掲載誌:Jurnal Pengabdian Masyarakat Kesosi
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
取り組みの目的
妊娠中の女性が長い期間にわたって食事からのエネルギーが足りない状態は「慢性エネルギー不足」と呼ばれ、インドネシア語では略してKEKと表されます。研究チームは、この状態が妊娠中の合併症、低出生体重、子どもの発育阻害(スタンティング)のリスクを高める栄養問題の一つになっていると説明しています。
そこで著者らは、身近で手に入る栄養価の高い植物性食品、たとえばモリンガ(ワサビノキ)の葉などを家族ぐるみで活用する取り組みに着目しました。こうして考案されたのが、家族を基盤とする地元の自然な植物性食品の普及運動「GELORA NABATI」です。この活動は地域への奉仕活動として行われ、インドネシア・パロポ市のワラ・スラタン地域保健センターが担当する地域で、慢性エネルギー不足のリスクがある妊婦について、家族の知識、地元の植物性食品を調理・加工する技術、栄養面での家族の関わりを高めることを目指しました。
何を行い、どう確かめたか
活動は「参加型アクションリサーチ」という進め方で行われました。これは、外部の専門家が一方的に教えるのではなく、地域の人々と一緒に課題を考え、実践しながら改善していく方法です。具体的には、健康に関する学習会、地元食品の加工トレーニング、料理教室、家族への継続的な付き添い支援、そして経過の確認と評価が組み合わされました。
対象は、慢性エネルギー不足のリスクがある妊婦30人と、その付き添いの家族です。成果は、活動の前と後に同じ内容のテストを行って比べる方法、調理・加工の技術を実際に観察する方法、活動の記録によって評価されました。
報告された主な結果
抄録によると、参加者の知識テストの平均点は、活動前の61.20点から活動後には87.40点へ上がりました。地元食品の加工技術が「良好」と判定された世帯の割合は、トレーニング前の16.7%からトレーニング後には83.3%に増えたと報告されています。
また、90.0%の家族が、妊婦の栄養を満たすために今後も地元の食品を使い続けると約束したとされています。さらに、地域の中で活動を続けていくための担い手として、GELORA NABATIの地域ボランティア(カデル)のグループが結成されました。
この報告が示すこと
著者らは、この取り組みによって、妊婦とその家族が慢性エネルギー不足の予防に向けて地元の植物性食品を活用する力が高まったと結論づけ、他の地域でも応用できる地域づくりのモデルになりうると述べています。今回の報告で示されたのは、知識や調理技術、家族の意欲、地域の担い手づくりといった面での変化であり、身近な食材と家族の協力を軸に妊婦の栄養を支えようとする地域ぐるみの試みの一例といえます。
原著論文の著者・所属:Lina Fitriani(Universitas Mega Buana)、Susianti Susianti(Universitas Megabuana Palopo)、Sry Wahyuni(Universitas Megabuana Palopo)、Rismawati Rismawati(Universitas Megabuana Palopo)、Arini Purnamasari(Universitas Megabuana Palopo)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Lina Fitriani, Susianti Susianti, Sry Wahyuni, Rismawati Rismawati, Arini Purnamasari GELORA NABATI: Gerakan Pangan Lokal Alami Berbahan Nabati Berbasis Keluarga untuk Meningkatkan Gizi Ibu Hamil Risiko KEK di Puskesmas Wara Selatan Kota Palopo. Jurnal Pengabdian Masyarakat Kesosi 2026-07-30. DOI: 10.57213/abdimas.v9i2.602. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。