著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:Digital Bisnis Jurnal Publikasi Ilmu Manajemen dan E-Commerce
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の背景と目的
インドネシアでは、QRコードを使った統一決済規格「QRIS(Quick Response Code Indonesian Standard)」が広がり、飲食店でも導入が進んでいます。しかし著者らによれば、セラン市のマウラナ・ユスフ・スタジアムにある飲食エリア(プジャセラ)の飲食店主の間では、QRISの活用はまだ十分ではなく、日々の商売では現金での取引が中心になっています。
そこで研究チームは、QRIS決済システムの「質」が、店主たちの電子決済を使おうとする意向にどのような影響を与えるのかを調べました。あわせて、利用者の「信頼」がその影響を橋渡しする役割(媒介)を果たしているかどうかも検討しています。
調査の方法
研究チームは、このエリアで営業する飲食店主132人を、研究の目的に合う条件で対象者を選ぶ方法(目的的サンプリング)で選び、アンケート調査を行いました。質問には、回答者が同意の度合いを段階で答えるリッカート尺度が使われています。
集めたデータは、PLS-SEM(部分的最小二乗法による構造方程式モデリング)という統計手法で分析されました。これは、「システムの質」「信頼」「利用意向」のように直接は測りにくい複数の要素どうしの関係を、まとめて推定するための方法です。
主な結果
論文の報告によると、QRISのシステムの質は、店主の信頼と電子決済の利用意向の両方に、統計的に有意な直接の影響を示しました。また、信頼も利用意向に有意な影響を与えていました。
さらに、信頼は、システムの質と利用意向の関係を「部分的に媒介」していると報告されています。つまり、システムの質は利用意向に直接関わるだけでなく、信頼を通じても利用意向に関わっている、という結果です。
この研究が示すこと
著者らは、QRISシステムの技術的な質と利用者の信頼の両方が、飲食店主の電子決済を取り入れようとする意向を左右すると結論づけています。そのうえで、この知見は、小規模な飲食店での電子決済の普及を後押ししようとするQRISの提供事業者や地方自治体にとって、実務上の示唆になるとしています。現金中心の現場で電子決済が選ばれるかどうかには、システムそのものの質に加えて、利用者がそれを信頼できるかどうかも関わっているという見方を示す研究です。
原著論文の著者・所属:Ana Umrotul Aini(Universitas Bina Bangsa)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Ana Umrotul Aini Pengaruh Kualitas Sistem Pembayaran QRIS terhadap Minat Penggunaan Pembayaran Digital dengan Kepercayaan sebagai Variabel Mediasi pada Pedagang Kuliner di Stadion Maulana Yusuf Kota Serang. Digital Bisnis Jurnal Publikasi Ilmu Manajemen dan E-Commerce 2026-09-01. DOI: 10.30640/digital.v5i3.7580. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。