著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:Journal of Health Medicine and Nursing
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の背景と目的
スタンティングとは、年齢に比べて身長が低い状態を指します。著者らによると、インドネシアではスタンティングが依然として大きな公衆衛生上の課題で、2023年の有病率は20%を超えていました。
研究の舞台は、インドネシア・ワカトビ県東トミア地区にあるイスラム系の中等教育学校、マドラサ・ツァナウィヤ・ヌルル・フルコンです。この学校で行われたスクリーニングでは、調べた生徒14人のうち8人(57.14%)がスタンティングと判定されました。研究チームは、たんぱく質の摂取不足、保護者の収入の低さ、感染症が関わっている可能性を想定し、思春期の生徒のスタンティングとどの要因が関連しているかを明らかにすることを目的としました。なお、ここで紹介する内容は論文の抄録に基づいています。
どのように調べたか
研究チームは「症例対照研究」という方法を用いました。スタンティングのある人(症例)とない人(対照)を比べ、それぞれの過去の状況や条件にどのような違いがあるかを調べる方法です。
対象となった生徒は87人で、そこから条件をそろえる手続き(マッチング)によって、症例8人と対照8人の計16人が選ばれました。データは標準化された調査手段で集められ、カイ二乗検定とオッズ比という統計手法で分析されました。カイ二乗検定は、二つの要因の間に偶然とは考えにくい関連があるかを確かめる方法です。
主な結果
分析の結果、たんぱく質の摂取状況と感染症の経験は、いずれもスタンティングと統計的に有意な関連を示したと報告されています。たんぱく質の摂取ではカイ二乗値7.273(p=0.013)、感染症ではカイ二乗値9.660(p=0.003)でした。著者らは、たんぱく質の摂取が不十分な生徒や感染症の経験がある生徒で、スタンティングがみられやすかったとしています。
一方、保護者の収入とスタンティングの間には有意な関連は認められませんでした(カイ二乗値0.254、p=0.500)。
ただし、著者らは対象者数が少ないことから、結果は慎重に解釈すべきだと述べており、より大きな規模での調査が望ましいとしています。
この研究が示すこと
この研究は、インドネシアの一つの学校の少人数の生徒を対象としたものですが、思春期のスタンティングがたんぱく質の摂取不足や感染症の経験と関連していたことを報告しています。これは関連を示したもので、原因と結果の関係を確かめたものではありません。それでも、身近な食事や健康状態が子どもの成長と結びついている可能性を、地域の具体的なデータから示した研究といえます。
原著論文の著者・所属:La Ode Kamalia(Lecturer of Public Health Study Program in STIKES IST Buton's, Indonesia)、Amrun Z.(Lecturer of Public Health Study Program in STIKES IST Buton's, Indonesia)、Muhrija Muhrija(College student of Public Health Study Program in STIKES IST Buton's, Indonesia)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):La Ode Kamalia, Amrun Z., Muhrija Muhrija. Risk Factors for Stunting in Adolescents at Madrasah Tsanawiah Nurul Furqon, East Tomia District, Wakatobi Regency. Journal of Health Medicine and Nursing 2026-08-19. DOI: 10.59613/jhmn.v2i4.33. 原著ライセンス:CC BY.