この研究は、インドネシアの研究機関の研究論文です。

掲載誌:AcTion Aceh Nutrition Journal

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

何を明らかにしようとしたのか

インドネシアでは、思春期の子どもたちの過体重や肥満が増え続けていると報告されています。研究チームは、その背景のひとつに砂糖入り飲料(加糖飲料)の多量摂取があると指摘しています。2023年のインドネシア保健調査では、思春期の16.2%が過体重または肥満に該当したとされています。

一方で、食事中の感覚に意識を向ける「マインドフル・イーティング」や、食品の栄養表示を読み取る力(栄養表示リテラシー)が、より健康的な消費行動につながるのではないかという考え方があります。ただし、これら三つの要素——マインドフル・イーティング、栄養表示を読む行動、加糖飲料の摂取——を同時に取り上げて思春期の栄養状態との関連を調べた研究は、とくにタンゲラン市ではこれまでなかったと著者らは述べています。そこで本研究は、この三つと中学生の栄養状態との関連を分析することを目的としました。

どのように調べたか

調査は2025年5月、タンゲラン市の公立第31中学校で行われました。対象は同校の8年生で、13〜15歳の生徒312人のうち、クラスの規模に応じて人数を割り当てる「比例層化無作為抽出」という方法で160人が選ばれました。調査時に発熱などで体調を崩していた生徒や、治療上の食事制限を受けている生徒は対象から除かれています。

調べ方は次のとおりです。マインドフル・イーティングは専用の質問票で測り、栄養表示を読む行動も質問票で評価しました。加糖飲料の摂取は、どの飲み物をどのくらいの頻度で飲むかを尋ねる「食物摂取頻度調査票(FFQ)」を用いた聞き取りで把握しました。栄養状態は、身長と体重を測って年齢別のBMI(BMI/年齢)を求め、インドネシア保健省の基準に沿って「やせ」「正常」「過体重」「肥満」に分類しました。これらの関係は相関分析によって調べられています。

なお、この調査は一時点で測定するデータを集める設計(横断研究)であり、著者ら自身が、原因と結果の関係を結論づけることはできないと明記しています。

報告された主な結果

参加者160人のうち、栄養状態が正常だったのは106人(66.3%)でした。過体重が37人(23.1%)、肥満が12人(7.5%)、やせが5人(3.1%)で、著者らは過体重・肥満の割合に注意が必要だとしています。

分析の結果、マインドフル・イーティングと栄養状態のあいだには統計的に意味のある関連が認められ(p<0.001、r=0.494)、その強さは中程度と評価されました。加糖飲料の摂取と栄養状態のあいだにも有意な関連があり(p<0.001、r=0.601)、これは強い関連と分類されています。飲まれていた飲料では紅茶系の製品が多く、コーヒー系の製品はあまり飲まれていなかったと報告されています。

栄養表示を読む行動についても統計的に有意な関連は認められましたが、その強さは非常に弱いものでした(p=0.049、r=−0.156)。著者らは、この結果が「表示を読むこと自体が栄養状態を下げる」という意味ではないと明確に述べています。質問票では、ハラル認証マーク(80%)や消費期限(70.6%)を確認する生徒は多い一方で、カロリー表示に注意を払う生徒は13.1%、推奨摂取量に対する割合を見る生徒は14.4%にとどまりました。つまり、表示を見る習慣はあっても、その関心は安全性や好みに向きがちで、栄養成分の内容を理解して選択に活かすところまでは届いていない可能性がある、と解釈されています。

この研究が示すこと

著者らは結論として、マインドフル・イーティングの得点が高いほど、また加糖飲料の摂取が少ないほど、思春期の栄養状態が良好であるという関連が見られたとまとめています。さらに、食べているときの意識や栄養情報の理解といった行動面の要素が、長期的な食習慣が形づくられる学齢期の栄養状態に関わっていることを、この結果は示しているとしています。

ただし著者らは限界も挙げています。横断研究であるため因果関係は言えないこと、質問票による回答には思い出しの偏りや主観が入りうること、調査が1校のみで行われたため結果をより広い集団に一般化しにくいこと、そして身体活動や食事全体のパターン、環境要因などは詳しく検討していないことです。これらを踏まえたうえで、食べ方への意識と飲み物の選び方が、中学生の栄養状態を考えるうえで見逃せない切り口であることを、この研究は具体的な数値とともに示しています。

著者:Mardiana Dwi Ratnasari(Department of Nutrition, Esa Unggul University, DKI Jakarta)、Vitria Melani(Department of Nutrition, Esa Unggul University, DKI Jakarta)、Kurnia Dwi Juliani(Department of Nutrition, Esa Unggul University, DKI Jakarta)、Dessy Aryanti Utami(Department of Nutrition, Esa Unggul University, DKI Jakarta)、Isniati Dwijayanti(Department of Nutrition, Esa Unggul University, DKI Jakarta)、Anugrah Novianti(Department of Nutrition, Esa Unggul University, DKI Jakarta)、Rachmanida Nuzrina(Department of Nutrition, Esa Unggul University, DKI Jakarta)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Mardiana Dwi Ratnasari, Vitria Melani, Kurnia Dwi Juliani, Dessy Aryanti Utami, Isniati Dwijayanti, Anugrah Novianti, Rachmanida Nuzrina Association of mindful eating, nutrition label literacy, and sugar-sweetened beverage consumption with nutritional status among adolescents in Tangerang, Indonesia. AcTion Aceh Nutrition Journal 2026-09-16. DOI: 10.30867/action.v11i3.2849. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。