殻をむくと、ほくっとした豆が出てくる。やさしい甘みを楽しむ「ゆで落花生」は、千葉の秋の味です。収穫したばかりの落花生を、乾燥させずに殻ごと塩ゆでにします。

千葉市が案内する生落花生の販売時期は、おおむね9月上旬から10月中旬。農産物直売所やスーパーの産直コーナーで、生の殻つき落花生を見かけたら、鍋にかける楽しみがあります。袋の品種名にも目を向けてみてください。

ゆでるなら「郷の香」や「おおまさりネオ」

千葉県がゆで落花生向きにすすめているのは、「郷の香(さとのか)」と「おおまさりネオ」です。郷の香は8月から収穫できる早生品種。おおまさりネオは粒が大きく、やわらかさと強い甘みが持ち味です。

同じ落花生でも、煎って味わう「千葉半立」や「Qなっつ」、ゆでて楽しむ品種と、それぞれに得意な食べ方があります。「千葉県産」の表示に加えて品種名を覚えると、売り場で選ぶ楽しみが一つ増えます。

花は地上に、豆は土の中に

落花生の花は、地面の上に咲きます。花が咲いたあと、付け根から「子房柄(しぼうへい)」という細い部分が伸びて土にもぐり、その先でさやが育ちます。根にできる芋のように見えても、食べているのは豆。「落花生」という名前には、この育ち方が表れています。

千葉で栽培が始まったとされるのは1876年。現在の山武市での試作から、2026年で150年になります。長く親しまれてきた特産品には、掘りたてをゆでる、産地ならではの楽しみ方も受け継がれています。

殻ごと鍋へ。30分を過ぎたら、かたさを確かめる

買うのは、ゆで落花生用の新鮮な生の殻つき豆。手に入れたら早めに調理します。次は、農林水産省「うちの郷土料理」の飲食方法をもとにした手順です。

  1. 殻についた泥を落とし、よく洗います。
  2. 鍋にたっぷりの湯を沸かし、水1Lに対して塩約30gを加えます。
  3. 落花生を殻つきのまま入れ、40〜50分ほどゆでます。30分を過ぎたら一つ取り出し、やけどに気をつけながら豆のかたさを確かめます。
  4. 好みのやわらかさになったらざるに上げ、冷まします。

ゆで時間は目安です。品種や粒の大きさも違うので、袋に調理方法があればそちらを確認し、時計だけでなく一粒のかたさを見ながら仕上げてください。

まずは殻をむいて、そのままお茶うけに。取り分けておいた豆をおこわに入れたり、すりつぶして和え物に使ったりする食べ方もあります。ゆでたものは冷凍保存もできるので、収穫期の味をあとで楽しむこともできます。

栄養は、ゆでて殻をむいた豆で見る

食べる量の参考に、ゆで落花生の豆だけを50g取り分けた場合の成分を見てみます。これは一食の推奨量ではなく、量をつかむための計算例です。

成分可食部50gあたり
エネルギー149kcal
たんぱく質約6.0g
脂質約11.8g
食物繊維2.1g

NutriMap Japanの食品データベースに収録したらっかせい(未熟豆・ゆで)の可食部100gあたりの値を半分にして計算しました。殻の重さは含まず、千葉県産や特定品種だけの測定値ではありません。家庭で塩ゆでしたときの塩分量を示す表でもありません。

やわらかな一粒にも、脂質やたんぱく質が含まれています。殻をむいた豆を一度小皿に取り分けてみると、食べる量も分かりやすくなります。ほかの栄養成分も、「らっかせい(未熟豆・ゆで)」のページで確認できます。

次に売り場で落花生を見かけたら、「今日はゆでて食べよう」と選んでみる。殻をむく手間まで含めて、秋のお茶の時間に似合う食べ方です。

※落花生アレルギーのある方は食べないでください。

参考資料