著者の所属・活動拠点の国は、中国です。

掲載誌:Frontiers in Public Health

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

空腹でない状態の血液から、脂質の状態を調べる

研究チームは、中国四川省綿陽市のサイエンスシティ地区で、9〜11歳の児童に血中脂質の異常がどの程度みられ、食事や運動、家庭の状況とどう関連するかを調べました。子どもの心血管の健康を考えるうえで、地域の実態を把握することが目的です。

2025年10月に小学生580人を対象とし、普段どおりに食事をした後、1〜6時間以内に採血しました。測定したのは総コレステロール、中性脂肪、LDLコレステロール、HDLコレステロールの4項目です。研究で採用した基準では、前の3項目が高いか、HDLコレステロールが低い場合に脂質の異常と判定しました。身長や体重、腹囲も測り、保護者の助けを受けた質問票で食事や運動などの生活習慣を調べました。

約3割に異常がみられ、食事や運動などと関連

研究チームは、580人中172人、29.7%に少なくとも1項目の脂質異常があったと報告しました。全体の割合は男子30.5%、女子28.9%で、男女間に統計的に明確な差はありませんでした。

複数の要因を同時に考慮した解析では、果物・野菜の割合が低い肉中心の食事、砂糖入り飲料や揚げ物を頻繁にとること、過体重・肥満、代謝に関わる病気の家族歴が、脂質異常のあることと関連していました。一方、週の運動頻度が高いことや、1回の運動に一定の時間をかけること、保護者が子どもの脂質の健康に関心を持っていることは、脂質異常が少ないことと関連していました。

子どもと家庭の生活背景を捉える結果

この研究は、同じ時点で血液と生活習慣を調べたものであり、食事や運動が脂質異常の原因になった、あるいは異常を防いだと証明したものではありません。また、対象は一つの地域の児童で、この割合をそのまま他の地域の子どもに当てはめることはできません。

著者らは、今回の結果を、子どもの脂質の健康を考える際に食生活や身体活動、家庭の関わりを合わせて捉えるための地域の基礎資料と位置づけています。調査は、血中脂質の状態が、体格だけでなく日々の生活や家庭の背景とも結びついていることを示しています。

原著論文の著者・所属:Xiu-Hong Wei(Department of Pediatrics, Sichuan Science City Hospital)、Yi-Bin Deng(Department of Pediatrics, Sichuan Science City Hospital)、Guo-Zhong Zhao(Cardiac Center, Sichuan Provincial Science City Hospital)、Hui Tang(Department of Pediatrics, Sichuan Science City Hospital)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Xiu-Hong Wei, Yi-Bin Deng, Guo-Zhong Zhao, et al. Prevalence and determinants of non-fasting lipid abnormalities among 9- to 11-year-old students in the Science City area. Frontiers in Public Health 2026-11-04. DOI: 10.3389/fpubh.2026.1946785. 原著ライセンス:CC BY.