研究論文

食品・栄養科学の査読済み学術論文(J-STAGEEurope PMCOpenAlexDOAJ)から毎時収集した論文一覧です。ヒトの食・栄養に関わる論文のみを対象に収集しています。NutriMap紹介記事がある場合は、論文ページリンクの横に記事リンクを掲載します。

収集データソース

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Japan Science and Technology Agency

食物繊維・発酵食品・大豆・魚の脂肪酸等の日本語論文

🌐 Europe PMC

EMBL-EBI(PubMed/MEDLINEを内包+プレプリント・農学)

日本食・和食・発酵食品・EPA/DHA等の英語論文(PubMed収集を統合)

🌐 OpenAlex

OurResearch(オープン学術カタログ・CC0)

日本食・栄養・食品科学の英語論文(オープンデータ)

🌐 DOAJ

Directory of Open Access Journals

オープンアクセス誌の食品・栄養論文(英語)

※ NutriMap紹介記事はAIによる要約・解説を含みます。原著論文へのリンクを各記事末尾に掲載しています。断定的な健康効果の表現は使用していません。

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カット野菜料理摂取後の食後血糖値変化の検討 —パイロット試験—

J-STAGE 収録論文(日本)

現代日本人の食生活において、コンビニエンスストアで市販されている弁当(コンビニ弁当)では、野菜からの食物繊維が不足しがちである一方、市販のお惣菜の組み合わせで食物繊維を補おうとすると「糖質・食塩相当量」の過剰摂取という別の問題につながる恐れがある。本研究では、コンビニを利用しつつも、食後高血糖の抑制が示唆できる方法として「カット野菜料理」を考案し、その有効性を食後血糖値から検討した。「カット野菜料理」は、コンビニで購入できるお惣菜とカット野菜を組み合わせて、栄養バランスを整えるために、主食・主菜・副菜を揃えた簡単な料理である。健常な中高年男性(50〜64歳、6名)にFGMを装着してもらい、カット野菜料理およびコンビニ弁当について喫食試験を行った。 その結果、考案したカット野菜料理は、最高血糖値において、コンビニ弁当より低い傾向にあった( P <0.1)。さらに、IAUC 0-60 、IAUC 0-75 、IAUC 0-90 、IAUC 0-105 においても低い傾向にあった( P <0.1)。 FGMを装着し、喫食試験を行った結果、コンビニ弁当と比較してカット野菜料理は、中高年における食後高血糖の抑制につながることが示唆された。

掲載日: 2025年05月01日  / 収集: 2026年05月27日 01:00

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薬理活性成分の安定供給に向けた生合成経路の解明と生産アプローチ

J-STAGE 収録論文(日本)

薬用植物が産生する代謝産物は,医薬品や機能性食品,嗜好品などとして人々の生活に広く利用されている.例えば,ナス科薬用植物が産生するトロパンアルカロイド(スコポラミンなど)は,鎮痛・鎮痙作用を示す重要な医薬成分であり,その生合成経路は既に解明され,酵母を宿主とした合成生物学による全合成も達成されている.一方,イチイ属( Taxus )植物が産生するジテルペン化合物パクリタキセル(タキソール Ⓡ )は,抗がん剤として臨床上重要な役割を担っているが,その生合成経路は未解明である.また,天然資源からの抽出量は極めて少なく(乾燥重量あたり0.001~0.050%),構造が非常に複雑なため化学合成による安定生産は困難である.そのため,生合成経路の全容解明が喫緊の課題とされている.本稿では,近年進展したシングルセル解析技術を応用したアプローチにより,パクリタキセルの新規生合成遺伝子を多数同定したMcCluneらの研究について紹介する. なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである. 1) Srinivasan P., Smolke C. D., Nature , 585 , 614-619(2020). 2) McClune C. J. et al ., Nature , 643 , 582-592(2025). 3) Ranawaka B. et al ., Nat. Plants , 9 , 1558-1571(2023).

