著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:International Journal of Education and Learning
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の背景と目的
インドネシア政府は、児童・生徒の栄養状態を改善し、発育阻害(スタンティング)の割合を減らすことを目的に、無償の栄養給食計画「Makan Bergizi Gratis(MBG)」を進めています。研究チームによると、現在のMBGの献立作りには、食物アレルゲンを自動的に確認する仕組みがありません。
そこで著者らは、献立作りの安全性を高めることを目指し、インドネシア料理のレシピに含まれるアレルゲンを分類するモデルを提案しました。モデルには、データを境界線で分けるように学習する機械学習の手法「サポートベクターマシン(SVM)」を用いています。
何を調べたか
研究チームは、料理レシピサイトCookpadから「Masakan Indonesia(インドネシア料理)」というキーワードでレシピを自動収集し、9,986件のデータを作りました。各レシピには、欧州連合(EU)が定める14種類の主要な食物アレルゲンに基づき、それらを原料とする派生食材も含めて、どのアレルゲンが含まれるかの情報が付けられました。
分類の課題は三通り用意されました。アレルゲンを含むかどうかの二択、四段階のアレルゲンレベル、そして含まれるアレルゲンの数に応じた15クラスです。それぞれについて、元のデータ、元のデータに少数のクラスの例を複製して数の偏りを補う処理(ランダムオーバーサンプリング)を加えたもの、データを人工的に増やす「拡張」を施したもの、拡張と偏りの補正を組み合わせたもの、の四種類のデータで比較しました。
SVMには、データの分け方を決める「カーネル」と呼ばれる計算の型がいくつかあります。著者らは線形、多項式、RBF(放射基底関数)、シグモイドの4種類を試し、データを10分割して学習と評価を繰り返す方法で、正解率や、取りこぼしと誤検出のバランスを示すF1スコアなどを調べました。
主な結果
論文によると、提案した方法はすべての課題で高い分類性能を示しました。最も複雑な15クラスの課題では、拡張したデータで学習した多項式カーネルがF1スコア0.981で最も高く、拡張と偏りの補正を組み合わせたデータで学習した線形カーネルが正解率0.999で最も高い値となりました。
著者らはこの結果から、適切なカーネルを選び、データの偏りの補正や拡張を組み合わせることで、複数のクラスに分けるアレルゲン分類の性能を大きく高められる可能性があると述べています。
研究が示すこと
このモデルは、まだ実際のMBGの現場では使われていないと著者らは明記しています。そのうえで、給食を配る前の献立作りの段階で、AIを活用したアレルゲンの確認や判断を支える手段になりうることを示した研究として位置づけられています。
原著論文の著者・所属:Adil Zakaria(Department of Electrical Engineering and Informatics, Faculty of Engineering, Universitas Negeri Malang, Malang, 65145)、Aji Prasetya Wibawa(Department of Electrical Engineering and Informatics, Faculty of Engineering, Universitas Negeri Malang, Malang, 65145)、David Satria Alamsyah(Department of Electrical Engineering and Informatics, Faculty of Engineering, Universitas Negeri Malang, Malang, 65145)、Ahmad 'Ammar Musyaffa'(Department of Electrical Engineering and Informatics, Faculty of Engineering, Universitas Negeri Malang, Malang, 65145)、Aldy Rahmat Yulianto(Department of Electrical Engineering and Informatics, Faculty of Engineering, Universitas Negeri Malang, Malang, 65145)、Agung Bella Putra Utama(Department of Electrical Engineering and Informatics, Faculty of Engineering, Universitas Negeri Malang, Malang, 65145)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Adil Zakaria, Aji Prasetya Wibawa, David Satria Alamsyah, Ahmad 'Ammar Musyaffa', Aldy Rahmat Yulianto, Agung Bella Putra Utama Implementing support vector machine for intelligence allergen classification in the MBG program. International Journal of Education and Learning 2026-08-31. DOI: 10.31763/ijele.v7i2.2362. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。