著者の所属・活動拠点の国は、ナイジェリアです。

掲載誌:International Journal of Life Science and Agriculture Research

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

食品を包む材料として、新聞紙は世界の多くの地域で手軽に使われています。一方で、新聞のインクなどには鉛、カドミウム、銅といった有害な重金属が含まれている可能性があり、特に温かい食品を包んだときに食品へ移るおそれが指摘されてきました。重金属は自然に分解されにくく、生物の体内にたまりやすい性質があります。

研究チームは、新聞紙で包んだ食品と包まない食品の重金属量を比べた研究が少ないことに着目しました。そこで、両者に含まれる重金属の量を分析し、比較することを目的としました。

何を調べたか

対象は、アカラ、マサ、ヤム、プランテン(料理用バナナ)、スヤの5種類の食品です。論文によると、これらの食品それぞれについて6検体が無作為に選ばれ、新聞紙で包まれたものと新聞紙に触れていないものが集められました。

調べた重金属は、水銀、鉛、銅、カドミウムの4種類です。食品を酸とマイクロ波で分解して金属を液体中に溶かし出し、原子吸光分析という方法で量を測りました。原子吸光分析は、元素が特定の光を吸収する性質を利用して、その量を測定する手法です。得られた値は統計的な方法で比較されました。

主な結果

新聞紙で包んだ食品でも包まない食品でも、4種類の金属のうち銅の濃度が最も高くなりました。食品の中では、どちらの条件でもスヤに重金属が多く含まれていました。水銀は全体的に低い値でした。

著者らは、新聞紙で包んだ食品では、包まない食品に比べて銅、カドミウム、鉛が有意に高かったと報告し、特にカドミウムと銅の増加を強調しています。食品ごとの比較では、カドミウムはマサ、アカラ、スヤ、ヤムで、銅はマサとスヤで統計的に意味のある差が示されました。一方で、金属と食品の組み合わせによっては有意な差が認められないものもありました。

著者らは、重金属が増えた背景として、色素や顔料などを含む新聞インクの成分が紙から食品へ移ることや、新聞紙が印刷インクを染み込ませるほど吸収しやすい性質を持つことを挙げています。

研究が示すこと

この研究は、新聞紙で食品を包むことで、特にカドミウムや銅といった一部の重金属が食品中で増える可能性を示しました。著者らは、新聞紙による包装は消費者を重金属にさらすおそれがあるため避けるべきだとし、食品の包装材料は有害物質が食品へ移らないよう慎重に選ぶ必要があると結論づけています。

原著論文の著者・所属:Olubiyo, Comfort Kehinde(Department of Biological Sciences, Faculty of Science and Computing, Kogi State University Kabba)、Olubiyo, Gloria Taiye(Department of Biological Sciences, Faculty of Science and Computing, Kogi State University Kabba)、Kehinde, Imisi Temitope Eniola(Department of Biological Sciences, Faculty of Science and Computing, Kogi State University Kabba)、Alege, Gbenga Olorunshola(Department of Biotechnology, Faculty of Life Sciences, Federal University Lokoja)、Olowo, Simon Ajinuhi(Department of Biotechnology, Faculty of Life Sciences, Federal University Lokoja)、Shaibu, Lawal(Department of Biotechnology, Faculty of Life Sciences, Federal University Lokoja)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Olubiyo, Comfort Kehinde, Olubiyo, Gloria Taiye, Kehinde, Imisi Temitope Eniola, et al. Comparative Assessment of Heavy Metal Accumulation in Food Packaged with and Without Newspaper. International Journal of Life Science and Agriculture Research 2026-09-02. DOI: 10.55677/ijlsar/v05i09y2026-03. 原著ライセンス:CC BY.