掲載日: 2026年03月01日  / 収集: 2026年05月26日 23:00

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骨格筋の質を維持する食品成分に関する研究

J-STAGE 収録論文(日本)

我が国における健康寿命と平均寿命の差は約10年あり, 健康寿命を延伸させることが急務となっている。運動器の障害は要介護などになった原因の上位であり, 骨格筋を健康に保つことはとても重要である。骨格筋の質は加齢とともに低下する。特に, 萎縮の亢進と代謝の低下は顕著であり, 日頃からの食事で摂取できる機能性食品成分が求められている。筆者は, グルココルチコイドにより誘導される骨格筋萎縮の抑制およびグルコース取り込みを促進させる食品成分の探索を行い, その作用機構を解明してきた。甘草に含有されるグラブリジンは, 合成グルココルチコイドであるデキサメタゾンとグルココルチコイドレセプターの複合体形成を競合的に阻害することにより骨格筋萎縮を予防することを明らかにした。また, アデノシンはアデノシンレセプターA1と相互作用することで骨格筋へのグルコース取り込みを促進させることを明らかにした。

掲載日: 2026年02月28日  / 収集: 2026年05月26日 23:00

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グルコサミンによる認知症の発症リスク低減作用:文献的検討

J-STAGE 収録論文(日本)

日本における要支援・要介護の原因の第1位は認知症であり,健康寿命延伸のためには認知症予防が喫緊の課題である.認知症の病因論では,従来,アミロイドβ仮説が知られているが,近年では全身性の代謝異常や慢性炎症の関与も注目されている.機能性食品素材のグルコサミンに関して,抗炎症作用や神経保護作用を介した認知症予防(発症リスク低減)の働きが示唆されている.本研究では,グルコサミンサプリメント摂取と認知症発症リスクとの関連を検証したコホート研究について文献的検討を行った.まず,英国バイオバンクのデータを用いた研究では,習慣的なグルコサミン利用者は,全認知症で16%,アルツハイマー病で17%,血管性認知症で26%のリスク低下を示した.このとき,メンデルランダム化解析により因果関係も支持された.また,別の研究では,2型糖尿病患者では,グルコサミンサプリメントの摂取により,糖尿病発症後の認知症リスクが21%低下するとの結果も得られている.一方,別のコホート研究では有意な関連を認めなかったとされた.追跡期間や交絡因子調整の違いが結果の不一致に関与している可能性がある.先行研究である非臨床研究や他の疫学研究では,グルコサミンによるCRP低下,糖尿病や心血管疾患,がんなど生活習慣病リスク低減といった知見が数多く報告されている.以上のエビデンスを俯瞰するとき,グルコサミンは,関節機能改善に加えて,認知症予防を介した健康寿命延伸に資する可能性を持つ機能性食品成分として期待される.今後,ランダム化比較試験や長期縦断研究により,至適用量・安全性・費用対効果を含めた包括的検証が求められる.

掲載日: 2026年02月06日  / 収集: 2026年05月26日 23:00

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みりん粕のレジスタントプロテイン含有量および胆汁酸吸着能

J-STAGE 収録論文(日本)

みりん製造の圧搾工程で生じる副産物であるみりん粕の効率的な活用を促進するため,その機能性を検討した。本研究では,みりん粕のレジスタントプロテイン(RP)の含有量と胆汁酸吸着能を評価した。SDS-PAGEの結果,全てのみりん粕からRPが検出され,酒粕や米麹と共通するプロラミンであることが示唆された。また,みりん粕の総タンパク質濃度は酒粕と同程度であるものの,RPの濃縮度は酒粕より45.7-64.9%と低かった。また胆汁酸吸着能についても酒粕と比較すると44.7-62.8%と限定的であった。これは酒粕に含まれる酵母や乳酸菌の細胞壁成分が影響している可能性がある。しかし,本研究の結果から,みりん粕にも相当量のRP含有があり,胆汁酸吸着能も示されたことから,みりん粕は機能性食品素材としての十分な可能性があることを示すことができた。

掲載日: 2026年02月02日  / 収集: 2026年05月26日 23:00

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キクイモ粉末で置換した食パンの焼成温度および部位による成分および機能の違い

J-STAGE 収録論文(日本)

