著者の所属・活動拠点の国は、ブラジルです。
掲載誌:International Journal of Refrigeration
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
保存と店頭での温度の違いを調べる
研究チームは、「Prata」という品種のバナナを対象に、保存温度によって品質低下の速さがどう変わるかを調べました。熱帯地域の流通では、成熟していても果皮が緑色の段階での保存と、より暖かい店頭での陳列を区別する必要があります。研究の目的は、こうした温度条件と品質変化を結び付け、販売可能な期間を予測するためのモデルを組み立てることでした。
品質の変化を温度と時間からモデル化
著者らは、成熟した緑色のバナナを10、15、20、28℃、相対湿度70±2%で20日間保存しました。外部から追熟を促す処理は行わず、果皮の色、硬さ、重量減少、pH、酸度、可溶性固形分、でんぷん、糖の変化を追跡しました。
それぞれの品質指標に、時間とともに変化する速さを表す複数の数理モデルを当てはめました。さらに、選んだモデルの変化速度が温度によってどう変わるかを、アレニウス式という関係式で表しました。
重量と硬さが予測の指標に
論文によると、すべての品質指標が予測に同じように適していたわけではありません。果皮の色を表す一部の数値は、緑色が抜けて褐変する過程で一方向には変化しませんでした。一方、重量減少と硬さは、変化が一方向に進むこと、数理モデルへの当てはまり、温度と変化速度の関係の整合性という点で、最も安定した組み合わせでした。
温度が高いほど、水分の蒸散と軟化が速まり、販売可能な期間は大きく短くなったと著者らは報告しています。モデルを比較するため、重量が5%減ることと硬さが50%低下することを、品質を受け入れられなくなる基準として設定しました。低温では外観や硬さの劣化が遅れ、20~28℃では追熟が進み、販売可能な期間が短くなりました。
低温の結果をどう読むか
10℃では品質低下が最も遅かったものの、著者らは、この条件をバナナの商業的な保存温度として一般に推奨するのではなく、試験で設けた温度範囲の下限として解釈すべきだとしています。今回の研究は、保存温度による品質低下の違いを捉えるうえで、重量と硬さが有力な予測指標になることを示しています。
原著論文の著者・所属:Mariana Lopes dos Anjos、Diana Jessica Souza Guimarães(Department of Food Engineering, Food Biomaterials Laboratory, Federal University of Ceará, Campus do Pici, Block 857, 1st Floor, 60440-554 Fortaleza, CE, Brazil)、Matheus Abner Cordeiro Monte(Department of Food Engineering, Food Biomaterials Laboratory, Federal University of Ceará, Campus do Pici, Block 857, 1st Floor, 60440-554 Fortaleza, CE, Brazil)、Lucas Moura da Paixão、Rafael Audino Zambelli(Department of Food Engineering, Food Biomaterials Laboratory, Federal University of Ceará, Campus do Pici, Block 857, 1st Floor, 60440-554 Fortaleza, CE, Brazil)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Mariana Lopes dos Anjos, Diana Jessica Souza Guimarães, Matheus Abner Cordeiro Monte, et al. Kinetic and Arrhenius modelling of banana quality loss for application in cold-chain management. International Journal of Refrigeration 2026-09-07. DOI: 10.1016/j.ijrefrig.2026.107107. 原著ライセンス:CC BY.