著者の所属・活動拠点の国は、ブラジルです。

掲載誌:LWT

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

ポテトチップスは、薄切りのジャガイモを高温の油で揚げる従来の方法では、油分が30〜40%ほどになると論文は述べています。そこで揚げる前の処理で吸油を抑える方法が探られています。

その候補の一つが「パルス電界(PEF)処理」です。ごく短い電気のパルスを食材にかける処理で、細胞膜に小さな孔ができる「エレクトロポレーション」という現象を組織に起こします。著者らによると、PEF処理は油分の低減に有望とされる一方、冷凍と組み合わせた場合の効果はあまり調べられていませんでした。

研究チームは、PEF処理、冷凍、湯通し(ブランチング)という前処理を順に重ねたとき、揚げたポテトチップスの物理的な性質や組織の形にどのような影響が積み重なるかを評価しました。

何を調べたか

研究チームは、さまざまな前処理をしたジャガイモの薄切りについて、処理中の電気的な特性、水分、油分、割れるときに必要な力(破断力)、色、そして顕微鏡で見た内部の構造を調べました。

PEF処理の間には電流などをリアルタイムで記録し、前処理の違いが電気のかかり方にどう影響するかも確認しています。

主な結果

リアルタイムの電気計測では、湯通しした試料で電流が低い水準にとどまりました。著者らはこれを、組織の電気抵抗が失われ、エレクトロポレーションが起こりにくくなったことを示すものと解釈しています。

最も効果的だったのは、PEF処理の後に冷凍を行う組み合わせ(EPFFと表記)でした。揚げた後の油分は100gあたり11.8gで、比較対象とされたNF試料(100gあたり35.2g)より66%少なかったと報告されています。

EPFF試料では、割れるときの力の記録に複数の山が現れました。著者らはこれをサクサクした食感を示すものとしています。また、色も損なわれずに保たれていました。

一方、冷凍だけを行った場合は、細胞が傷ついたことで吸油がかえって増え、油分は100gあたり43.8gになりました。

顕微鏡による観察では、EPFF処理によって内部に小さな孔がつながり合った網目状の構造ができており、これが揚げている間の素早い水分の抜けを促したと論文は説明しています。

研究が示すこと

この研究は、冷凍を単独で行うと吸油が増えた一方で、PEF処理の後に冷凍するという順序の組み合わせでは油分が大きく減ったと報告しています。著者らは、PEF処理と冷凍の組み合わせが、ポテトチップスを揚げる際の吸油を抑える有効な方法となりうると結論づけています。

原著論文の著者・所属:Clara Teresa de Souza Ramos、Guilherme Brasil Pintarelli(Department of Control, Automation and Computer Engineering, Federal University of Santa Catarina, Blumenau, SC, Brazil)、Jessica de Matos Fonseca、Alcilene Rodrigues Monteiro(Laboratório de Propriedades Físicas de Alimentos, Federal University of Santa Catarina, Florianópolis, SC, Brazil)、Daniela Ota Hisayasu Suzuki(Instituto de Engenharia Biomédica, Federal University of Santa Catarina, Florianópolis, SC, Brazil)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Clara Teresa de Souza Ramos, Guilherme Brasil Pintarelli, Jessica de Matos Fonseca, et al. Sequential pulsed electric fields (PEF) and freezing pretreatment for reducing oil uptake in potato chips. LWT 2026-09-21. DOI: 10.1016/j.lwt.2026.119971. 原著ライセンス:CC BY.