【目的】キクイモは血糖値の上昇抑制効果を示すイヌリンや血圧の上昇抑制に繋がるアンジオテンシン変換酵素(ACE)の阻害効果を示すニコチアナミンを豊富に含むことから,機能性食品の原料として注目されている。このキクイモ粉末を用いた食パンは,小麦粉に対して6%までの置換割合であれば物性や嗜好性が一般的な食パンと同等であり,キクイモ加工品として有望と考えられている。しかしながら,イヌリンやニコチアナミンは高温により分解するため,焼成後の成分の減少が懸念される。一方で,キクイモの焙煎時にはメイラード反応によりACE阻害活性が高まることも確認されている。そこで,本研究では焼成後のキクイモ粉末置換パンにおける,イヌリンやニコチアナミン含量およびACE阻害活性について調査を行った。【方法】食パン製造におけるキクイモ粉の置換割合は強力粉質量の6%とし,置換割合0%のものを対照とした。焼成温度は185℃または210℃に設定した。クラムおよびクラストのイヌリン含量,イヌリン重合度,ニコチアナミン含量およびACE阻害活性を調査した。【結果・考察】イヌリン含量は,クラム,クラストともに焼成温度に関わらずいずれも約50%減少した。重合度は,焼成前から焼成後にかけて低分子の割合が低下した。これらのことから,イヌリンの分解程度は焼成温度,部位による違いはなく,低分子を中心に分解していることが示唆された。ニコチアナミンは焼成後にはほとんど検出されなかったが,ACE阻害活性は焼成後には高くなった。このことから,焼成後にはキクイモ焙煎時と同様メイラード生成物によりACE阻害が生じている可能性が考えられた。

掲載日: 2025年08月30日  / 収集: 2026年05月26日 23:00

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γ-オリザノールの分子種についての最新の知見

J-STAGE 収録論文(日本)

γ-オリザノールは,米糠および米糠の抽出物を精製して製造されるこめ油に豊富に含まれており,多くの有益な機能を有する生理活性成分としてよく知られている。γ-オリザノールはトリテルペンアルコールまたは植物ステロールのフェルラ酸エステル体の混合物であるため,これまで混合物として研究されており,γ-オリザノール分子種に着目した研究はほとんどなかった。近年の研究により,γ-オリザノール分子種はそれぞれ特有の機能性を示すことが明らかになってきたことから,分子種の分析法の開発や,分子種の化学構造と生理活性の関係を明らかにすることが重要である。近年,特定保健用食品制度や機能性表示食品制度を背景に機能性食品への関心が高まる中,これらのγ-オリザノール分子種に着目した研究の進展が期待されている。本総説では,食品中のγ-オリザノール分子種の最新の分析技術を中心に紹介する。また,その応用例(γ-オリザノール分子種の吸収・代謝評価)についても触れたい。

掲載日: 2025年05月02日  / 収集: 2026年05月26日 23:00

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PCRによる食物アレルゲン検査法の開発,公定法化,市販キット化

J-STAGE 収録論文(日本)

食物アレルギーは社会問題の1つであり,アレルギー患者にとっては命にかかわる重要な課題である.そのため,日本をはじめとする世界各国では表示制度を導入しており,この制度により患者やその家族はアレルゲンを含まない加工食品を適切に選択できるようになった.日本では食物アレルギーの実態や食習慣の変化を考慮し,定期的に表示制度の改正を行っている.表示の妥当性を検証するためには適切な検査法が不可欠である.我々は制度の改正や検査技術の進歩に応じて,同じ甲殻類に属するえび・かにを区別可能なPCRや,感度や汎用性を向上させたリアルタイムPCRなどの検査法を開発してきた.本稿では,これらPCR検査技術について紹介する.

掲載日: 2026年05月01日  / 収集: 2026年05月26日 22:00

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旅行・巡検における食物アレルギー当事者への合理的配慮と同行者の役割

J-STAGE 収録論文(日本)

