著者の所属・活動拠点の国は、ペルーです。
掲載誌:Revista Científica en Ciencias Sociales
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
環境への配慮が重視されるなか、多くのブランドが環境に優しい包装やエコラベル(環境配慮を示す表示)をマーケティングに取り入れています。しかし研究チームによると、ペルーの消費者が輸入品に使われるエコ包装や生分解性の包装をどう受け止めているかは、これまで十分に調べられていませんでした。ペルーでは持続可能な選択肢への関心がある一方で、環境をうたう宣伝への疑いも根強いといいます。特に輸入品は、認証の出どころや本物かどうかが分かりにくい場合があります。
そこで著者らは、輸入食品の包装に関する消費者の受け止め方を説明する予測モデルを組み立て、それを検証することを目指しました。
何を調べたのか
研究の土台になったのは、心理学のS-O-Rモデル(刺激・生体・反応モデル)です。外からの刺激が人の内面に働きかけ、その結果として行動上の反応が生まれる、という流れで人の反応を捉える考え方です。
この研究では「刺激」として、エコ包装とエコブランド、そしてエコラベルを設定しました。「内面」に当たるのは、好ましさなどの感情面の態度(感情的態度)と、合理的な評価や信念に当たる態度(認知的態度)です。「反応」には、購入しようとする意向のような行動に向かう態度(著者らは「意欲的態度」と呼んでいます)と、環境への関心を置きました。年齢と環境への関心との関係も分析に含めています。
対象は、輸入品、特に生分解性の包装など持続可能な特徴をもつ商品を購入したペルーの消費者です。研究は一時点のデータを使った非実験の量的研究です。複数の要因の結びつきを一度に推定する構造方程式モデリング(PLS-SEM)という統計手法で分析しました。
主な結果
論文の報告によると、仮説として立てた関係はいずれも統計的に支持されました。エコ包装・エコブランドとエコラベルの二つを合わせると、感情的態度のばらつきの約62%(R²=0.616)、認知的態度のばらつきの約58%(R²=0.582)を説明できました。なかでも強かったのは、エコ包装・エコブランドと感情的態度との結びつきです。エコラベルは、感情的態度よりも認知的態度とのつながりが強いと報告されています。
さらに、感情的態度と認知的態度の二つで、購入意向などの意欲的態度の約66%(R²=0.664)を説明できました。二つのうちでは認知的態度の影響がより大きいとされています。意欲的態度は環境への関心とも強く結びつき、その説明の度合いはR²=0.519でした。年齢と環境への関心の間にも、規模は小さいながら統計的に有意な関係が示されました。
研究が示すこと
著者らは、包装やラベルといった目に見える環境配慮のサインが、消費者の感情と理性の両面の評価を通じて、購入への意欲や環境への関心とつながっていると結論づけています。そのうえで、ブランドが持続可能なイメージを強め、環境への影響を意識する消費者の期待に応えるための手がかりになるとしています。
原著論文の著者・所属:Faviana Panduro Pallette(Universidad San Ignacio de Loyola, Facultad de Ciencias Empresariales. Lima, Perú)、Leslie Nicole Quesada Vasquez(Universidad San Ignacio de Loyola, Facultad de Ciencias Empresariales. Lima, Perú)、Godofredo Illa-Sihuincha(Universidad San Ignacio de Loyola, Facultad de Ciencias Empresariales. Lima, Perú)、Julio Ricardo Capristan Miranda(Universidad San Ignacio de Loyolam, Facultad de Ciencias Empresariales. Lima, Perú)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Faviana Panduro Pallette, Leslie Nicole Quesada Vasquez, Godofredo Illa-Sihuincha, et al. Modelado de la percepción del consumidor hacia envases ecológicos y biodegradables en productos importados aplicando ecuaciones estructurales multivariadas. Revista Científica en Ciencias Sociales 2026-09-28. DOI: 10.53732/rccsociales/e8954. 原著ライセンス:CC BY.