掲載誌:Indian Journal of Animal Research
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
加工で残る魚の骨を資源に変える
研究チームは、水産加工で残る魚の骨を有効利用するため、ニベ科の魚タイガートゥースクローカー(Otolithes ruber)の骨から、生物由来のハイドロキシアパタイトを取り出す方法を比較しました。ハイドロキシアパタイトは、骨を構成するリン酸カルシウムの一種です。研究の目的は、取り出す際の処理によって、得られる粉末の量や、水・油を保持する性質、色などがどう変わるかを調べることでした。
水、アルカリ溶液、高温高圧による処理を比較
著者らは、市場で入手した魚から骨を集め、残った肉を取り除いて処理しました。比較したのは、水で煮る方法、水酸化ナトリウムの溶液で煮る方法、高温高圧の装置で加熱する方法です。アルカリ処理では、溶液の濃度と煮る時間を組み合わせた6条件を設け、計8条件で得た骨の粉末を調べました。
測定したのは、回収率、水や油を保持する能力、一定の体積に入る粉末の重さ、流れやすさの指標などです。外観については、機器を使って明るさや色合いを測り、白さを表す指数も求めました。
回収量と粉末の性質で異なる結果
論文によると、回収率が最も高かったのは水で煮た試料で、60.29%でした。一方、水酸化ナトリウム濃度2%で30分間煮た試料では、回収率は45.28%でしたが、水と油を保持する能力が比較した条件の中で最も高く、それぞれ144.02%、67.64%と報告されています。
この2%処理の試料は、粉末をそのまま入れた場合と、容器をたたいて詰めた場合のどちらでも密度が最も高く、流れやすさを示す指標も良好でした。また、機器で測った明るさも最も高い値を示しました。
著者らは、比較した条件の中では2%の水酸化ナトリウムによる処理を、粉末の機能的な性質を引き出す有効な方法と位置づけています。今回の結果は、魚の骨を素材として利用する際には、回収できる量だけでなく、得られる粉末の性質にも処理方法による違いがあることを示しています。
原著論文の著者・所属:Ankures Bhattacharya、Supratim Chowdhury、Asik Ikbal、Swarnadyuti Nath、Prasanta Murmu、Olipriya Biswas、Tanushri Ghorai、K. Veeranjaneyulu
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Ankures Bhattacharya, Supratim Chowdhury, Asik Ikbal, et al. Valorization of Tigertooth Croaker (Otolithes ruber) Bones into Biological Hydroxyapatite: A Physicochemical and Organoleptic Assessment. Indian Journal of Animal Research 2026-09-04. DOI: 10.18805/ijar.b-5903. 原著ライセンス:CC BY.