1 はじめに 食物アレルギー(Food Allergy:以下「FA」と略す)とは、特定の食べ物に対して免疫反応が過敏に働き、皮膚・消化器・呼吸器などの症状を引き起こす現象であり、重症の場合は生命に危険が及ぶ状態(アナフィラキシーショック)になる場合もある(金城・石川2024)。乳幼児~学齢期に多いが、近年では高校生以上のFAの存在も認識されつつある(アトピッ子地球の子ネットワーク2022)。 日本においてFAを扱った学術研究は、食物アレルギー「疾患」に対する治療法や発症時の対処等に関する医学系の研究がほとんどだった。しかし近年、災害時(金城・石川2024)等、FA当事者に対する社会的対応に関する研究が相次いで発表された。地理学においても土屋(2025)がある。また英語圏の人文社会科学では、FA当事者に関する研究が、すでに多数蓄積されている(Cook 2023)。 2 食物アレルギー「対応」の現状 FA当事者が、巡検や旅行において困難なのは、自らの「アレルゲン(原因食物)」を含まない食事の確保である。日本国内の場合、土屋(2025)が取り上げた加工食品は、「食品表示法」によりアレルギー特定原材料の表示が義務化されている。だが外食事業者(飲食店・宿泊施設)は、同法の対象外である。また原材料情報が提供されても、大半のメニューに自らのアレルゲンが含まれている場合もある。アレルゲンの除去調理といった「アレルギー対応」を任意で行う外食事業者も存在するが、「対応」の水準は統一されておらず、持参した食品の店内への「持ち込み」を許可するだけの事業者もある。したがってFA当事者は、自身のアレルゲンを除去できる店舗を「選んで」、食事をとる必要がある。 3 巡検・旅行における「同行者」の役割と合理的配慮 複数人で旅行に行く場合、利用する店舗・施設を、FA当事者だけで決めることはできない。同行者と相談・調整する必要がある。ホスト(外食事業者)とゲスト(FA当事者)に加え、「同行者」という第三のアクターが重要なのである。これは、会食時に「全面禁煙」の飲食店でなければ体調が悪くなってしまうが、同伴者の理解を得にくいという受動喫煙症当事者の事例(村田2012)とも、共通性がある。 本発表では、卵アレルギー当事者である発表者(石井)自身の経験も踏まえ、「巡検(フィールドワーク)」にFA当事者が参加する場合に着目する。現地を訪れる「巡検」では、ホテル選定時の配慮や、飲食事業者との事前調整が必要になる場合が多い。ここで理解を得るべき「同行者」とは、巡検主催者(引率教員)である。対して英語圏地理学のJokinen & Caretta(2016)は、FA当事者であるJokinen氏自身が現地調査を行うなかで直面した困難(p.1671~1672)を記述した上で、フィールドワーカーに関する従来の議論は「健常者」中心だったと批判している。これは観光社会学の障害者旅行論(井上2009)における論点にも重なる。 関連施策には「ユニバーサルツーリズム」や「障害学生支援(病弱・虚弱)」があるが、FAの位置づけは曖昧である。FA当事者に対する「合理的配慮」の方法について、議論を深める必要がある。旅行・巡検における対応実績は、災害時の円滑なFA対応にも繋がるはずである。また身体的制約であるFAへの対応には、宗教・文化的制約であるハラル対応等と共通する要素もある。ただし、誤食・混入時の「安全上のリスク」を理由に、「対応」を躊躇する関係者が少なくないというFA特有の課題もある。 参考文献・資料 ・E. E.

掲載日: 2026年04月13日  / 収集: 2026年05月26日 22:00

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木の実類アレルギー

J-STAGE 収録論文(日本)

近年,木の実類アレルギーは日本を含む先進国において増加している.消費者庁の全国調査報告(2023年)では,即時型食物アレルギーの原因として木の実類は鶏卵に次いで第2位を占め,クルミは単独でも第2位であった.内訳としてはクルミとカシューナッツが多く,次いでマカダミアナッツが続く.木の実類アレルギーで救急受診する患者の特徴として,幼児期に発症することが多く,その多くは当該木の実を生まれて初めて食べたことによって症状を起こしており,重篤なアナフィラキシー症状が誘発されることもまれではない.木の実類は加工食品や外食で広く使用されており,小児においても食生活に与える影響は少なくない.木の実類アレルギーを発症するリスク因子として,乳児期から遷延する湿疹や他の食物アレルギーが知られている.多くの患者は,幼児期の予期せぬ初回摂取で救急受診が必要な症状を呈しており,これを防ぐための注意喚起が重要である.こうした現状を踏まえ,特にハイリスク児では特異的IgE抗体価などの評価に基づき経口負荷試験や慎重な自宅摂取を行い,不必要な除去を減らし,必要なアレルゲン回避指導を行うことは,総合的に見て患者の利益につながると考えられる.本稿では最新の知見を概説し,木の実類アレルギーの現状とアナフィラキシー予防に向けた実践的対応について考察する.

