著者の所属・活動拠点の国は、ペルー、ブラジルです。

掲載誌:F1000Research

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

超加工食品とは、工業的に製造され包装された状態で売られる食品のことです。食品から取り出した成分や添加物などを組み合わせて作られ、清涼飲料、加工肉、菓子などが含まれます。論文の序論によると、ラテンアメリカではこうした食品の消費が近年大きく増えており、ペルーでも販売量が伸びています。

著者らは、1995年から2010年ごろに生まれたいわゆるZ世代の大学生に注目しました。この世代は自分で食事を選ぶ機会が多い一方、経済的な制約や学業の忙しさを抱え、手軽さを優先しやすいと考えられます。しかし、この層の食べ方や、添加物にどのように触れているか、どのような要因が摂取量と関係しているかを具体的に調べた研究は不足していました。そこで研究チームは、若者の超加工食品の摂取状況を把握し、とくに製品の中で添加物がどのように組み合わされて使われているか、そして摂取量と健康に関わる要因との関連を調べることを目的としました。

何を調べたか

研究は、ある時点の状況を調べる横断研究として、二つの部分で行われました。一つ目は、ペルーの大手スーパーマーケットで手に入る超加工食品500製品の調査です。製品を肉製品、穀類、菓子、乳製品、飲料などに分け、原材料表示から着色料、酸味料・酸度調整剤、保存料、酸化防止剤、甘味料といった添加物を読み取りました。そのうえで、どの添加物が同じ製品の中で一緒に使われやすいかを、似たもの同士をまとめる「クラスター分析」という統計手法で整理しました。なお、添加物は「INS」と呼ばれる国際的な番号で表されます。

二つ目は大学生へのアンケートです。無作為に選ばれた学生にオンライン質問票への回答を依頼し、329人分の回答が分析に使われました。前日の24時間に食べた超加工食品の種類を答えてもらい、食べた食品群の数を点数化して、5点以上を過剰な摂取とみなしました。あわせて、性別、年齢、飲酒、喫煙、運動習慣、食事をとる場所などと摂取量との関連を統計的に分析しました。

主な結果

学生がよく食べていた超加工食品は、乳製品では牛乳(66.3%)、飲料では炭酸飲料(59.6%)、肉製品ではソーセージ(54.7%)、菓子ではビスケット(48.9%)、穀類ではパスタ・麺類(48.6%)でした。研究チームは、炭酸飲料が調査対象者の半数以上に飲まれていた点を指摘しています。

製品の添加物を調べたところ、食品の種類ごとに特徴的な組み合わせが見られました。たとえば果汁系飲料では、青色の着色料(INS 133)とカラメル色素(INS 150d)が一緒に使われることが多く、エナジードリンクや炭酸飲料ではカロテン(INS 160)と炭酸カルシウム(INS 170)がよく組み合わされていました。肉製品ではクエン酸(INS 330)とアスコルビン酸パルミテート(INS 304)、油脂類ではクエン酸とEDTA二ナトリウム(INS 386)が一緒に見られました。著者らは、肉製品の主な保存料が亜硝酸ナトリウム(INS 250)であったことも報告しています。

摂取量と関連する要因の分析では、性別と飲酒が摂取量と統計的に有意に関連していました。男子学生は女子学生に比べて摂取量が多い区分に入るオッズが約1.6倍、飲酒は摂取量の多さと関連し、オッズ比は約2.1でした。年齢層が上がるほど多く摂取する可能性は低い傾向でした。一方、運動習慣や食事をとる場所などには有意な関連は見られませんでした。また、このモデルで説明できたのは摂取量のばらつきのごく一部(8.9%)にとどまったことも報告されています。

この研究が示すこと

著者らは、飲酒と超加工食品の摂取が結びつく背景として、学業のストレスや広告への接触、友人との付き合い方といった共通の行動要因が、手軽な食品や飲酒の選択を促している可能性を仮説として挙げています。ただし、この研究は一時点の調査であるため、因果関係を示すものではありません。また、食事内容は本人の記憶に基づく自己申告で、対象は都市部の大学生と大手スーパーの製品に限られ、添加物は製品の表示のみに基づいて調べられています。

こうした限界を踏まえたうえで、この研究は、ペルーの大学生の日常的な食事に超加工食品が広く入り込んでいること、製品の種類ごとに添加物が特定の組み合わせで使われていること、そして男性であることや飲酒が摂取の多さと関連していることを示しました。著者らは、これらの結果が注意を向けるべき人々の特徴を見いだし、公衆衛生の取り組みを考える手がかりになるとしています。

原著論文の著者・所属:JHOSELINE STAYCE GUILLEN SANCHEZ(Trujillo La Libertad Universidad Cesar Vallejo)、Mónica Saenz Tolay(Trujillo La Libertad Universidad Cesar Vallejo)、Luis Cabanillas Chirinos(Trujillo La Libertad Universidad Cesar Vallejo)、Ana María Pita Ruiz(State University of Campinas, Campinas, State of São Paulo)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):JHOSELINE STAYCE GUILLEN SANCHEZ, Mónica Saenz Tolay, Luis Cabanillas Chirinos, et al. Consumo de alimentos ultraprocesados, coexistencia de aditivos y factores de riesgo asociados entre estudiantes universitarios en Perú. F1000Research 2026-10-22. DOI: 10.12688/f1000research.166729.3. 原著ライセンス:CC BY.