著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:SELAPARANG Jurnal Pengabdian Masyarakat Berkemajuan

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

取り組みの目的

大学に入学したり、大学で働いたりする時期は、生活が大きく変わる節目です。著者らは、大学の学生や教職員が、エネルギーや塩分・糖分が多く、ビタミンやミネラルが不足しがちな加工食品をとりやすく、長時間座ったままの生活にもなりやすいと指摘しています。こうした環境は、高血圧や脂質異常、肥満などの生活習慣病(論文では「非感染性疾患」)のリスクを、働き盛りの年代から高めるおそれがあります。

インドネシアのメダン国立大学の研究チームは、学内の学生・教員・職員の心臓や代謝に関わる健康状態を把握するとともに、「栄養リテラシー」を高めることを目的に、地域貢献活動として「Nourish Expo」を実施しました。栄養リテラシーとは、栄養に関する情報を理解し、真偽を見極め、日々の食事に生かす力のことです。著者らは、受け身の講義だけでは行動は変わりにくく、自分の体の検査結果を知ることが行動のきっかけになると考えました。

どのように行ったか

イベントは2026年5月18日と19日の2日間、大学構内で開かれ、自発的に参加した70人の健康データが集められました。内訳は学生50人、教員12人、職員8人で、全員が18歳以上、約93%が女性でした。

1日目は、身長・体重などの体格測定と、体に微弱な電流を流して体組成を推定する方法による内臓脂肪の測定、血圧、コレステロール、血糖、尿酸などの基本的な健康チェックを行いました。その後、参加者一人ひとりが栄養の専門家と個別に面談し、自分の結果の意味や、インドネシアの食事指針「Isi Piringku(私のお皿)」に基づく食事の助言を受けました。2日目は、現代の生活の中での栄養のとり方をテーマにしたトークショーと質疑応答が行われ、栄養に関する誤解についても話し合われました。

栄養リテラシーの変化は、イベントの前後に同じ参加者へ質問紙テストを実施し、平均点を統計的に比べることで評価しました。

主な結果

健康チェックでは、参加者70人のうち41.4%が過体重または肥満の範囲に入り(肥満31.4%、過体重10%)、一方で4.3%はやせでした。論文はこれを、栄養の過剰と不足が同じ集団の中に併存する「栄養不良の二重負荷」の表れと説明しています。なお、検査項目は任意で、項目ごとに測定しなかった人もいたため、これらの割合は参加者70人全体に対する値として示されています。

そのほか、血圧が高い区分の人が52.9%、内臓脂肪が基準より多い人が44.3%、総コレステロールが高い人が18.6%、尿酸値が高い人が17.1%、貧血の人が8.6%と報告されました。

栄養リテラシーのテストでは、平均点がイベント前の53.10点から、イベント後には82.80点へと29.70点上がり、この差は統計的に意味のあるものでした。著者らは、個人の検査データに基づく面談と、双方向の教育を組み合わせたことが、この向上につながったと考察しています。

この取り組みが示すこと

この報告は、若い学生を多く含む大学の中でも、高血圧や肥満、内臓脂肪の蓄積といった生活習慣病のリスクが少なからず見られたことを示しています。著者らは、自分の検査結果を知ったうえで個別の助言と教育を受ける仕組みが、参加者の栄養に関する理解を高めたとし、こうした健康チェックと教育を組み合わせた形を、健康的な大学づくりに向けた予防の取り組みとして続けていくことを提案しています。

原著論文の著者・所属:Nyono Dedi Prabowo(Universitas Negeri Medan)、Meintansari Manik(Universitas Negeri Medan)、Khaerul Fadly(Universitas Negeri Medan)、Jenri Parlinggoman Hutasoit(Universitas Negeri Medan)、Reny Yuliana Siahaan(Universitas Negeri Medan)、Kalasta Ayunda Putri(Universitas Negeri Medan)、Fitni Hidayati(Universitas Negeri Medan)、Fathia Rahmadini(Program Studi Gizi, Universitas Negeri Medan, Indonesia)、Emira Tri Silawati(Universitas Kusuma Husada Surakarta)、Nila Authoria(Politeknik Kesehatan Kemenkes Malang)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Nyono Dedi Prabowo, Meintansari Manik, Khaerul Fadly, Jenri Parlinggoman Hutasoit, Reny Yuliana Siahaan, Kalasta Ayunda Putri, Fitni Hidayati, Fathia Rahmadini, Emira Tri Silawati, Nila Authoria Peningkatan literasi dan pemantauan status gizi sivitas akademika melalui program Nourish Expo di Universitas Negeri Medan. SELAPARANG Jurnal Pengabdian Masyarakat Berkemajuan 2026-08-18. DOI: 10.31764/jpmb.v10i4.40509. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。