掲載日: 2026年03月26日  / 収集: 2026年05月26日 22:00

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問題対処型の商業・流通空間の現状と課題

J-STAGE 収録論文(日本)

本論文は,食物アレルギー対応食品を対象に,安心・安全・楽しさを支えるフードシステムと,それを実現する商業・流通空間の実態を地理学の視点から考察したものである.現代の日本では,スーパーや外食産業など大量販売を前提とする流通が主流となる一方で,個別ニーズに対応しにくく,アレルギー患者や買い物弱者などが流通から排除される傾向があった.本研究はそうした問題に対応する「専用チャネル型」,「環境整備型」の商業・流通空間に注目し,食物アレルギー対応食品の専用チャネルである3社( X社,Y社,Z社) を事例に,その構造と役割を分析した.X社は自社工場を運営し,ネット通販とOEM生産を中心に多角的に展開し,Y社は店舗とカフェを併設し,地域密着型の支援と手作りの食品提供に注力してきた.Z社は中小メーカーとの連携を活かし,多品種少量生産と医療・観光分野へ事業を展開している.これらの業者はいずれも,安全性の高い食品提供と,信頼に基づいた顧客との関係強化に成功している.また,SNSの普及により情報流通が活性化し,食物アレルギー対応食品の消費市場がマイノリティからマスへと広がる一方で,誤情報の拡散による不安感の増幅という課題もある.本論文では,食物アレルギー対応食品を通じて,食品そのものの流通と食品情報の流通が分離している状況を明らかにし,食品と情報の流通が一致させるべきであることを指摘した.今後はインターネットを活用した専用チャネルの持続性と,信頼ある情報環境の整備が求められることを指摘したい.

掲載日: 2026年03月22日  / 収集: 2026年05月26日 22:00

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食物アレルギーの諸課題に対する全方位戦略とその実践

J-STAGE 収録論文(日本)

食物アレルギーは小児での有病率が高く, その患者数は年々増加している。食物アレルギーの感作や発症及び免疫寛容の全容は未だ明らかではない。近年, 家庭内曝露と感作の関連や安全な範囲での摂取指導の有効性が数多く報告されており, 食物アレルギー発症予防や治療方針が転換期を迎えている。著者は, 急増する木の実類アレルギーと環境曝露の関係や治療法の1つである経口免疫療法 (Oral immunotherapy: OIT) のヒト臨床研究, 動物モデルを用いたOITメカニズムの検討, 食物アレルギー治療に伴う負担感測定尺度の開発, 抗アレルギー食品素材の探索など多方面から研究を実践している。中でもOITに関する研究では, 治療効果における制御性T細胞の重要性や重症鶏卵アレルギー児に対する少量導入OITの有効性, 治療経過を推定する血清指標などを明らかにした。本稿では, トランスレーショナルな研究戦略とその実践をOITに関する成果を一例にして紹介する。

掲載日: 2026年02月28日  / 収集: 2026年05月26日 22:00

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プライマリ・ケアでの食物アレルギー予防

J-STAGE 収録論文(日本)

近年の研究により,皮膚炎の治療による局所炎症の抑制,ならびに乳児期にアレルゲンとなり得る食物の早期摂取が,食物アレルギー(food allergy;FA)発症予防に寄与する可能性が示唆されている.FA対策は,従来の発症後治療のアプローチから,予防を重視する方向へと転換が求められており,この流れの中で,対象年齢の児を多数診療するプライマリ・ケア医の役割は極めて重要である. われわれは,鶏卵,牛乳,小麦,大豆,ピーナッツ,そばの6種類の食品粉末と整腸剤を混合したミックスパウダー(mixed powder;MP)を作製し,アトピー性皮膚炎を有する乳児を対象に,プラセボ対照多施設共同ランダム化比較試験を実施した.その結果,MP投与群ではプラセボ群と比較してFA発症エピソードが有意に減少した.有害事象として,顔面の発赤など軽度の症状を一部に認めたが,重篤な事象は認められなかった. 以上の知見から,プライマリ・ケアの現場においても実践可能なFA予防策として,①乳児期早期からの皮膚所見の定期的観察と皮膚炎の早期治療,②保護者へのアレルゲンとなり得る食物の早期摂取の指導,の二点が提案される.これらの介入を組み合わせることで,安全かつ効果的にFA発症リスクを低減できる可能性がある.さらに,こうした早期介入は,専門医紹介を要する症例数の減少につながり,地域全体のFA診療の質的向上に寄与すると考えられる.

