掲載誌:MAHESA Malahayati Health Student Journal
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
高血圧は初期に目立った症状が出にくい一方、脳卒中や心臓病、腎臓病などにつながるおそれがあり、生活習慣の見直しによって変えられる重要な危険因子とされています。インドネシアでも高血圧は大きな公衆衛生上の課題で、著者らによると、ビマ県サペ郡の保健センターでは高血圧が非感染性疾患のなかで最も多く記録されていました。
研究チームは、同郡ブギス村の18〜59歳の人々を対象に、栄養状態と高血圧のあいだに関連があるかを調べました。著者らは、これまでの研究の多くが都市部や全国規模のデータに基づいており、農村など地域レベルの知見が限られている点を背景に挙げています。
調べ方
この研究は、ある一時点で複数の項目を同時に調べる「横断研究」です。村の18〜59歳のうち、あらかじめ定めた条件を満たす30人が参加しました。
栄養状態は、実際に測った体重と身長から計算する体格指数(BMI)で判定し、低体重・標準・過体重に分けました。高血圧かどうかは血圧を測定したのではなく、医療者から高血圧と診断されたことがあるかを聞き取りで確認しています。そのうえで、少人数のデータにも使える統計的な方法で、栄養状態と高血圧の関連を検討しました。
主な結果
参加者30人のうち、栄養状態が標準だった人は63.3%、低体重は26.7%、過体重は10.0%でした。一方、高血圧の人は20人で、全体の66.7%に上りました。
栄養状態別にみると、標準体重の人では19人中14人、標準以外(低体重または過体重)の人では11人中6人が高血圧でした。統計的な検討の結果、栄養状態と高血圧のあいだに意味のある関連は認められませんでした。
著者らは、関連が見つからなかった理由の候補として、参加者が30人と少なく実際の関連を検出しにくかった可能性や、BMIでは内臓脂肪など体脂肪の付き方が分からないことを挙げています。また、高血圧は食事や運動、ストレス、遺伝などさまざまな要因が絡み合って起こるため、栄養状態が標準の人でも他の要因によって高血圧になりうると論じています。
この研究が示すこと
この村の参加者では、多くが標準的な栄養状態だったにもかかわらず高血圧の人の割合が高く、BMIで見た栄養状態だけでは高血圧の有無を説明できませんでした。著者らは、高血圧の予防や管理には栄養状態の改善にとどまらず、食生活や身体活動などを含めた幅広い危険因子への目配りが必要だと結論づけています。
原著論文の著者・所属:Nur Husnul Khatimah(Prodi Gizi Fakultas Kesehatan, Universitas Muhammadiyah Bima)、Bambang Budi Raharjo(Prodi Kesehatan Masyarakat, Fakultas Kedokteran Universitas Negeri Semarang)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Nur Husnul Khatimah, Bambang Budi Raharjo Analysis of the Association Between Nutritional Status and Hypertension Among Adults Aged 18–59 Years in Bugis Village, Sape District. MAHESA Malahayati Health Student Journal 2026-10-30. DOI: 10.33024/mahesa.v6i11.25574. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。