著者の所属・活動拠点の国は、ブラジルです。
掲載誌:Food Research International
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
ブラジル南部のリオグランデ・ド・スル州は、同国のオリーブオイル生産の約75%を占めています。州内には、土壌や気候の条件が異なるさまざまな地域があります。
研究チームは、この州で作られたエキストラバージンオリーブオイルに含まれる色素の構成を詳しく調べました。オイルの色に関わる色素が、品種や産地によってどう違うのかを明らかにすることが目的です。
何をどのように調べたか
対象は、州内の3地域で生産された「アルベキーナ」と「コロネイキ」という2品種のオイルです。
著者らは「ターゲット・メタボロミクス」という手法を用いました。これは、あらかじめ狙いを定めた成分群をまとめて分析する方法です。成分を分離する液体クロマトグラフィーに、光の吸収を測る検出器と、分子の質量を精密に測る質量分析計を組み合わせ、色素を一つずつ見分けて量を測りました。
主な結果
論文によると、13種類の色素が特定され、そのうち9種類の量が測定されました。最も多かったのは、葉緑素(クロロフィル)に由来する緑系の色素「フェオフィチンa」で、測定された色素全体の64%を占めました。続いて黄色系の色素「ルテイン」が19%、「β-カロテン」が16%でした。
カロテノイドの一種「ゼアキサンチン」は色素全体の1.5%未満とわずかでしたが、両品種で検出されました。著者らは、知る限りブラジル南部産オリーブオイルでの初めての報告だとしています。
2品種に含まれる色素の種類は似ていました。一方、アルベキーナのオイルには、「キサントフィル」と呼ばれる黄色系色素のうち微量成分が有意に多く含まれていました。特に多かったのは、ビオラキサンチン、アンテラキサンチン、ゼアキサンチンです。
多くの測定値をまとめて傾向を見る「主成分分析」では、品種に関連した違いが見られました。ただし一部の試料は重なり合い、品種を完全には区別できませんでした。
産地による有意な違いが見られたのは、コロネイキのオイルだけでした。ゼアキサンチンは西部と中部で東部より多く、フェオフィチンaは西部で東部より多い結果でした。これらの違いには、オイルの色の明るさの違いも伴っていました。
研究が示すこと
研究チームは、量としてはわずかなキサントフィル類が、ブラジル南部産オイルの色素の違いを捉えるうえで重要だとまとめています。これらの色素は品種や産地を見分ける手がかりになる可能性がありますが、著者らは、その活用にはさらなる検証が必要だとしています。
原著論文の著者・所属:Justine Freo Saggin(Institute of Food Science and Technology, Federal University of Rio Grande do Sul (UFRGS), 9500, Av. Bento Gonçalves, Porto Alegre, RS, 91501-970, Brazil)、Manoela Pont dos Santos、Vivian Caetano Bochi(Federal University of Health Sciences of Porto Alegre (UFSCPA), 245, Rua Sarmento Leite, Porto Alegre, RS, 90050-170, Brazil)、Bruna Tischer(Institute of Food Science and Technology, Federal University of Rio Grande do Sul (UFRGS), 9500, Av. Bento Gonçalves, Porto Alegre, RS, 91501-970, Brazil)、Giovana Domeneghini Mercali(Institute of Food Science and Technology, Federal University of Rio Grande do Sul (UFRGS), 9500, Av. Bento Gonçalves, Porto Alegre, RS, 91501-970, Brazil)、Eliseu Rodrigues(Institute of Food Science and Technology, Federal University of Rio Grande do Sul (UFRGS), 9500, Av. Bento Gonçalves, Porto Alegre, RS, 91501-970, Brazil)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Justine Freo Saggin, Manoela Pont dos Santos, Vivian Caetano Bochi, et al. Targeted metabolomics-based pigment profiling of southern Brazilian extra virgin olive oils. Food Research International 2026-10-16. DOI: 10.1016/j.foodres.2026.121005. 原著ライセンス:CC BY.