掲載誌:JURNAL IMPLEMENTA HUSADA

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

月経は、ホルモンの変化によって周期的に起こる体の働きで、代謝や内分泌(ホルモン)の状態に影響されます。北スマトラ・ムハマディヤ大学医学部の研究チームは、食生活の中でも単純糖質(ブドウ糖や砂糖のように、単糖類や二糖類からなる糖質)に注目しました。単純糖質は加工食品や甘い飲み物に多く含まれます。

著者らによると、単純糖質をとりすぎると血糖値やインスリンの働きに影響し、それが生殖に関わるホルモンの調節や月経の状態を変える可能性があります。そこで研究チームは、同大学医学部の女子学生を対象に、単純糖質を食べる頻度と、1回の月経で出血が続く日数との関連を調べました。

どのように調べたか

研究は、ある時点で参加者の食習慣と月経の状態を同時に調べる「横断研究」として、2024年3月から行われました。対象は17〜24歳の医学部女子学生です。食事や月経に強く影響しうる要因を除くため、妊娠中・授乳中の人、経口避妊薬などのホルモン剤を使っている人、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)など生殖や内分泌の病気の診断歴がある人は対象から外しました。

必要な人数を事前に計算したうえで、条件を満たす学生を順に登録し、最終的に90人が参加しました。単純糖質の摂取は、さまざまな食品や飲み物をどのくらいの頻度で口にしたかを答える「食物摂取頻度調査票(FFQ)」で調べ、精製された血糖値を上げやすい食品・飲料の摂取頻度をもとに「週3回未満」と「週3回を超える」の2群に分けました。月経期間は1周期あたりの出血日数とし、8日以下を「正常」、8日を超える場合を「長い」としました。両者の関連は、2つの分類の組み合わせに偏りがあるかを確かめるカイ二乗検定で分析しました。

主な結果

参加者の年齢の中央値は19歳(18〜20歳)でした。多くは体格指数(BMI)が標準の範囲で(68.9%)、月経周期の長さも21〜35日の正常範囲でした(76.7%)。一方、単純糖質を週3回を超えて食べると答えた人は66人(73.3%)と大半を占めました。出血日数が8日を超えていた人は全体で25人(27.8%)でした。

食べる頻度別にみると、週3回未満の群24人は全員が出血日数8日以下でした。これに対し、週3回を超える群66人では、25人(37.9%)が8日を超える出血を経験していました。論文は、単純糖質を頻繁に食べることと出血日数が長いことの間に、統計的に有意な関連があったと報告しています(p<0.001)。

著者らは考察で、周期の長さ自体はおおむね正常範囲にあった一方、出血が続く日数に違いが見られた点に注目しています。その背景として、血糖値を上げやすい食事が脂肪の蓄積やインスリンの効きにくさ、慢性的な炎症などを通じてホルモンのバランスに影響し、子宮内膜の状態を不安定にする可能性を挙げています。ただし、これは著者らによる解釈で、本研究で直接確かめたものではありません。

この研究が示すこと

この研究は、若い女性の間で、単純糖質をよく食べる習慣と月経の出血日数が長いことに関連が見られたことを報告しています。著者ら自身が述べているように、横断研究であるため、どちらが原因でどちらが結果かは分かりません。また、ストレスや運動量、睡眠、総摂取カロリーといった他の生活要因は統計的に調整されておらず、食事の調査は本人の記憶に基づく回答に頼っています。

こうした限界を踏まえつつ、著者らは、血糖値の管理を意識した栄養教育が若い女性の生殖に関わる健康を支えるうえで重要だと結論づけています。日々の食習慣と月経の状態との関わりを考える一つの手がかりとなる報告です。

原著論文の著者・所属:Siregar, Artika Sari(Faculty of Medicine, Muhammadiyah University of North Sumatra)、Febriyanti, Eka(Faculty of Medicine, Muhammadiyah University of North Sumatra)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Siregar, Artika Sari, Febriyanti, Eka Association Between Simple Carbohydrate Intake and Menstrual Duration Among Female Medical Students Of The Faculty Of Medicine Muhammadiyah University of North Sumatra. JURNAL IMPLEMENTA HUSADA 2026-08-04. DOI: 10.30596/jih.v7i3.28169. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。