著者の所属・活動拠点の国は、パキスタンです。
掲載誌:Pakistan Journal of Rehabilitation
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
ここ数十年で、過体重や肥満の人の割合は大きく増えました。研究チームは論文の背景で、その主な要因として脂質や炭水化物の多い食事など、健康的でない食生活を挙げています。
その中で注目されている食事のスタイルが「地中海食」です。地中海沿岸地域の伝統的な食習慣をもとにした食べ方で、健康の改善や肥満に関わるリスクの低減に役立つ食事パターンと考えられています。
ただし著者らによると、若い成人、特に医学や医療関連分野を学ぶ学生について、地中海食をどの程度実践しているかと、体格の指標であるBMI(体重と身長から計算する体格指数)との関係を調べた研究は多くありません。そこで研究チームは、この学生たちを対象に両者の関係を調べました。
調べた方法
研究は、ある一時点の状態を調べる「横断研究」として行われました。対象は、パキスタン・カラチの複数の教育機関に在籍する18〜30歳の医学・医療関連分野の学部生273人です。参加者は無作為抽出ではなく、研究の目的に合う人を選ぶ方法で募集され、同意を得たうえで調査に参加しました。
地中海食をどの程度実践しているかは、妥当性が確認された質問票「KIDMED」を使って点数化されました。そのうえで、参加者をBMIによって「やせ」「普通」「過体重」などの区分に分け、区分ごとに地中海食の点数に差があるかを統計的に比べています。
主な結果
参加者の大半(81%)は女性でした。BMIの区分では、65.6%が普通体重、19.8%がやせ、13.6%が過体重に該当したと報告されています。
地中海食の実践度は全体として高く、96.7%の参加者が「実践度が高い」に分類されました。
一方で、BMIの区分と地中海食の点数のあいだには、統計的に意味のある関連は見られませんでした。つまり、体格の区分によって地中海食の実践度に明確な違いは確認されなかったということです。
この研究が示すこと
著者らは、医学・医療関連分野の学生は地中海食の実践度が高かったものの、その実践度とBMIの区分のあいだに統計的に有意な関連は認められなかったと結論づけています。
今回の調査は一時点の状態をとらえたもので、食事が体重に与える長期的な影響を確かめたものではありません。著者らも、より大規模で多様な集団を対象に、地中海食が若い成人の体重や代謝の健康に長期的にどう関わるかを調べる必要があると述べています。
原著論文の著者・所属:Urooj Khan(Department of Physiotherapy, Sindh Institute of Physical Medicine and Rehabilitation, Karachi, Pakistan)、Atiya(Department of Physiotherapy, Dow University of Health Sciences, Karachi, Pakistan)、Aisha Qasim(Department of Physiotherapy, Dow University of Health Sciences, Karachi, Pakistan)、Maryam Shoukat(Department of Physiotherapy, Dow University of Health Sciences, Karachi, Pakistan)、Raymin Sheikh(Department of Physiotherapy, Dow University of Health Sciences, Karachi, Pakistan)、Kashmala(Department of Physiotherapy, Dow University of Health Sciences, Karachi, Pakistan)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Urooj Khan, Atiya, Aisha Qasim, et al. Mediterranean Diet Adherence and Its Association with Body Mass Index Among Medical and Allied Health Students: A Cross-Sectional Study. Pakistan Journal of Rehabilitation 2026-07-31. DOI: 10.36283/pjr.zu.15.2/009. 原著ライセンス:CC BY.