この研究は、インドネシアの研究機関の研究論文です。

掲載誌:Media Ilmiah Kesehatan Indonesia

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

思春期は、子どもから大人へ移り変わる時期です。急な身長の伸びや筋肉量の増加が起こるため、エネルギーや栄養素の必要量が増えます。一方、ファストフードや甘い飲み物をよくとる、食事を抜くといった食習慣の変化に、体を動かす量の少なさが重なると、取り込むエネルギーと使うエネルギーの釣り合いが崩れます。その結果、やせすぎや太りすぎといった栄養の問題が起こりやすくなると、著者らは指摘しています。

研究チームによると、インドネシアでは低栄養と過体重・肥満が同時に存在する「栄養不良の二重負荷」が課題になっています。そこで研究チームは、インドネシア・スラカルタ市の公立中学校(SMP Negeri 10 Surakarta)の生徒を対象に、エネルギー摂取量、たんぱく質摂取量、身体活動の3つが、生徒の栄養状態とどう関係しているかを調べました。

何をどのように調べたか

調査は2025年1月から7月にかけて行われました。研究の種類は、ある一時点の状態を調べて項目どうしの関連をみる横断研究です。対象はこの中学校の1年生(7年生)246人で、そこから無作為に選ばれた167人が参加しました。

食事は、生徒が3日間続けて、食べたものと飲んだものを種類・時間・量とともに記録する方法で調べました。3日間のうち2日は登校日、1日は休日です。記録の内容は研究者が聞き取りで確認し、量は食品の写真集やスプーン・コップなどの家庭用の目安で見積もりました。得られたエネルギーとたんぱく質の量は、インドネシアの食事摂取基準と比べて「不足」「良好」「過剰」に分けました。

身体活動は、世界保健機関(WHO)の国際的な質問票を使い、過去7日間の活動量をたずねて「軽い」「中程度」「激しい」の3段階に分けました。栄養状態は身長と体重を測り、年齢を考慮した体格指数(年齢別BMI)をWHOのソフトウェアで計算して、「やせ」「普通」「肥満傾向」に分類しました。そのうえで、各項目と栄養状態の間に統計的に意味のある関連があるかを検定しました。

主な結果

参加した生徒の63.5%は栄養状態が「普通」で、25.7%が「肥満傾向」、10.8%が「やせ」でした。エネルギー摂取が「良好」だった生徒は53.3%でしたが、40.1%は「不足」に当たりました。たんぱく質摂取が「良好」だった生徒は58.1%でした。身体活動は「中程度」が58.1%で最も多く、「激しい」が37.1%、「軽い」は4.8%でした。

分析の結果、エネルギー摂取量と栄養状態の間には統計的に意味のある関連がありました(p=0.005)。エネルギー摂取が「過剰」だった生徒11人のうち8人は「肥満傾向」でした。身体活動と栄養状態の間にも意味のある関連がみられました(p=0.001)。活動が「激しい」グループでは多くが「普通」の体格で、「肥満傾向」は62人中7人にとどまりました。

一方、たんぱく質摂取量と栄養状態の間には、統計的に意味のある関連は認められませんでした(p=0.068)。この理由として著者らは二つの点を挙げています。一つは、半数以上の生徒のたんぱく質摂取が「良好」の範囲にあり、摂取量のばらつきが小さかったことです。もう一つは、栄養状態がエネルギー量や活動量、食事全体のパターンなど多くの要因に左右されることです。ただし著者らは、たんぱく質は成長や体の組織づくりに欠かせず、十分にとることが引き続き大切だとも述べています。

研究が示すこと

この研究は、都市部の中学生では、エネルギーをどれだけとるかと、どれだけ体を動かすかが、体格の面から見た栄養状態と結びついていることを示しました。ただし、ある時点での関連を調べた研究であり、一方が他方の原因であることを確かめたものではありません。著者らは、エネルギー摂取と身体活動の釣り合いが思春期の栄養状態を保つうえで重要だと考え、バランスのとれた食事と体を動かす習慣の大切さを結論として述べています。

著者:Chiky Loaren Loaren(Universitas Muhammadiyah Surakarta)、Mashithoh Qurrata A'yun(Universitas Muhammadiyah Surakarta)、Dwi Sarbini(Universitas Muhammadiyah Surakarta)、Nur Lathifah Mardiyati(Universitas Muhammadiyah Surakarta)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Chiky Loaren Loaren, Mashithoh Qurrata A'yun, Dwi Sarbini, Nur Lathifah Mardiyati Relationship Between Energy and Protein Intake, Physical Activity, and Nutritional Status Among Students at SMP Negeri 10 Surakarta. Media Ilmiah Kesehatan Indonesia 2026-09-30. DOI: 10.58184/miki.v4i3.1009. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。