掲載日: 2025年12月24日  / 収集: 2026年05月26日 22:00

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マウス食物アレルギーモデルを用いた経口免疫寛容の獲得と破たんの解析

J-STAGE 収録論文(日本)

食物アレルギーは,食べた物に対して免疫システムが反応し,アレルギーが誘導される疾患である.一般的に食べた物に対しては,経口免疫寛容と呼ばれる免疫制御システムが機能し,アレルギーは誘導されない.しかしながら,食物アレルギー患者は,経口免疫寛容の獲得が何らかの原因で阻害されたか,もしくは,獲得した経口免疫寛容が破たんしたと考えられる.そこで私たちは,卵の代表的な食物抗原である卵白アルブミン(ovalbumin:OVA)を用いたマウス食物アレルギーモデルと経口免疫寛容モデルを作製し,さらには,経口免疫の獲得が阻害されるモデルと獲得した免疫寛容が破たんするモデルを作製し,免疫寛容が不成立になる機序の解明を行った.経口免疫寛容の獲得を阻害するモデルでは,経口免疫寛容の誘導操作時に,食品添加物であるサッカリンを大量に摂取させた.経口免疫寛容は,消化管から吸収されたOVAが免疫寛容性の樹状細胞に捕捉されることで起こり,大量のサッカリンの摂取は,免疫寛容性の樹状細胞に先立って炎症性の樹状細胞を腸間膜リンパ節へ遊走させた.近年,皮膚を介した食物抗原の侵入が食物アレルギーの発症要因であることが報告された.また,加水分解小麦末を含有する石鹸を使用し小麦アレルギーを発症する事例が報告された.その事例を参考として,OVAをしみ込ませたろ紙を損傷させた皮膚に貼付する方法やOVAを皮内注射する方法で,獲得していた経口免疫寛容を破たんさせるモデルを作製した.そしてOVAを皮内注射するモデルを用いて,獲得した免疫寛容が破たんする機序を解析したところ,経口免疫寛容状態では,皮膚においても免疫寛容性の樹状細胞が皮膚所属リンパ節へ遊走するが,反復したOVAの皮内注射は,炎症性の樹状細胞を先行して遊走させた.今回の結果から,経口免疫寛容の獲得と維持は免疫寛容性の樹状細胞の遊走でおこり,消化管での大量の化学物質の摂取,もしくは,皮膚への反復曝露によって,免疫寛容性樹状細胞の遊走が妨げられると,食べ物がアレルギーの対象として認識されるようになり,食物アレルギーを発症すると考えられた.

掲載日: 2025年07月01日  / 収集: 2026年05月26日 22:00

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食物経口負荷試験時の災害備蓄アンケート調査

J-STAGE 収録論文(日本)

【目的】食物アレルギー(food allergy, FA)児家庭の備蓄啓発における課題を考察する. 【方法】食物経口負荷試験(oral food challenge, OFC)入院をした患者家族にアンケート調査を実施し,備蓄の啓発を行った.期間内に2回目のOFCがあれば,調査も反復し比較検討した. 【結果】有効回答は79人であった.発災当日のFA用非常食の備蓄は,原因食物が複数であると準備がある家庭が多かった(P=0.030).FA対応の缶詰等の備蓄は,「1食未満」の回答は1回目の調査では43%であったが,2回目では27%と減少した.しかし1~3食未満の回答が最も多かった.家庭における備蓄計画にあたり,役立った情報として「1週間の備蓄内容」が,今後の備蓄方策として「飲料水・カセットコンロの備蓄」が最も挙げられた. 【結語】医療者は備蓄に必要な食品の内容や量,災害時の調理法などの具体的な情報を提供することで,家庭備蓄の啓発と見直しを継続的に促すべきである.

