掲載誌:Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research)

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的と調べた場所

著者らは、ケナナの町の南に位置するクレイクス・クリーク周辺の耕作地を対象に、土壌と、そこで育ったカボチャに重金属がどれだけ含まれているかを調べ、それが食べる人にどのような影響を及ぼしうるかを検討しました。

この一帯の畑は、サトウキビ農場から流れ出る余剰水、つまり排水で灌漑されていました。論文では、こうした排水を使った灌漑が土壌と作物にもたらす汚染の実態を明らかにすることが研究の狙いとして示されています。

どのように調べたか

著者らは、複数の異なる地点から耕作土壌とカボチャの果実の試料を集めました。分析に用いたのは原子吸光分光法(日本製のAA 6200)という手法です。これは試料に光を当てたときに特定の金属が決まった波長の光を吸収する性質を利用して、含まれる金属の量を測る方法です。

測定の対象としたのは銅(Cu)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)の4元素でした。得られた値は、世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)が示す国際基準値と比べられています。

報告された主な結果

土壌については、銅が1.200〜1.600 mg/kg、亜鉛が0.400〜0.600 mg/kg、鉛が1.40〜2.20 mg/kgと報告されました。カボチャの果実では、銅が0.045〜0.047 mg/kg、亜鉛が0.24〜0.25 mg/kg、鉛が0.11〜0.12 mg/kgでした。カドミウムは土壌からもカボチャからも検出されなかったとされています。

論文が比較の基準として挙げた値は、銅が0.0006 mg/kg、亜鉛が0.002 mg/kg、鉛が0.0002 mg/kgです。著者らは、土壌とカボチャのいずれにおいても銅・亜鉛・鉛の濃度がこれらの国際基準を上回っており、許容できない範囲の汚染が認められたと述べています。

これらの結果から著者らは、クレイクス・クリークに流れ込む排水とそれを用いた耕作地が、この地域に明確な汚染を直接引き起こしていると結論づけています。また一般論として、重金属が大量に蓄積すると食物連鎖が汚染され、それが動物や人の組織へ重金属が入り込む主要な経路となって、さまざまな病気にかかりやすくなることを論文は指摘しています。

この研究が伝えること

著者らは提言として、排水を白ナイル川やクレイクス・クリークに到達させる前に処理することを検討し、そのうえで農業や家畜の飼育に用いるべきだとしています。農業用水として身近に使える水が、同時に土壌と作物へ金属を運び込む経路にもなりうること、そして水の扱い方そのものが畑と食卓の安全に関わることを、この報告は具体的な測定値をもって示しています。

著者:1*Dr. Gamar Eldawla Abdelmotalib Ahmed, 2Dr. Masheir Ibrahim Baleil Ibrahim, 3Dr. Mohammed Salem Abd Elfadil

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):1*Dr. Gamar Eldawla Abdelmotalib Ahmed, 2Dr. Masheir Ibrahim Baleil Ibrahim, 3Dr. Mohammed Salem Abd Elfadil. HEAVY METAL CONTAMINATION IN CULTIVATED SOIL BY PUMPKIN VEGETABLE IRRIGATED WITH WASTEWATER. Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) 2026-09-30. DOI: 10.5281/zenodo.23066403. 原著ライセンス:CC BY.