コンビニ弁当やレトルト食品、スーパーの惣菜など、いわゆる「中食(なかしょく)」は、忙しい現代人の食生活にすっかり定着しました。こうした中食は「自炊をしない人が頼るもの」というイメージを持たれがちですが、実際のところ、中食をよく利用する人は自炊をしないのでしょうか。それとも、両方を組み合わせて食事をしているのでしょうか。この点を調べた研究が、学術誌「インターナショナル・ジャーナル・オブ・ガストロノミー・アンド・フードサイエンス」に2026年08月に掲載予定です。

研究でわかったこと

この研究では、日本に住む20〜64歳のフルタイム男性労働者1,100人を対象に、オンラインでの横断調査(ある時点での実態を尋ねるアンケート調査)が行われました。調査では、社会人口統計学的な特徴(年齢や婚姻状況など)、BMI(体格指数)、中食を食べる頻度、自炊の頻度、生活習慣、そして栄養バランスの取れた食事をとる頻度などが尋ねられています。

結果として、中食を頻繁に食べる男性は、自炊の頻度も高い傾向があることが示されました。これは、中食の利用と自炊が対立する食習慣ではなく、同じ人の中で併存しうることを示唆しています。また、未婚であることが中食を頻繁に食べることと最も強く関連していた一方で、一人暮らしであることは自炊の頻度が高いことと最も強く関連していたと報告されています。

さらに、自炊の頻度や生活習慣の影響を統計的に調整した後でも、中食の消費は過体重である可能性の高さと関連が見られたとされています。つまり、自炊をしているかどうかにかかわらず、中食を多く食べること自体が過体重との関連を示していたということです。

この研究の位置づけ・読むうえでの注意

この研究は、日本のフルタイムで働く男性を対象とした一時点でのアンケート調査に基づくものです。中食の消費と過体重との間に関連が見られたとされていますが、これはあくまで統計的な関連であり、中食が過体重の直接的な原因であると断定するものではない点に留意が必要です。また、対象が成人男性に限られているため、女性や他の年齢層、就労形態の異なる人々にそのまま当てはまるとは限りません。一つの研究であり、これによって結論が確定したわけではない、という前提で受け止めるのがよいでしょう。

まとめ

今回の研究は、「中食を使う人は自炊をしない」という単純な図式ではなく、多くの男性が中食と自炊を併用しながら食生活を営んでいる実態を示しました。その一方で、中食の消費頻度は自炊の有無にかかわらず過体重の可能性と関連していたことも報告されています。中食は現代の食生活に欠かせない存在になりつつあるからこそ、こうした研究が積み重なることで、より健康的な食習慣のあり方を考えるための手がかりが得られることが期待されます。

※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。参考文献:日本の成人男性における中食(レトルト・調理済み食品)消費と調理行動の併存:過体重との関連(インターナショナル・ジャーナル・オブ・ガストロノミー・アンド・フードサイエンス・2026年08月)