著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Napande Jurnal Bidan

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

母乳が足りないと感じたり、実際に母乳の出が少なかったりすると、母乳育児を続けにくくなることがあります。そのため、母乳の出を助けるとされる食品(ガラクタゴーグと呼ばれます)に関心が寄せられてきました。

モリンガ(ワサビノキ)の葉は、こうした食品として広く利用されています。一方、ウリ科の野菜であるハヤトウリについては直接的な根拠が少なく、両者を組み合わせた料理の根拠も限られていました。そこで研究チームは、モリンガの葉とハヤトウリを煮た料理を食べることが、搾乳で得られる母乳の量や乳児の体重増加と関連するかを調べました。

調べた方法

研究は、インドネシア・テルナテ市のカルマタ地域保健センターで、授乳中の母親14人を対象に行われました。参加者は、モリンガの葉とハヤトウリを煮たもの250gを食べる介入群7人と、特別な介入を受けない対照群7人に分けられました。

この研究は「準実験」と呼ばれる方法で、参加者をくじ引きのように無作為に振り分けてはいません。両群とも開始時と、30日間にわたり7日ごとに、搾乳した母乳の量と乳児の体重を測定し、その変化を2つの群の間で比べました。

主な結果

著者らによると、搾乳量の変化は介入群のほうが良好な傾向を示しました。介入群では3人(42.9%)の搾乳量が40mLを超えて増えたのに対し、対照群では6人(85.7%)の増加量が20mL以下でした。もともとの解析では、両群の差は統計的に意味のある差(p=0.001)と報告されています。

乳児の体重増加についても、介入群のほうが良好だったと報告されています(p=0.006)。なお、参加者一人ひとりの連続した測定記録が入手できなかったため、平均値やばらつき、効果の大きさなどの追加計算はできなかったとされています。

この研究が示すこと

著者らは、少人数で無作為化されていないこの研究の範囲では、モリンガの葉とハヤトウリを組み合わせた料理を食べることが、搾乳量と乳児の体重のより大きな増加と「関連していた」と結論づけています。これは、料理が原因で母乳が増えたと確かめられたという意味ではありません。

研究チーム自身も、この結果は予備的なものと位置づけており、十分な人数を対象にした無作為化研究で、食べる内容や測定の方法をそろえたうえで確かめる必要があるとしています。身近な食材と母乳育児との関わりについて、最初の手がかりを示した報告といえます。

原著論文の著者・所属:Asni Annisa Siregar(Midwifery Department, Poltekkes Kemenkes Ternate, North Maluku, Indonesia)、Rasmin Hi Abdul Mutalib(Midwifery Department, Poltekkes Kemenkes Ternate, North Maluku, Indonesia)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Asni Annisa Siregar, Rasmin Hi Abdul Mutalib The Effect of Moringa-Chayote Decoction on Breast Milk Production and Infant Weight Gain. Napande Jurnal Bidan 2026-08-04. DOI: 10.33860/njb.v5i2.4375. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。