掲載日: 2025年06月20日  / 収集: 2026年05月26日 22:00

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栄養教諭研修会における「食育」を組み入れた「気象とその変化」の授業評価とそこからの学び

J-STAGE 収録論文(日本)

背伸びせず実行可能な食育を組み入れた教科学習の日常化に向けた現職教員研修の在り方の検討材料とすべく,現職栄養教諭が防災教育と食育を組み入れた中学校理科授業実践を評価した研修を報告する.運営上の課題もあったが,研修は栄養教諭の専門性を高め,学校における食育の推進に貢献する上で新たな視点や実践方法を学ぶ貴重な機会となった.気象単元で非常食を端緒に食育を組み入れた点や食品の腐敗や乾燥,加工技術が理科とつながる点から授業実践は肯定的に評価された.しかし,栄養バランス,食物アレルギー対応,ローリングストック等の重要性と家庭科,給食,地域との連携の必要性や学習課題が示す状況に生徒が現実性や迫真性を感じていない旨が指摘された.また,食育を実践すべき教科・単元や内容への認識に個人差が確認された.

掲載日: 2025年06月13日  / 収集: 2026年05月26日 22:00

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「食品表示基準について」の一部改正

J-STAGE 収録論文(日本)

食物アレルギー表示制度では、食物アレルギー患者の健康危害の発生を防止する観点から、「特定原材料」(義務表示品目)および「特定原材料に準ずるもの」(推奨表示品目)を定めている。表示の対象品目は、食物アレルギーの全国実態調査結果に基づいて選定されており、アレルギー症例の原因食品の現状を踏まえ、令和6年3月にマカダミアナッツを推奨表示品目に追加し、まつたけを同項目から削除することとなった。本稿では,今般の改正について,食品表示制度に関わる情報と合わせて紹介する。

掲載日: 2025年04月01日  / 収集: 2026年05月26日 22:00

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国立研究開発法人医薬基盤・健康栄養研究所国立健康・栄養研究所での取組

J-STAGE 収録論文(日本)

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所では,令和5年度から「食環境整備推進のための産官学等連携共同プロジェクト」を実施しており,現在,8企業とともに取組を進めている.本プロジェクトは,産学官等の連携による栄養及び食生活に関する調査,研究等を行うことによって,実効性及び持続可能性のある食環境整備を推進し,公衆衛生の向上及び増進を図り,もって国民保健の向上に資することを目的としている. これまで,加工食品,料理レシピの栄養成分情報を集約したデータベースの構築,日本版栄養プロファイリングモデル料理版の改良,自然と健康になる食環境モデルの提案,健康的な食事の推進を通じた将来の健康及び医療経済的影響の予測等に向けて,科学的エビデンスの構築に取り組んできた. 現在は,令和6年9月に日本版栄養プロファイリングモデルが公表されたことを踏まえ,その検証と社会実装に向けた検討を進めている.日本版栄養プロファイリングモデル自体の改善のための研究も別途継続しており,本プロジェクトにおける成果との融合を図ることにより,食品関連事業者による食品や料理の改良が促進され,消費者が健康的な食品や料理に容易にアクセスしやすくなり,自然に健康になれる食環境整備が進むよう,健康・栄養政策研究のナショナルセンターとして貢献してまいりたい.

掲載日: 2025年09月26日  / 収集: 2026年05月26日 20:00

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セルフケア食の献立提示が軽度な心身不調及び健康・食習慣に及ぼす影響

J-STAGE 収録論文(日本)

近年,疲労感やイライラ感等で表される軽度な心身不調状態(軽度不調)にある人が増えている.我々は軽度不調の緩和が期待される栄養成分を一定量摂取可能な献立(7食分;一献立あたり主菜1つ,副菜1つ,汁物1つ)を作成した.健常者83名(24~76歳:男性:15名,女性:68名)を対象に,当該献立のレシピを配布し,1日1回7日間自炊してもらい(介入),介入試験開始前,開始1週間後及び1か月後に軽度不調状態,健康・食習慣に関するアンケートを実施した.軽度不調状態は職業性ストレス簡易調査票B領域(軽度不調判定項目である「活気」,「イライラ感」,「疲労感」,「身体愁訴」を含む質問票)により評価した.研究対象者のうち軽度不調と判定された者は54名であった.この54名において,「活気」の項目で介入前に比べて1か月後に有意な亢進,「イライラ感」で1週間後,1か月後に有意な低減が認められた.83名の全研究対象者のうち20~30代で,介入前に比べて開始1か月後に健康習慣が不良の者の割合が有意に減少し,また研究対象者全体で食事に対する意識の変化が見られた.軽度不調緩和,行動変容に献立提示法が有効である可能性が得られた.

