著者の所属・活動拠点の国は、ブラジルです。

掲載誌:Revista de Saúde Pública

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

超加工食品とは、清涼飲料、スナック菓子、加工肉、インスタント食品などのように、工場で作られ、香料や着色料、甘味料などの添加物を多く含み、生鮮食品をほとんど含まない製品を指します。ブラジルでは2017〜2018年に、10代が摂取するエネルギーのおよそ26.5%を超加工食品が占めていたと報告されています。また、10代の過体重や肥満も課題となっています。

研究チームは、スクリーンを見る行動が食事内容と関係している可能性に注目しました。これまで10代の娯楽用スクリーンの中心はテレビでしたが、近年は食事中にパソコンや携帯電話を使う若者も増えています。しかし、テレビの視聴時間や食事中のメディア利用と超加工食品の摂取との関係は、全国を代表する大規模データではまだ十分に調べられていませんでした。そこで著者らは、ブラジルの13〜17歳を対象に、これらの関係を検討しました。

何をどう調べたか

研究チームは、ブラジル地理統計院が保健省・教育省と共同で2019年に実施した全国学校保健調査のデータを分析しました。この調査では、全国の公立校と私立校、都市部と農村部の生徒が、教室でモバイル端末を使って質問票に回答しています。分析対象は12万3761人で、ブラジルの10代約1170万人を代表するよう重み付けされています。

超加工食品の摂取は、調査前日に13種類の食品グループを食べたかどうかで評価しました。食品グループには、炭酸飲料、パック入りジュース、袋入りスナック、甘いビスケット、ソーセージやハム、食パンやハンバーガー用のパン、マヨネーズやケチャップ、インスタント麺などが含まれます。食べたグループの数を0〜13点で数え、7点以上を「超加工食品の摂取が多い」と定義しました。7点以上は、おおむね上位5分の1にあたります。

調べた行動は二つです。一つは平日のテレビ視聴時間、もう一つは食事中にテレビ・パソコン・携帯電話を使う頻度です。分析では、性別、年齢、人種・肌の色、家庭の経済状況、居住地域、都市か農村か、公立か私立かといった条件の影響を統計的に調整しました。

主な結果

超加工食品の摂取が多い生徒は、全体の16.15%でした。テレビを1日2時間を超えて見る生徒はおよそ10人に4人いました。また、1日6時間を超えて見る生徒は全体の9.28%でした。

テレビを見ない生徒では、超加工食品の摂取が多い人の割合は12.54%でした。これに対し、1日6時間を超えて見る生徒では22.74%でした。食事中にメディアを使わない生徒では11.94%だった一方、毎日使う生徒では18.87%でした。

社会的・経済的な条件をそろえた分析でも、テレビの視聴時間が長いほど、超加工食品の摂取が多い人の割合は段階的に高くなりました。テレビを見ない生徒と比べると、1日6時間を超えて見る生徒では、その割合が約1.9倍でした。1日1時間以内という短い視聴でも約1.17倍と、統計的に意味のある差がみられました。食事中のメディア利用でも同様の傾向があり、毎日使う生徒では利用しない生徒の約1.55倍、週1〜2日の利用でも約1.16倍でした。

このほか、経済的に最も厳しい層では、テレビの長時間視聴や食事中のスクリーン利用が多い一方、超加工食品の摂取が多い人の割合はむしろ低いことも報告されています。性別による違いはみられませんでした。

この研究が示すこと

著者らは、テレビの視聴時間と食事中のメディア利用という二つのスクリーン行動が、どちらも超加工食品の多い食事と量に応じて結びついていたことを示しました。背景として、画面を通じた食品広告に触れる機会が多いことや、画面に気を取られて空腹感や満腹感に注意が向きにくくなることが考えられると論じています。

ただし、この研究は一時点の調査にもとづいています。そのため、スクリーンを長く見ることが超加工食品の摂取を増やす原因だとは断定できない、と著者ら自身が述べています。また、回答は自己申告によるもので、食べた量や普段の頻度は測っていません。食事中に使った機器の種類ごとの違いも区別できていません。こうした限界はあるものの、全国規模のデータからは、10代のスクリーンとの付き合い方と食生活が密接に関わっている様子が浮かび上がっています。

原著論文の著者・所属:Maria Eduarda da Costa Andrade(Universidade Federal da Paraíba)、Diôgo Vale(Instituto Federal de Educação, Ciência e Tecnologia do Rio Grande do Norte. Jucurutu, RN, Brasil)、Poliana de Araújo Palmeira(Universidade Federal da Paraíba)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Maria Eduarda da Costa Andrade, Diôgo Vale, Poliana de Araújo Palmeira. Uso de telas e consumo de alimentos ultraprocessados por adolescentes brasileiros. Revista de Saúde Pública 2026-09-09. DOI: 10.11606/s1518-8787.2026060007360. 原著ライセンス:CC BY.