著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:TRANSFORMASI JURNAL PENGABDIAN PADA MASYARAKAT

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

子どもが魚を食べたがらないという課題

魚は質の高い動物性たんぱく質を含み、子どもの成長や発達に大切な食品とされています。著者らによると、インドネシアは海と島に囲まれ魚の資源が豊富である一方、子どもの魚の摂取量は依然として少ない状況にあります。その理由として、生臭さや骨の多さ、調理法や盛り付けが単調で魅力に欠けることが挙げられています。

インドネシア・マラン国立大学の研究チームは、東ジャワ州マラン市にある児童福祉施設「パンティ・ムバロット・スナン・ギリ」と協力し、地域で手に入りやすく比較的安価なナマズ(レレ)を、子どもが好みやすい点心(ディムサム)に加工する講習を行いました。この活動は、大学が地域に出向いて行う社会貢献活動の報告です。目的は、参加者がナマズを魅力的な食品に加工する知識と技能を身につけ、魚を食べることへの関心を高めることでした。著者らは、魚の効用を説明するだけの講習とは異なり、参加者が自分の手で調理に関わる点をこの取り組みの特徴としています。

講習の内容と評価の方法

講習は2026年2月1日に施設内で行われ、施設の子ども20人が参加しました。施設の職員も実習に加わりました。最初に材料と作り方を説明しながら実演し、その後、参加者が材料の準備から仕上げまでを自分で行いました。ナマズと鶏肉をすりつぶし、タピオカ粉や卵白、調味料を混ぜて生地を作り、春巻きの皮で包みます。20〜25分蒸した後、こんがり揚げて仕上げました。

評価には三つの方法が使われました。一つ目は、調理の各段階で参加者がどれだけ関わり、手順をこなせたかの観察です。二つ目は、できあがった点心の味、食感、見た目の確認です。三つ目は、講習の前後に同じアンケートを行い、結果を比べる方法です。アンケートは8つの問いからなり、それぞれ「まったくそう思わない」から「とてもそう思う」までの4段階で答えます。魚を食べることへの興味、ナマズの点心を受け入れられるか、魚料理を食べたい・作りたいという気持ち、魚が健康や成長に役立つと思うか、といった点を尋ねました。質問の内容が適切かどうかは、事前に大学教員が確認しています。結果は平均点の比較で示され、差が偶然の範囲を超えるかを調べる統計的な検定は行われていません。

報告された主な結果

著者らによると、できあがった点心は柔らかい食感と旨みがあり、魚の臭いも強くありませんでした。参加者の多くは各工程をうまくこなし、形のそろった点心を作ることができました。参加者は実習に積極的に取り組み、施設でナマズを使った別の料理も作れないかと話し合う場面もありました。また、点心に好意的な反応を示し、自分たちでもう一度作ってみたいという関心も見られたと報告されています。

アンケートの平均点は、講習前の25.75から講習後は26.46(結果の節では26.45と記載)に上がりました。要旨では、この講習が子どもの魚への関心を高めるうえで有効だったとしています。ただし結果の節では、上昇幅が小さく統計的な検定も行っていないため、意味のある上昇とは結論できないと述べています。そのため、この結果は「前向きな変化の兆し」として解釈するのが適切だとしています。

上昇が小さかった理由として、著者らは三つの可能性を挙げています。講習が1回だけで復習の機会が限られていたこと、評価が講習の直後だったため長く続く変化はとらえられないこと、参加者が20人と少なかったことです。一方で、実演に続いて自分で作る形式が積極的な参加を引き出し、参加者が自力で点心を作れるようになった点は、アンケートの点数には表れにくい成果だとしています。

この取り組みが示すこと

著者らは、ナマズを点心に加工することで、生臭さや骨、見た目の地味さといった子どもが魚を避ける理由を和らげられると考えています。そして今回の講習が、子どもに受け入れられやすい魚料理の選択肢を示し、地元の魚の活用にもつながったとまとめています。

一方で、魚への関心を数値で比べた結果は小さな上昇にとどまり、統計的な裏付けはありません。この報告は、1つの施設で1回だけ行った講習の記録です。見て、作って、食べるという体験型の学びが子どもを調理に引き込んだ様子と、関心の変化を数字で確かめることの難しさの両方を伝えています。

原著論文の著者・所属:Syvangi Dwi Pramudya(Universitas Negeri Malang)、Evi Sintia Nuramalia(Universitas Negeri Malang)、Nabila Aurelia Pramudita(Universitas Negeri Malang)、Natasya Aurellya Putri(Universitas Negeri Malang)、Novalia Ramadhani Setyono(Universitas Negeri Malang)、Retno Ayu Saraswati(Universitas Negeri Malang)、Ajeng Daniarsih(Universitas Negeri Malang)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Syvangi Dwi Pramudya, Evi Sintia Nuramalia, Nabila Aurelia Pramudita, Natasya Aurellya Putri, Novalia Ramadhani Setyono, Retno Ayu Saraswati, Ajeng Daniarsih Educational Workshop On Making Catfish Dimsum Through Demonstration To Increase Children’s Interest In Fish Consumption. TRANSFORMASI JURNAL PENGABDIAN PADA MASYARAKAT 2026-08-12. DOI: 10.31764/transformasi.v6i2.39496. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。