掲載日: 2025年07月14日  / 収集: 2026年05月26日 20:00

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煎茶の浸出液及び粉末茶溶液の成分含有量の比較

J-STAGE 収録論文(日本)

(緒言) 緑茶は,わが国で古くから嗜好飲料として国民に親しまれてきた.しかし,家計調査 1) を見ると,2010年以降,緑茶は茶葉の消費よりもペットボトルや缶の茶飲料の消費が高まっている. 近年,緑茶(煎茶)を粉末状にした「粉末茶(粉茶)」は,茶葉の廃棄がなく簡便に調製できるため,給食などで「お茶」として提供されることも多い.また,煎茶を急須で淹れた場合,煎茶の成分で湯に抽出された成分のみを摂取することができるが,粉末茶を湯に溶かしすべて飲む場合は,茶葉の持つ多くの成分を摂取することが可能になる.このことから,健康志向を背景に,緑茶の栄養成分を「まるごと摂取できる」というイメージから粉末茶への関心も高まっている. 日本食品標準成分表 2) では,煎茶「茶葉」「浸出液(茶葉から抽出した液体)」,抹茶(粉末)の成分値の収載はあるが,粉末茶を使用した液体の成分値の収載はされていない. そこで,従来通りの煎茶の浸出液,同じ茶葉を粉末にした場合の浸出液における成分含有量の違いについて,無機質を中心に成分分析を行い,茶葉の栄養成分がどの程度摂取可能かを明らかにすることを目的とした. (研究方法) 試料:煎茶A(静岡県産深むし茶,1,000円/100 g),煎茶B(静岡県産深むし茶,2,000円/100 g).粉末茶は,茶葉用のセラミックミル(HARIO OMC-1-SG)を用いて,サンプル抽出日前日に茶葉を粉末にして冷凍保存した. 抽出方法:茶葉は,プラスチック製急須を90℃の蒸留水200 mlで温め,湯を捨ててから,茶葉5g+90℃蒸留水215 mlで1分間抽出し,4回に分けてろ紙に出した(1回ごとに急須を振り,茶葉を急須内に均一にしながら排出した).4回目は20回急須を振った. 粉末茶は,300 mlビーカーを90℃の蒸留水200 mlで温め,湯を捨てて,粉末茶2.5 g+90℃の蒸留水215 mlを入れた直後にガラス棒で混ぜ,その後1分間抽出し,ろ紙に出した. 成分分析:水分は常圧加熱乾燥法,灰分は直接灰化法,無機質は原子吸光法,ビタミンC・スクロース・総糖度はRQフレックス法で実施した. (結果) 茶葉浸出液(従来法)と同程度の抽出になるように粉末茶の量を調整した場合,茶葉浸出液(従来法)を100とすると,水分:煎茶ABともに100%,灰分:煎茶A94%・煎茶B77%,マグネシウム:A69%・B62%,ナトリウム:A73%・B92%,カリウム:A68%・B63%,ビタミンC:A80%・B77%,総糖質およびスクロース量:検知限界以下となった. 茶葉の価格の違いによる比較をした場合,煎茶A浸出液を100とすると,マグネシウム:葉115%・粉103%,ナトリウム:葉135%・粉169%,カリウム:葉110%・粉102%となった. (考察) 本研究では,粉末茶浸出液は従来法の茶葉浸出液より低くなった.これは,従来法と同程度の味になるように粉末茶抽出の際の粉量を茶葉抽出の1/2量にしたこと,抽出後にろ過を行い液体のみを分析したことも関連があると考えられた.通常,粉末茶はろ過することは少なく,抽出液中に混入した粉末茶も一緒に摂取することができるため,急須でろ過を行う茶葉抽出液より多くの無機質を摂取できると考えられる. 茶葉の違いによる比較では,価格により浸出液の水分量は変わらないが,価格が高い茶葉のほうが,茶葉でマグネシウム,ナトリウム及びカリウムに,粉末茶でカリウムの含有量が多くなったことから,摂取目的に合わせて茶葉を選択することも可能であると考えられた.

掲載日: 2025年06月07日  / 収集: 2026年05月26日 20:00