値上は際立ちますが、そもそも乾物であり、目安量は1カップで約10g程度です。この量で計算すると、含まれるたんぱく質は7.6g程度にとどまります。100gの数字の迫力と、実際に口に入る量とのあいだには大きな隔たりがあるのです。
一方、ささみは100gあたりたんぱく質24.6gで、削り節には遠く及びません。しかし1本の目安量は約40g(すじを除くと約38g)なので、実食量では9.4g程度のたんぱく質が摂れる計算になります。100gの数字では削り節の3分の1程度だったささみが、一食量では削り節を上回るという逆転が起こります。
卵と竹輪も、数字の並びが変わる
卵は100gあたりたんぱく質12.5g(ゆで・可食部)と、今回の6品の中では最も小さい数値です。Lサイズ1個の購入重量は約70gですが、殻(廃棄率11%)を除いた可食部は約62gになります。これをかけ合わせると約7.8g程度が実際に摂れる量で、100gの数字だけを見ていたら想像しづらいかもしれませんが、ほかの食品と十分に競り合える水準です。
焼き竹輪は100gあたりたんぱく質13.2gで、こちらも卵に近い水準です。ただし竹輪は1本(大)の目安量が70gとまとまった量になるため、実食量では9.2g程度と、今回の6品の中でも上位に食い込みます。100gの数字だけでは見えてこなかった「食べる量の多さ」が、実際のたんぱく質量を押し上げているのです。
チーズとハムは「一枚の少なさ」が効いてくる
プロセスチーズは100gあたりたんぱく質22.7gと、ささみに次ぐ高い数値を持っています。しかし1切れの目安量は約20gと少なく、実食量に直すと4.5g程度です。カルシウムも100gあたり630mgと豊富ですが、1回に食べる量が控えめなぶん、たんぱく質の実量では他の食品に一歩譲る結果になります。
ロースハムも100gあたりたんぱく質18.6gと悪くない数値ですが、1枚の目安量は約20g。実食量では3.7g程度と、今回の6品の中では最も小さくなります。100gの数字の順位では卵や竹輪より上でも、一枚単位で食べる薄さが響いてくる格好です。
「一食で足し算する」という視点
ここまでの実食量を並べると、ささみ(約9.4g)、竹輪(約9.2g)、卵(約7.8g)、削り節(約7.6g)、チーズ(約4.5g)、ハム(約3.7g)という順になります。100gベースでは際立っていた削り節が中位に下がり、100gベースでは最下位だった卵も竹輪・ささみに次ぐ健闘を見せる――これが「実量で比べる」ということです。コンビニでたんぱく質を意識して買い物をするなら、パッケージの「100gあたり」表示ではなく、実際に食べる一食の量で数字を足し算していく視点が欠かせません。
ただし、実量での組み合わせを考えるときは食塩相当量にも注意が必要です。竹輪(2.5g)、チーズ(2.8g)、ハム(2.3g)はいずれも食塩相当量が100gあたり2g台の加工食品です。何品も組み合わせると、食塩相当量の目標量(30〜49歳:男性7.5g以下・女性6.5g以下)に近づきやすくなります。たんぱく質の実量を積み上げる楽しさと同時に、塩分の合計も頭の片隅に置いておきたいところです。
まとめ
100gあたりの数字では6倍以上の開きがある削り節と卵も、実際に手に取る量に換算すると差は縮まり、時には順位ごと入れ替わります。ささみと竹輪が実食量では上位に来る一方、100gの数字が最下位だった卵も約7.8gと削り節に迫る健闘を見せました。コンビニでたんぱく質を「足す」買い物をするなら、100gの数字ではなく一食の実量で計算する――この一手間が、次に棚の前に立ったときの選び方を変えてくれるはずです。
※特定の食品の効果を示すものではありません。
※本記事は日本食品標準成分表(八訂)のデータ等をもとに作成しました。
栄養素のはたらき・摂取基準の記述は、次の公的資料に基づきます:厚生労働省 食事摂取基準