著者の所属・活動拠点の国は、イタリアです。
掲載誌:Foods
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
消化を再現し、吸着する力を調べる
研究チームは、植物素材がコレステロールを吸着する力を、安定して測定できる手順の開発を目指しました。対象に選んだのは、農業副産物であるアーティチョークの葉です。葉の利用可能性を調べるとともに、測定方法によって結果がどう変わるかを検討しました。
実験では、乾燥させた葉を外側の葉状部分と内側の木質部分に分け、さらに粒の大きさで計4種類に分類しました。これらと比較用の食物繊維を、コレステロール源となる卵黄とともに、口、胃、小腸での消化を順に再現する実験にかけました。素材を加えない場合と比べて、消化後に残るコレステロールがどれだけ減ったかを、吸着能力の指標としました。
葉の外側で高い値、測定法による違いも
コレステロールの測定には、混合物の成分を分離して測る高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用い、紫外線と光の散乱を利用する2種類の検出方法を比較しました。また、試薬との反応で生じる色の強さから量を求める従来の方法とも比べました。
研究チームは、調べたアーティチョークの葉のすべての試料で、コレステロールの吸着能力が認められたと報告しています。HPLCで測定した値は、試料1グラム当たり約9〜20ミリグラムでした。外側の葉状部分は、内側の木質部分より有意に高い値を示し、この傾向はどの測定方法でも共通していました。比較用の食物繊維では、HPLCによる測定でペクチンが最も高く、次いでリグニンが高い値を示しました。
HPLCの2種類の検出方法の間には、有意な差はありませんでした。一方、葉の試料を色の反応で測る方法では、試料1グラム当たりの吸着量がHPLCより高く算出されました。著者らは、植物に含まれる色素などが測定に干渉し、吸着能力を過大に見積もる可能性があると説明しています。
素材の評価には、測り方が重要
ただし、著者らは、観察されたコレステロールの減少を、食物繊維への吸着だけによるものとは断定していません。消化や抽出の操作に伴う損失も、完全には除外できないためです。また、今回の結果は実験室で消化を再現した条件でのもので、人の血中コレステロールを下げる効果を示したものではありません。
この研究は、アーティチョークの葉の部位による違いを示すとともに、植物素材の吸着能力を比較するには、消化条件とコレステロールの測定方法をそろえることが重要だと伝えています。
原著論文の著者・所属:Shahd Ali(Department of Pharmaceutical Sciences, University of Perugia, Via S. Costanzo, 06126 Perugia, Italy)、Federica Ianni(Department of Pharmaceutical Sciences, University of Perugia, Via S. Costanzo, 06126 Perugia, Italy)、Lina Cossignani(Department of Pharmaceutical Sciences, University of Perugia, Via S. Costanzo, 06126 Perugia, Italy)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Shahd Ali, Federica Ianni, Lina Cossignani. Reliable Analytical Approach for the Quantification of the Cholesterol Adsorption Capacity of Artichoke Leaves. Foods 2026-08-31. DOI: 10.3390/foods15173099. 原著ライセンス:CC BY.