著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:Jurnal Teknik Pertanian Lampung (Journal of Agricultural Engineering)
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
テンペは大豆を発酵させてつくる食品で、ジェンベル県では零細・中小規模の事業者が製造し、地域経済を支えています。一方で、製造に使うエネルギーの量や工程の効率には課題があるとされています。
研究チームは、こうした小規模な製造現場を対象に、テンペづくりの各工程で原料の重さがどう変わるか(物質収支)と、どれだけのエネルギーが使われているかを調べました。そのうえで、投入したエネルギーと製品の効率の関係も評価しています。
何を調べたか
著者らはジェンベル県でテンペを製造する3つの事業者(論文中ではX、Y、Zと表記)を訪ね、作業の観察と聞き取りを行いました。製造の工程ごとに、投入されるエネルギーを「生物的エネルギー」「直接エネルギー」「間接エネルギー」の3種類に分けて分析しています。
評価には主に2つの指標を使いました。1つは「エネルギー比」で、できあがったテンペに含まれるエネルギーが、製造に使ったエネルギーの何倍にあたるかを示します。もう1つは「エネルギー生産性」で、1メガジュール(MJ)のエネルギーで何キログラムのテンペをつくれるかを表します。テンペ自体のエネルギー量は、食品の主要成分を測る一般成分分析にもとづいて求められました。
主な結果
抄録によると、重さが最も大きく減ったのは大豆を煮る工程でした。煮ることで成分の一部が分離し、水分量も変わるためと説明されています。
テンペ1キログラムあたりの総エネルギー必要量は、事業者Xが約2.32MJ、Yが約1.66MJ、Zが約1.42MJでした。最も大きな割合を占めたのは直接エネルギーで、煮る工程で燃料を使うことがその理由とされています。
テンペのエネルギー量は1キログラムあたり9.054MJと算出され、エネルギー比はXが3.90、Yが5.46、Zが6.39でした。つまり、できあがったテンペには、製造に使ったエネルギーのおよそ3.9〜6.4倍のエネルギーが含まれていたことになります。エネルギー生産性はXが0.43、Yが0.60、Zが0.71(いずれもkg/MJ)で、3事業者のうちZの効率が最も高いと報告されています。
研究が示すこと
著者らは、大豆を煮る工程がエネルギー消費の要になっていると結論づけています。そのうえで、エネルギー効率を高めるには、燃料の使い方を見直し、より省エネルギーな加工技術を取り入れる必要があると提言しています。同じテンペづくりでも、事業者によってエネルギーの使い方に差があり、とくに煮る工程が改善のポイントになることを示した研究です。
原著論文の著者・所属:Nita Kuswardhani(Universitas Jember)、Andi Eko Wiyono(Universitas Jember)、Fila Faridatuz Zahrok(Universitas Jember)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Nita Kuswardhani, Andi Eko Wiyono, Fila Faridatuz Zahrok Analysis of Mass Balance and Energy Requirement in Tempe Production across Different Production Capacities in Small and Medium Enterprises in Jember Regency. Jurnal Teknik Pertanian Lampung (Journal of Agricultural Engineering) 2026-10-27. DOI: 10.23960/jtepl.v15i5.1616-1630. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。