著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Jurnal Kesehatan Saelmakers PERDANA (JKSP)

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

妊娠中の貧血は、血液中のヘモグロビン(酸素を運ぶ赤血球の成分)が少なくなる状態です。論文によれば、妊娠や出産の合併症、胎児の発育の問題につながるおそれがあり、今も公衆衛生上の課題となっています。著者らは、インドネシアの全国調査で2023年の妊婦の貧血の割合が27.7%と報告されていることにも触れています。

これまでの研究では、妊婦自身の知識、食事のとり方、社会経済的な状況が貧血に関わると指摘されてきました。研究チームは、ウォンディボイ地域保健センター(プスケスマス)の統合サービス部門に通う妊婦を対象に、この三つの要因と貧血との関連を確かめることを目的としました。

調べた方法

調査は2025年4月から7月にかけて行われました。2025年に同センターを訪れた妊婦40人全員が対象です。研究チームは質問票を使った聞き取りを行い、あわせてヘモグロビン測定器でヘモグロビン値を測りました。原因と結果を時間を追って調べる方法ではなく、ある時点の状態をまとめて調べる「横断研究」と呼ばれる設計です。

ヘモグロビン値が11 g/dL以下の人を「貧血あり」としました。知識については、貧血の原因や症状に関する質問への正答が半分以下なら「不十分」と分類しました。食習慣は質問への回答をもとに「良い」「良くない」に分け、社会経済状況は収入が地域の最低賃金以下かどうかで「低い」「高い」に分けました。そのうえで、カイ二乗検定という統計手法を使い、各要因と貧血との関連を調べました。

主な結果

40人のうち13人(32.5%)が貧血でした。

知識が不十分だった19人では11人(57.9%)が貧血でした。知識が十分だった21人では、貧血は2人(9.5%)でした。統計的にも意味のある関連が認められ(p=0.003)、オッズ比は約13.1と報告されています。オッズ比とは、二つのグループで貧血の起こりやすさを比べる指標です。

食習慣が良くなかった25人では12人(48.0%)が貧血でした。食習慣が良かった15人では1人(6.7%)でした(p=0.013、オッズ比約12.9)。

社会経済状況が低い23人では12人(52.2%)が貧血でした。高い17人では1人(5.9%)でした(p=0.006、オッズ比約17.5)。

著者らは、知識の不足、良くない食習慣、低い社会経済状況はいずれも、妊婦の貧血と有意に関連していると結論づけています。一方で、知識や食習慣、経済状況に恵まれた人の中にも貧血の人はいました。この点について研究チームは、医療機関の利用しにくさ、指導の守りにくさ、腎臓病などの病気が関わっている可能性があると考察しています。

この研究が示すこと

この研究は、一つの地域保健センターに通う40人の妊婦という限られた集団を調べたものです。その中で、貧血が本人の知識や食習慣だけでなく、経済的な状況とも結びついていることが示されました。

著者らはこの結果をもとに、医療者による健康教育や指導の強化、バランスのよい食事の推進、医療サービスを利用しやすくすることが、妊娠中の貧血を減らすために重要だと述べています。

原著論文の著者・所属:Fadirubun, Theresia(Universitas Kader Bangsa Palembang, Indonesia)、Sari, Intan(Universitas Kader Bangsa Palembang, indonesia)、Afrika, Eka(Universitas Kader Bangsa Palembang, indonesia)、Aquari, Bina(Universitas Padjadjaran, Indonesia)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Fadirubun, Theresia, Sari, Intan, Afrika, Eka, Aquari, Bina Faktor-faktor yang Berhubungan dengan Kejadian Anemia pada Ibu Hamil di Unit Pelayanan Terpadu Puskesmas Wondiboi. Jurnal Kesehatan Saelmakers PERDANA (JKSP) 2026-08-30. DOI: 10.32524/jksp.v9i3.2243. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。